• アナザーレーン株式会社
  • 営業部長
  • 川村 功

脱・エクセル!62,000件の営業見込みリストを正確に管理するビジネス情報管理ツール

今回のソリューション:【FileMaker/ファイルメーカー】

営業マンであれば、顧客の引き継ぎで問題を経験した人は多いのではないだろうか。特に顧客の見込数が数万件にも及ぶビジネスでは、「いかに見込み先を正確に管理し、営業を決めていくか」が成果を上げるために重要となる。

クレジットカードの決済業務を展開するアナザーレーン株式会社は、見込み営業先が62,000件にも及んだ時、エクセル管理の限界を迎えた。そして導入を決めたのがビジネス情報管理ツール「FileMaker(ファイルメーカー)」だ。どのような背景で使用を開始し、現在どのように使っているのか、営業部長の川村 功さんに聞いた。

18人のベンチャー企業で、とにかく新規クライアントを発掘する日々

2008年に新卒で入社をし、クレジットカード決済の端末をひたすら売るという仕事をしていました。当時は従業員18人の小さなベンチャーだったので、営業案件の獲得はひたすらテレアポと飛び込み営業でした。

今では月に400〜500件の問い合わせが来るような恵まれた状況ですが、当時は月に50件ほどでしたので、とにかくクライアントの発掘をする日々を過ごしていました。その当時は大変でしたが、今ではとても力になったと感じております。

情報共有のため、営業メンバーを定期的に入れ替え=引き継ぎが課題に

2008年末より少しずつ組織が大きくなっていき、営業部が2つに分かれました。リアル店舗に対してクレジット決済端末を販売するチームと、WEBサイトに対して決済サービスを提供するチームです。部署を分けることは、役割が明確になり一見効率的なのですが、営業ってどうしても数値の争いになるので、段々と部署間で情報共有がされなくなって、情報が属人化していきました。

これは会社としてまずいという話になり、「部署を1つに統合し、その中で業界毎にチームを作りメンバーを一定期間で入れ替える」というマネジメントに変更しました。

このマネジメントによって、情報共有は自然となされるようになったのですが、次に62,000件におよぶ営業見込みリストの管理が問題になってきました。メンバーがチームから動く時、営業先の情報を正しく管理しておかないと、引き継がれたメンバーが苦労します。当たり前のような話ですが、過去営業先とどのようなやり取りをしていたか、といったことをストレスなく時系列で「正確に」把握することが、循環するチームマネジメントにおいては重要なことでした。それはエクセルではもう限界だと感じ、FileMakerを入れ運用し始めたのが、2013年のことです。

接触履歴を最も重視したベーシックな使い方

実は過去にFileMakerを使っていたことがあったのですが、その時は根付きませんでした。人数も少なかったのでエクセルでも代替出来ていたのです。ただ個人的には、その時から使いやすく好きだったので、FileMakerを選択しました。

導入前にヒアリングをしたところ、ちょうどチームリーダーもエクセルだとメンバーの見込み管理がしづらい、という課題を抱えていることが分かり、トップダウンで導入しました。最初はエクセルの方が良いというメンバーもいましたが、現在はみんな問題なく使ってくれています。

左側にアプローチ先の情報を記入してあり、右側に接触履歴を次々と記入していくようなベーシックな使い方をしています。HPに問い合わせがきたものも、自動で通知が飛ぶようなカスタマイズもしています。あとは、チャットワークとも連動して、FileMakerの更新があればチャットに飛ぶようにもなっています。

本当の営業力が鍛えられるPush営業に活用したい

FileMakerの導入で62,000件ある見込みを正確に管理できるようになり引き継ぎもスムーズになりましたが、「管理している見込み先を最大限活用できているか」といったらそうでもないと思っています。というのも、現在、問い合わせが月に400〜500件来て、その内5分の1くらいは成約となる状態です。

これは会社としては嬉しいことなのですが、このPull型営業に慣れてしまうと、チームに営業力がついていきません。Pull型の案件はニーズがもともと顕在化しているので、営業力があまりなくても売れてしまうのです。

一方で自分からリストを発掘して営業をかけるPush型だと、ニーズが顕在化していない顧客に対してニーズを顕在化させる力が必要とされるので、確実に営業力がつきます。Push型営業の場合は、200件営業して1件決まればいいほうなので、営業上の工夫を凝らさざるを得ません。

今後、営業チームを強化するために、せっかくFileMakerで管理できるようになった62,000件の営業見込み先を掘り起こしていけたらいいなと思っています。どんなツールも使いようですよね!

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