• 日本郵便株式会社
  • 本社 郵便・物流営業部 課長
  • 杉田 博之

日本郵便の大改革!1拠点で50,000枚超、名刺をすべてデータ化する「Sansan」の活用法

〜日本郵便が、顧客情報の共有のために名刺管理サービス「Sansan」を導入。700名超もの人数で、顧客情報を共有する取り組みとは〜

「早く言ってよ〜」というテレビCMでお馴染みの、クラウド名刺管理サービス「Sansan(サンサン)」。社員が持つ名刺をデータ化して共有することで、営業活動を強化するサービスだ。

そのSansanを、700名を超える規模で活用しているのが、日本郵便株式会社だ。同社では、数ある拠点で活動する営業メンバーが、名刺を個人で管理している状態にあった。その枚数は、たった1拠点だけでも50,000枚に上ったという。

その課題を解決するためにSansanを導入し、名刺という顧客情報を共有することに成功。また、名刺がデータ化されたことで、訪問先でも担当者の情報をスマートフォンで確認できるようになった。さらには、以前は手打ちで行っていた名刺をリスト化する作業でも、大幅に工数を削減できたという。

▼クラウド名刺管理サービス「Sansan」

今回は、実際にSansanの導入を行った同社の杉田 博之さんと片岡 宏介さんに、詳しいお話を伺った。

名刺管理サービス「Sansan」を、700人もの規模で活用

杉田 私は郵政民営化の前から日本郵便に勤めており、現在は、郵便・物流営業部の課長として、年賀状や暑中・残暑見舞いはがき「かもめ〜る」といった商品の販売促進を担当しています。

日本郵便がお役所だった時代から見てきているので、最近は弊社も大きく変わってきているなと思います。「何か新しいことをやろう、やりたい」という風に、自分で役割を広げていくような人が増えてきていますね。

片岡 私は杉田の下で、主にWeb系の仕事をしています。年賀はがきの時期に立ち上がる「郵便年賀.jp」のような特設サイトの運営や、ディレクションといった部分を任されています。

弊社は、本社ビルだけでも社員が1,000人以上在籍していて、本社機能が入りきらずに他の場所にもオフィスがあるうえ、各地の郵便局にも社員がおります。

左:杉田さん、右:片岡さん

このような大規模な組織ですが、それぞれの社員が持っているお客様の情報を共有するため、2015年9月に名刺管理サービスの「Sansan(サンサン)」を導入しました。まずは本社と2つの拠点から活用を始め、2016年5月には首都圏の主要拠点にも導入し、今では700人を超えるメンバーが活用しています。

杉田 Sansanは、最初テレビCMで知って、これは面白いなと思っていたんです。導入時には、類似サービスもいくつか検討してみたのですが、やはりSansanが一番わかりやすく、シンプルな使い勝手に見えたことで、導入を決めました。

「早く言ってよ〜!」テレビCMのようなことが本当に起こっていた

杉田 弊社の営業部は、各所に点在している郵便局を拠点にして営業活動をしています。Sansanを主に活用しているのは、そういった営業マンです。お客様を開拓していく活動をしているので、名刺交換をする機会が多いんです。

以前は、名刺をそれぞれの郵便局ごとにExcelを使って管理していたり、社員がファイリングして各自持っている状態でした。すると、例えば営業のアプローチ先がかぶってしまうようなこともあって。お客様からすると、「同じ郵便局なのに、何で情報共有していないのか」と、クレームにつながることもありました。

また、それぞれの社員がお客様に営業に行くときに、「早く言ってよ〜」という、SansanのテレビCMのような事態が本当に起こっていたんです(笑)。

あの企業のあの担当者に食い込みたいんだけど、何もコネが無い。でも、他の案件でその企業に入っている社員がいれば、その人を通じて紹介してもらえるかもしれない。そういった潜在的な課題を、みんなが抱えている状態でした。

「ゲリラ的に」Sansanを導入!最初はピンとこなかった人も…

杉田 そういった問題を解決するために、Sansanを導入しようと考えたのですが、最初は「ゲリラ的」に使い始めました(笑)。トライアルとして、まず私の部署で導入してしまって、あとは社内の口コミで徐々に使う人を増やしていったんですね。

片岡 ゲリラ的なトライアルと言っても、200名弱くらいの規模にはなりましたね。本社だけで使っても意味がないので、営業先をたくさん持っている現場を巻き込んで進めていきました。

杉田 具体的には、まずは人数の多い、都内数か所の郵便局に導入しました。Sansanの担当者が本当に丁寧に使い方を教えてくれたのですが、やはり最初はみんなピンときていなくて…。名刺をスキャンするという、習慣づけのところが特に難しかったですね。習慣化さえされてしまえば、本当になんてことない作業なんですけど。

名刺の数も膨大で、ある郵便局では50,000枚ほどに上りました。Sansanには、導入時に持っている名刺を無料でスキャンしてくれるサービスがあるのですが、その担当の人が悲鳴を上げていましたね(笑)。

スマートフォンからの検索で、出先からの確認も簡単に

片岡 Sansanに名刺が登録されていると、自分は面識のない会社の人からの突然のアポイントメントであっても、実は他の社員と繋がっているということもわかるので、やはり便利です。

お客様のところに訪問するときも、「あの人の部署どこだっけ?」というときってあるじゃないですか。そういったときもすぐ、手元のスマホで検索できるので、非常に助かっています。

杉田 名刺交換した企業のニュースが毎日届くのも便利ですね。「ああ、あの会社こういうことがあったんだ」と気付くことができます。お客様との共通の話題にもなりますよね。

片岡 また、業務時間の削減にも効果的です。Sansanを使っている社員の中には、役員の秘書のような仕事をしている者がいるのですが、その人は当時3,000枚ほどの名刺をリスト化するという業務を頼まれていて…。

その作業を効率化できるような便利なサービスが無いかと探していたところ、Sansanを見つけて、ホームページを見てみると弊社の導入事例が出ていたようで(笑)。

すぐに私のところに「これ使えるんですか」と連絡がきて、そちらの部署でも導入することになりました。

その方に限らず、社内の口コミで広まっていくことも多くて。名刺を読み込むスキャナーが導線上に置かれていたので「これ、何?」「名刺を管理できるツールなんですよ」「それって私も使えるの?」という風に、どんどん広まっていきました。

IT化を進めながらも、「紙の温かさ」も大切にしていく

片岡 最近では、全社的にペーパーレス化を推進しようという動きが起こっています。Sansanは、ペーパーレス化に向かっていく弊社にとっても、非常に相性が良いものだと思っているので、活用を続けていきたいですね。

杉田 また日本郵政グループの株式会社JPメディアダイレクト(以下「JPMD」)では、昨年から、Sansanと連携して簡単に年賀状を作成できるサービス「B2B LoveLetter」を提供しています。

B2B LoveLetterは、Sansanにある名刺データを活用することで、簡単にビジネスはがきを作成・印刷・送付できるサービスです。

Sansan上にある名刺データは、つまり顧客名簿なんですよね。年賀状ソフトについている宛先リストのように、Sansanのデータを住所録として使えたら良いなと、JPMDと連携の話を進めていきました。

IT全盛の今、コミュニケーションは基本的に、ITが一番便利です。ただ、紙だからこそ伝わる温かみもあると思うんです。IT企業の社長さんでも、手書きのお礼状を送っている方もいらっしゃいますし、特別なときや、本当に何かを伝えたいときには、紙はやっぱり印象的で効果的だと感じています。

「B2B LoveLetter」というサービス名称も、「ビジネスシーンの年賀状もラブレターのように、ときめきのあるワクワクするような使い方ができます」という思いを込めて名付けられています。

今後もこのように、ITと紙の特性を活かしながら、社内の効率化や営業の強化を行っていければと思っています。

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