• 株式会社インテリジェンス
  • 「未来を変えるプロジェクト 」編集長
  • 三石 原士

「刺さるコンテンツ」はペルソナと共に作る!インテリジェンスのオウンドメディア運営

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〜「ペルソナを言語化する必要が無くなる」まで、500人ものビジネスパーソンに会い続け、作られているメディア「“未来を変える”プロジェクト」。その特徴的なコンテンツ制作のプロセスを公開〜

株式会社インテリジェンスは、同社が運営する転職サービス「DODA(デューダ)」の認知度を広げるべく、2015年に「“未来を変える”プロジェクト」というオウンドメディアをリリースした。

配信した記事の「いいね!」は数千を超えるものもあり、ビジネス系のオウンドメディアとして順調に成長している。

そのコンテンツのオリジナリティも然ることながら、記事の作成プロセスも特徴的だ。メディアが公開されてから2年に満たないが、ペルソナ(※1)と共にコンテンツを作るためにイベントを開催し、500人を超えるビジネスパーソンに会ってきた。

(※1)プロダクトのターゲットとなる「人格」のようなもの

ペルソナを設定すること自体は特異なことではないが、ペルソナと共にコンテンツを作るという姿勢は珍しい。

今回は、「“未来を変える”プロジェクト」編集長の三石 原士さんに、メディア成長の秘訣を伺った。

オウンドメディアの狙いは、「潜在層」へのアプローチ

私は「“未来を変える”プロジェクト」というオウンドメディアの編集長を担っています。

株式会社インテリジェンスの三石 原士さん

メディアの目的は、弊社が運営する転職サービス「DODA(デューダ)」の認知度を高めることです。メディアを立ち上げた2015年当初、DODAの認知度はまだまだの状態でしたので、何かしらの手段でターゲット層の一部である「30代・高年収層」にリーチをして、認知していただく必要がありました。

また、オウンドメディアを立ち上げることで、DODAの会員獲得コストを下げる狙いもありました。転職ニーズが顕在化している層への広告単価は、どんどん高くなっているんです。

そのため、メディアを運営することで、獲得競争が激しくない「転職潜在層」との接点を増やし、長期的に関係性を構築することが重要だと考えました。

メディア運営開始から、500人超に会いコンテンツを作成

「“未来を変える”プロジェクト」を運営する上で重視しているのは、制作者サイドの徹底したペルソナの理解です。

運営開始から、500人以上のペルソナに近い人と会い、協力者と共に流通経路の設計やコンテンツの作成を行ってきました。メディアを運営する上で、ペルソナを設定することはあっても、ペルソナ設定された方々と一緒にメディアをつくることは珍しいかもしれません。

ただ、実際にペルソナとなりそうな方と会わないと、何を考えているのか、何に困っているのかは理解できません。理解できないと、ターゲットに刺さるコンテンツは作成できないと思っています。

立ち上げ時には、ヒアリングを重ねペルソナを具体化

メディアの立ち上げ時にまず行ったことは、ペルソナを固めることでした。DODAの認知を広げていきたい「30代・高年収層」の方々にヒアリングを重ね、ペルソナを具体化していきました。

株式会社インテリジェンスの三石 原士さん

ヒアリングをする中で、ターゲットは「成長意欲は高いが、自分のありたい姿やキャリアがそこまで明確ではなく、将来への悩みを持っている」という意外な姿が浮かんできました。そして、多くの方がビジネススクールに興味を持っていることがわかりました。

そこで、今度は国内のビジネススクールに通っている人にヒアリングをしました。すると、DODAが認知を広げていきたいターゲット層とマッチしていることがわかり、よりペルソナが具体的になっていきました。

ペルソナが固まると、コンテンツの流通経路も明確に

こうして明確になったペルソナに、情報の収集源を聞いてみたんです。すると、Facebookのタイムラインと、NewsPicksという声が多くて。特になぜNewsPicksが好きなのかを掘り下げてみると、「著名なビジネスパーソンの考え方や、モノゴトの新しい観点を知れる」という声を拾うことができました。

そこで、「“未来を変える”プロジェクト」では、キーワードを切り口としたSEO向けの記事を書くよりは、ペルソナが気になっているビジネステーマの独自の切り口を収集し、SNSで広げるような記事を書いたほうが良いと判断しました。

株式会社インテリジェンスの三石 原士さん

ペルソナを理解することで、コンテンツの中身だけでなく、コンテンツの流通経路まで定まったんです。

また、メディアのコンセプトである「変化を楽しむ」も、ペルソナと話している中で出てきた「変わりたい、変えたい」という点から、固めていきました。

ペルソナと一緒にコンテンツを作り上げる方法とは?

「“未来を変える”プロジェクト」は、コンテンツをペルソナと一緒に作っています。ペルソナがどのようなコンテンツを求めているのかは、自分たちだけで考えてもわかりません。であれば、イベントに招待して、ディスカッションし、参加者の興味を抽出したほうが、良い切り口が集まると考えました。

メディアをリリースしてから、毎月1回、現在までに計23回のイベントを開催しました。イベントは招待制で、毎回40名ほどを招待してワールドカフェ方式(※2)で行っています。

(※2)あるテーマについて、1テーブル4人に分かれて議論をする方式。一定時間が過ぎたら、テーブルホスト以外は他のテーブルへ移動し、そこのホストから前の議論のまとめを聞き、議論を続ける。これを何回か繰り返す手法。

▼「“未来を変える”プロジェクト」のイベントの様子

イベントが盛り上がるコツは、多様なバックグラウンドを持っている方を招待すること。そして、ビジネスレベルがある程度同じ水準の方を集めることです。

また、議論を盛り上げるため、対立軸ができるようにグループを分けることもあります。例えば、ベンチャー企業で働いている方と、大企業で働いている方を同じテーブルにして、ベンチャーの働き方と大企業の働き方について議論してもらったりしています。

1回のイベントで、1ヶ月分の記事の切り口を収集

現在、月に15〜20本の記事を配信していますが、この1回のイベントで1ヶ月分の記事の切り口を収集しています。

イベント時に鋭い視点をお持ちだった方を再度集めて、観点を深掘りする少人数検討会を実施し、切り口を固めていきます。そして、この切り口を具体的に伝えるなら取材先として誰が良いのかを、編集会議で決めていきます。

例えば、先日メルカリ代表取締役社長の山田進太郎さんと、BASEの代表取締役CEO鶴岡裕太さんのメンタリングの記事を出しましたが、メンタリングという切り口もこのプロセスから生まれました。山田さんからは、普段受ける取材と違う切り口で、新鮮だったというお声をいただきました。

株式会社インテリジェンスの三石 原士さん

ペルソナに近い人の興味分野から記事ができるので、ペルソナに刺さり、自分ごととしてとらえていただける可能性は高いですし、ネタが尽きることもありません。編集部だけでネタを考えるよりも、断然良いと思っています。

イベント自体の評価も、NPS(※3)で計測していますが、立ち上げ以来+60%を下回ることは一度もなく、大好評です。

(※3)Net Promoter Scoreの略で、顧客の企業やサービスへの愛着度や、信頼度を示す指標。 NPSの解説記事はこちら

「言語化する必要もない」状態まで、全員でペルソナに会い続ける

ペルソナと会って関係を構築することで、記事リリース後の初速にも良い影響があります。

やはり自分たちで議論した切り口がコンテンツになるので、リリースと同時にコメントを付記して拡散していただけます。コンテンツの拡散においては初速が重要です。ここでもペルソナと会い、一緒にじっくりとコンテンツを作ることのメリットを享受できています。

現在、毎月のイベントには編集長である私やライターなど、編集に関わる関係者全員が参加するので、チームメンバー全員が実際にペルソナと議論することになります。そうすると、ペルソナイメージのブレがなくなるので、今はペルソナを言語化する必要もないと思っています。

“未来を変える”プロジェクトがアプローチしたいターゲット規模は、約数十万人という試算を立てています。そのターゲットの方々にDODAを認知していただけるよう、今後もリーチを広げていきたいと思います。

株式会社インテリジェンスの三石 原士さん

そして、働き方やキャリアの方向性に悩んだら、「まずは“未来を変える”プロジェクトを見るのがいいんじゃない?」という会話が、自然に出てくる状態を作りたいですね。(了)

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