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「長時間労働」はなぜ起こる?!350社から見る生産性の高い会社の仮説検証思考とは

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長時間労働の問題が取り上げられています。こういった問題を無くしていくためには、労働生産性を高めていかなければなりません。しかし、現在、日本は労働生産性は、OECD加盟国34ヵ国中、第21位と言われております(*1)。

(*1)日本の生産性の動向2015年版より

SELECKでは過去350社以上に取材をし、生産性向上の事例を取り上げてきました。その中で、生産性が高い会社は「仮説検証思考」が浸透していると感じています。

では、具体的な事例とともに見ていきましょう。

「仮説検証思考」で小さな成功事例を出す

生産性を向上させる試みは、小さな成功事例を出し、それを横展開するとうまくいく傾向があります。そのためには、仮説を立て、小さく実行し、結果を検証する。うまくいかなければ、また違う仮説を立てる。うまくいけば、横展開する、という仮説検証思考が必要になります

「納品のない受託開発」で有名な株式会社ソニックガーデンは、現在、完全リモートで仕事をしています。オフィスもなく、社員用の保養所のような家が日本全国に3軒あるだけ。そこに来て仕事をしても良いし、カフェで仕事をしても良い。自由なスタイルです。

ソニックガーデン

ただ、始めからこのスタイルだったわけではなく、少しずつリモートワークを実現していったようです。

1.Aさんが2週間在宅ワークを行う。結果、問題なし。
2.Aさんがカナダでリモートワークを行う。結果、問題なし。
3.Aさんがアイルランドでリモートワークを行う。結果、問題なし。
4.兵庫県に持ち家を持ってるBさんを雇い、自宅で仕事をしてもらう。結果、問題なし。
5.全員が基本的にリモートスタイルに。でもオフィスは設置。結果、問題なし。
6.オフィスすら無くす。結果、問題なし。

まずはカナダに3ヶ月滞在することになり、その前段階として2週間ほど在宅勤務を行いました。そうしたら何の支障もなくて。「2週間家でできたから、カナダにも行けるね!」ということになりました。そして実際にカナダに飛んだ後も、何の支障もなくリモートで業務を行うことができたので、そのまま「アイルランドにも行けるね!」ということになったんです。

【前編】「アイルランドで働きたい」がきっかけ リモートワークという働き方の実現法

このように、仮説検証思考を持って小さな成功事例を出し、横展開することが重要です。

「仮説検証思考」で無駄なものを作らない

無駄なものを作ったり、無駄な取り組みによって、社員の労働時間が長くなるケースも沢山あります。生産性が高い会社には、仮説検証思考で無駄なものを作ることを避けています。

飲食店向け予約・顧客台帳サービス「トレタ」を運営する株式会社トレタでは、無駄なものを作らないための仮説検証を徹底して行っています。

トレタ

価値仮説に基づいた機能定義とプロトタイプ作成を行い、それをセールスと一緒にお客様のところに持って行って、検証するというフローを取っています。実際に開発を始めるまでに素早く何度も失敗を重ねることで、精度を高めていくという取り組みです。

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アルバイト求人サイト「ジョブセンス」といったメディアを運営する株式会社リブセンスでも仮説検証思考が浸透しています。

リブセンス

サービスを立ち上げる際に、いわゆるリーン開発の原則に則って、サービスのコアとなる部分の開発に集中することで、仮説検証のサイクルを早く回すことを目指していました。

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ユーザーに対して仮説検証することで、無駄なものを作るリスクを減らせます。

「仮説検証思考」で無駄な議論をしない

仮説検証思考が浸透していると無駄な議論も減ります。妄想で議論をしているより、さっさと仮説を作って検証したほうが早いからです。

ネイティブ広告プラットフォーム「Hike」を運営するM.T.Burn株式会社では、開発する機能を決める際に無駄な議論をしません。仮説の機能はすべて実装して、結果を数値で振り返り良かったか悪かったかを検証をします。

M.T.Burn

実際に困っていることがベースになるので、センスの無いIssueはほとんど出てきません。上がってきたIssueは、基本的に全て実装しています。結果は定量的な数値に現れるので、それを元に何が悪かったのか話をして、「じゃあこの機能は止めようか」という話になるだけのことです。

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「僕はAという機能を入れたほうが良いと思う」「いや私はBという機能を入れたほうが良いと思う」といった無駄な議論が減ります。

「仮説検証思考」を浸透させよう

生産性向上に終わりはありません。事業を運営していれば必ず無駄が出てきます。その時に次々に改善していけるかは、「仮説検証思考」が重要だと感じます。

是非組織に取り入れてみて下さい。

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