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社員の半分が外国人!ダイバーシティを追求するスタートアップのLinkedIn活用術

〜ダイバーシティを推進するため、LinkedInを活用した採用を行う株式会社SQUEEZE。その採用ノウハウと、多様性のある組織を作る意義を聞いた〜

民泊の運用サポートサービス「Mister Suite」などを運営する、株式会社SQUEEZE。

設立して2年のスタートアップだが、2016年頭には10名だった社員を、たった半年で倍増させた

ただ闇雲に社員を増やしているだけでなく、その社員の半分が外国人と、ダイバーシティを追求した採用活動を推進している。

今回は、同社でPRマネージャーとして活躍する鈴木 伶奈さんに、ダイバーシティを実現するための、「LinkedIn(リンクトイン)」を活用した採用ノウハウから、多様性の本質まで、詳しくお話を伺った。

スタートアップだからこそ、ダイバーシティを追い求める

私は、外資系の投資銀行を経て、2016年の7月にSQUEEZEに入社しました。

いままでの仕事はすべて金融系でしたが、次第にマーケティングや広報に興味を持ち始め、知人だった今のCEOに話を聞いたんです。そこで、ベンチャーならではの裁量権の大きさと、なによりも人に惹かれ、入社を決めました。

現在はPRマネージャーとして、人事広報やプレスリリース、事業提携などに携わっています。

弊社は、2年前に創業したばかりのスタートアップです。2016年の頭には10人だけの組織でしたが、採用を強化し、12月現在では30人以上が所属しています。

弊社の特徴は、本当に様々な人が在籍しているところです。ダイバーシティをとても大事にしており、メンバーの半分は外国人です

ただ、ダイバーシティというのは、単純に「外国人を雇用しよう」「女性を雇用しよう」という話ではありません。

特にスタートアップには、新しいモノの見方やイノベーションのアイデアが必要で、そうすると必然的に、違う考えを持った人が集まる組織の方が強くなります。たとえ食中毒にかかっても誰かが生き残るように、戦略的なダイバーシティが必要なんです。

採用戦略についても、その点を強く意識しています。

ダイバーシティを実現する手段は「LinkedIn」

多様性を意識した採用を行うための手段として、弊社では「LinkedIn(リンクトイン)」を活用しています。

▼株式会社SQUEEZEのLinkedInページ

LinkedInを採択した理由は、グローバル人材が多く登録しているからです。Wantedlyやキャリアトレックなどの日系サービスも利用しているのですが、そこに登録している外国語を話せる人材は、需要が多く採用が難しいんです。

一方で、LinkedInは世界で使われるビジネス特化型SNSなので、ダイバーシティを推進するためにはぴったりでした。登録している人にプロフェッショナルも多く、他社サービスに比べてコストが低いというのもポイントでした。

現在、社員の約30%をLinkedIn経由で採用しており、うち7割が外国人です。その中には、外国に在住されていた方も1名おり、Skype面接を経て入社に至りました。

LinkedInでは、スキルよりもコミュニティ活動をチェック!

LinkedInには、所属企業名や職務から人材を検索できる機能があります。戦略的にダイバーシティを狙うためには、検索で自分たちの欲しい人材をいかに見つけるかが重要です。


弊社では、グローバル人材という軸以外には、「コミュニティ活動をしている人」などにも注目しています。仕事だけでなく、他の活動をしていたりすると、組織としての考え方も広がります。

一方で、プロフィールに書かれているスキルはあまり信用していません。LinkedInでは他者からの推薦でスキルが追加されるのですが、よく見てみると友人からの推薦が多いので、信ぴょう性は薄いと思っています。

スカウトメールのレスポンス率をあげるコツは「電話」?

良い人材を見つけたあとは、その人に直接アプローチしていきます。

つながりのない相手にメッセージを送る「InMailメッセージ」機能を使う場合、有料プランを利用します。弊社では現在、月に150通まで送れるプランに入っているので、限りあるメッセージの中でレスポンス率を上げることが重要でした。

しかし、始めた当時のレスポンス率は、とても低かったんです。うまくいかない要因は、2つあったと考えています。

ひとつ目は、メッセージの分量です。当時は、やはりSQUEEZEというブランドの認知度が低いため、どのような会社なのか、長文を書いて説明していました。でも、LinkedInに登録されているような方はお忙しいので、長い文章を読んでいる暇がないんですよね。

もうひとつ、ファーストステップのハードルの高さも原因だったと思います。文章中には「ぜひお茶でもしませんか」と書いていたのですが、どうしても「会う」ということはハードルが高いと思われてしまっていたようで…。

ですので、メールの方向性を大きく変えたところ、レスポンス率が向上したんです。

具体的にはまず、会社説明を「SQUEEZEです。インバウンドの民泊・ホテルのシステムを作っています。」という風にシンプルにしました。そして、「30分でも15分でも良いのでお電話できませんか」と、ファーストステップを電話に変えたんです。

その結果、「電話で話だけ聞いてみたい」という人が出てきました。レスポンスが増えただけでなく、認識をすり合わせる上でも、電話は有効でした。

冒頭の5分で会社の概要を説明して、残りの時間は候補者が実現したいことと、会社として提供できることを、早い段階ですり合わせていきます。

フォロワーよりエンゲージメント!LinkedInでの情報発信

スカウト文では会社説明を省いた一方で、LinkedIn内の企業ページの記事は充実させています。

会社から発信しているプレスリリースはもちろん、メディアに掲載されたときは、必ずLinkedInにも載せるようにしています。やはり、信用性が低い段階のベンチャー企業だと、メディアの掲載実績は重要になりますので。

また、LinkedInへの投稿のエンゲージメントは1%以上を保つよう、意識しています。

やはり、何度も投稿を目にした後に、会社のアカウントをフォローしてくれる人が多いので。それぞれの投稿のエンゲージメントを追うことで、どのような内容なら読者は面白いと思ってくれるのかを知り、長期的にフォロワーを増やしていくことが重要だと思います。

日系企業さんだと、記事で使われている英語にミスがあることも多いですが、弊社では誤字脱字がないよう徹底して確認しています。英語がしっかりと話せることをアピールすることで、外国人の方々に信頼してもらうためです。

ただ、メディアだけでの発信には限界もあります。

実際、「SQUEEZEを選んだ理由」を社内で調査したところ、「人」と回答した方が多かったんです。でも、人の良さって、会ってみないと正直わからないですよね。

そこで弊社では、毎月1回、ファーストフライデーというピッツァパーティーをオフィスで開催しています。そこにLinkedInでやり取りした人を招待して、直接会う機会を設けているんです。

所属する人の幸せのためにも、ダイバーシティを追求していく

ダイバーシティのある組織って、実はイノベーティブなアイデアを生み出すためだけが目的ではないと思っているんです。私は、所属する人が「幸せ」だと思える環境づくりのためにも、ダイバーシティがあるべきだと考えてます。

私はLean In Tokyoという、女性の社会進出を促進する団体を運営しています。そこでよく言われているのが、ミーティングのときに女性が3割以下だと、女性は自分が「女性代表」だと感じてしまい、自分の意見を言えなくなる、という問題です。

だからこそ、マイノリティを作ってしまわないように、個人個人の意見を大切にするダイバーシティを、今後も広報として追求していきたいと思っています。(了)

※LinkedInの使い方についてまとめた記事はこちら

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