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  • SELECK編集部
  • 舟迫 鈴

「開封した=興味を惹いた」ではない!メルマガ分析の新指標「メール滞在時間」とは?

メールマーケティングの効果指標といえば「開封率」や「クリック率」が代表的で、分析に利用されている方も多いかと思います。

これに加え、最近では「開封エンゲージメント」(メールの滞在時間)が取得できるようになりました。北米生まれのこの技術は、すでに日本でも一部の企業で「新しい効果指標」として利用され始めています。

メール開封=未読フラグを消したいだけ!?

メールマーケティング特有の効果指標といえば、「開封率」です。

メルマガは、メールを「配信」して、読者が「受信」し、かつ「開封」されなければ意味がありません。開封をさせるには、キャッチーな件名をつけて読者の興味を惹かなければならず、企業のメルマガ担当者は「開封率の向上」という課題に日々悩まされています。

しかし、「開封した」=「興味を惹いた」ことになるのでしょうか。言い換えれば、100万通配信して開封が30万通(開封率30%)だった場合、30万人が本当に興味をもってメールを「開封した」と言えるでしょうか。

例えば、こんなケースが考えられます。

  • 未読フラグが目障りだったので一瞬だけ開封して既読にし、未読フラグを消した
  • たくさんメールが届いていて、どれも重要ではなかったので、とりあえず既読処理をした
  • 何気なくメールを開いたけどやっぱり興味がなかったのですぐ閉じた

ふだん何気なく読者としてメルマガに接していて、こういった行動をとる方も多いと思います。

このような行動は、メールの中身に興味を持って「開封した」とは言えません。むしろ、反対にそのメールを「迷惑なもの」として扱っています

ところが、これらの「開封」も、メールマーケティング担当者が日頃から効果指標として利用している「開封率」の一部として扱われているのが現状です。もし開封率という指標を、「興味をもったユーザー」という定義で管理しているのであれば、それは誤りかもしれません

「開封エンゲージメント」を知ることの重要性とは

メールの滞在時間を知ることは、実はこうしたユーザー層(開封したけど興味がない層)を把握するのに、とても便利です。逆に言えば、メールに興味をもったユーザーの割合を特定することができるともいえます。

つまり、「開封=興味をもったユーザー」という従来の観点は必ずしも正確ではなく、開封後の「メール滞在時間」を知ることで、メールの中身に「どの程度興味を持ったか」を初めて知ることができます。

メール滞在時間(メルマガ読者の開封後の行動)は、大きく3つに分類することができます。

  • メールを「すぐ削除」するユーザー
  • メールを「少し読む」ユーザー
  • メールを「しっかり読む」ユーザー

当然のことながら、メール滞在時間が長くなるにつれ、読者のメルマガに対する「エンゲージメント」が高いことが推測されます。したがって、「しっかり読む」ユーザーは、それだけロイヤルティが高いといえるでしょう。

一方、「すぐ削除」するユーザーは、先ほどの例のように、ほとんどエンゲージメントがありません。なぜなら、そのメールの内容を読みたくて開封したわけではないからです。

このように「メール滞在時間」によって、開封ユーザーの興味度合いを知ることで、より精緻なマーケティング分析を行うことができます

こうした指標を知っておくことにより、新しく施策を打つことも可能です。

例えば「すぐ削除してしまう割合が高くなってきたので、コンテンツをリニューアルしてみよう」とか、あるいは、デバイス分析と絡めて、「スマホユーザーはPCユーザーに比べて滞在時間が悪い。クリエイティブを工夫してみよう」といったことですね。

いかがでしたでしょうか。日本でもこうしたサービスは利用可能なので、興味がありましたら、ぜひ検討してみてください。

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