仮想通貨やNFTの取引に必要な「ウォレット」とは? 定義と分類、おすすめウォレット5選まで
Web3.0の世界に足を踏み入れたことのある方は、「ウォレット」という言葉を一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
「ウォレット」とは、暗号資産やNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)、そのほかのデジタル資産を保管する機能を備えた仮想的・概念的な場所のことを指す言葉です。
これから暗号資産やNFTの取引を始めようと思っている方にとって、ウォレットの取得はファーストステップです。また、デジタル資産の保管だけでなく、「DApps(Decentralized Applications:分散型アプリケーション)」などにアクセスするためにも必要不可欠なものでもあります。
そこで今回は、Web3.0における「ウォレット」の定義から分類、そしておすすめのウォレット5選をお届けします。ぜひご覧ください。
<目次>
- Web3.0の世界における「ウォレット」とは?
- ウォレットを構成する「公開鍵」「秘密鍵」とは?
- 「カストディアルウォレット」と「ノンカストディアルウォレット」の違い
- ウォレットの分類方法は?秘密鍵の保管方法とオンライン/オフラインで分類
- 厳選5つ!おすすめのWeb3.0ウォレットをご紹介
- 【番外編】「ENS(Ethereum Name Service)」とは?
<編集部より>本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。Web3.0の世界は日々変化していますので、「DYOR(Do Your Own Research)」の前提で記事をご覧いただけますと幸いです。記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。
Web3.0の世界における「ウォレット」とは?
Web3.0の世界における「ウォレット」とは、暗号資産やNFT、その他のデジタル資産を保管する機能を備えた仮想的・概念的な場所を指します。現実世界でいう財布や金庫、銀行口座のようなものです。
それぞれのウォレットには、QRコードや30桁ほどの英数字で構成されたアドレスが割り振られており、それを利用することで個人間や取引所でのデジタル資産の取引を行います。例えば「1A1zP1eP5QGefi2DMPTfTL5SLmv7DivfNa」というアドレスは、世界で初めてビットコインを受け取ったアドレスとされています。
ちなみに、ウォレット内に実際に保存されるのはデジタル資産そのものではなく、「秘密鍵」と呼ばれるデジタル資産の取り出しに必要なコードです。
ウォレットの利用目的としては、主に以下の三つが挙げられます。
1. デジタル資産を安全に保管する
2. ブロックチェーン上でデジタル資産の送受信を行う
3. DeFiやNFTのマーケットプレイスなどの、DApps(分散型アプリケーション)(※)に接続する
※「インターネット以来の発明」と言われる、ブロックチェーンなどの分散型フレームワークを基盤としたアプリケーションのこと。中央集権的な管理をされておらず透明性が高いため、ゲームや金融の領域と相性が良いことで知られている。(詳しくはこちらの記事も一緒にご覧ください)
ウォレットは、「暗号資産ウォレット」や「Web3.0ウォレット」といわれる場合もありますが、両者には違いがあります。一般的に、前者は暗号資産を保持することに特化して設計されているのに対し、後者は暗号資産に加えてNFTなど幅広いデジタル資産を扱えるようになっています。
元々は、ウォレットは単に暗号資産の保管と送受信のみに使われていたため、中央集権型取引所(CEX)に預けることが一般的でした。現在も、日本国内の主要な取引所としてCoincheckやbitFlyer、GMOコイン、DMM Bitcoinなどが存在し、そうした取引所が機能として提供している暗号資産ウォレットを利用することが可能です。
しかし、取引所で頻発したハッキング事件や、DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)やNFTといったエコシステムの発展により、「Web3.0ウォレット」、つまり取引所ではなく分散型取引所(DEX)や事業者が提供するWeb3.0ウォレットの利用が増えてきました。
詳しくは後述しますが、このWeb3.0ウォレットはCEXが提供するウォレットとは異なり、第三者が存在せずともユーザー自身でデジタル資産を保管できるという特徴があります。そのため、ウォレット所有者の匿名性やプライバシーが保護されるというメリットがあります。
つまり、デジタル資産のやりとりを行うのに個人名やメールアドレス等の個人情報が不要になるということです。その代わりに、いわゆるパスワードのような「秘密鍵」を自ら保管しておく必要があります。そのため、万が一秘密鍵を紛失してしまった場合には資産を取り戻す術がなかったり、誤ったアドレスに送信してしまった場合に資産を取り戻す方法がないといった課題が存在します。
ウォレットを構成する「公開鍵」「秘密鍵」とは?
ウォレットは「公開鍵」「秘密鍵」「シードフレーズ」の三つの要素で構成されています。以下、それぞれについて説明していきます。
①公開鍵
公開鍵とは、デジタル資産を受け取る際に必要なもので、銀行でいう口座番号のようなものです。誰かにデジタル資産を送ってもらう場合には、このウォレットアドレスを送り主に伝えてやりとりを行います。
②秘密鍵
秘密鍵はデジタル資産の送受信を行う際に必要なもので、銀行でいうパスワードにあたります。誰かに知られても問題のない公開鍵と違って非公開にしておく必要があり、ユーザー自ら保管しなければならない情報です。秘密鍵は再発行ができないので注意が必要です。
③シードフレーズ
シードフレーズとは、ランダムに取得・配置された12または24語で構成されたフレーズのことです。ウォレット作成時に自動的に生成されるもので、ウォレットのパスワードを忘れてしまった場合や、パソコンやスマートフォンを新しく買い替えた時などに必要になります。
シードフレーズを使えば、ウォレットを紛失した場合でも新しい秘密鍵を作成することも可能です。また、主要なウォレットの相互互換性もあるため、ウォレットを変えたい場合にシードフレーズを入力すると、既存のウォレットに保管されていたデジタル資産を利用することができます。
※出典:識者に聞く ジョナサン・アンダーウッドさんインタビュー 暗号資産を安全に管理するために大切なこと – START!
「カストディアルウォレット」と「ノンカストディアルウォレット」の違い
ウォレットは、その秘密鍵の管理方法によって「カストディアル」または「ノンカストディアル」の二つに分類することができます。
そもそも、この「カストディ」という言葉は三菱UFJ信託銀行によると以下のように定義されています。
有価証券の保管・管理業務の総称を指すことば。カストディ業務とは、有価証券の保護預かり業務を指す場合もあるが、一般にはそれにとどまらず、保管した証券から発生する利子・配当金の受領・売買代金の授受あるいは当該証券に係る各種権利関連情報の伝達などの業務を含む。
カストディアンとは、外国証券投資を行う年金基金や投資信託・生命保険会社等投資家の代理人として、上記業務を行う機関のことを指す。
※引用:用語解説「カストディ」 – 三菱UFJ信託銀行
つまり、「カストディ」は暗号資産の世界に限った言葉ではなく、金融・証券用語の一つで、銀行における資産の保全や管理などに広く使われています。そして、資産を管理する第三者や企業のことを「カストディアン」と呼び、業務として第三者のために暗号資産を管理することを「カストディ業務」といいます。また、このカストディ業務を行う人を「ウォレット業者」と呼ぶこともあります。
従来、このカストディ業務は暗号資産の「管理」のみを行っていたため、暗号資産交換業の定義には当てはまらず、資金決済法の規制の対象外とされていました。
しかし、国際的にマネーロンダリングやテロ資金供与対策を行う動きが強まったタイミングで、日本では2020年5月に改正資金決済法が施行され、以下の行為を業として行う場合は暗号資産交換業と定めています。(※資金決済法第2条第7項)
一 暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換
二 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
三 その行う前二号に掲げる行為に関して、利用者の金銭の管理をすること。
四 他人のために暗号資産の管理をすること(当該管理を業として行うことにつき他の法律に特別の規定のある場合を除く)。
この法改正を通じてカストディ業務も暗号資産交換業に含まれるようになり、現在、カストディ業務を行うには金融庁への登録が必要で、厳しい審査が課されるようになっています。
※参考:暗号資産(仮想通貨)におけるカストディ(資産管理・保全)とは – DMM Bitcoin
つまり、「カストディアルウォレット」は第三者が秘密鍵を保管するウォレットのことで、CEXが提供している暗号資産ウォレットがこれにあたります。反対に、「ノンカストディアルウォレット」はユーザー自身が秘密鍵を保管するウォレットのことで、DEXが提供するWeb3.0ウォレットが該当します。以下、それぞれのウォレットの特性について解説します。
①カストディアルウォレット
カストディアルウォレットは、秘密鍵をユーザーに代わって第三者(取引所などのカストディアン)が保管するウォレットのことを指します。
よって、ユーザーは自身の秘密鍵にアクセスすることが困難である一方、秘密鍵やパスワードを紛失した場合には、カストディアンを通じてアカウントへのアクセスを回復できるというメリットがあります。
デメリットとしては、例えば取引所や管理サイトが閉鎖してしまった場合に、デジタル資産へのアクセスができなくなる可能性があることです。よって、信頼できるカストディアンを見分けることが重要とされています。
②ノンカストディアルウォレット
ノンカストディアルウォレットは、ユーザー自身が秘密鍵を管理するウォレットのことを指します。本記事の後半でご紹介する「MetaMask」や「Trust Wallet」などはノンカストディアルウォレットです。自分で資産の管理を行うため、取引所や管理サイトが閉鎖してしまいデジタル資産にアクセスできなくなる、といった心配がない点がメリットです。
しかし、秘密鍵やシードフレーズを紛失してしまった場合には、ウォレットの提供者は顧客情報を管理している訳ではないため、デジタル資産へのアクセスを回復できないというデメリットがあります。
ウォレットの分類方法は?秘密鍵の保管方法とオンライン/オフラインで分類
先ほどは秘密鍵の管理方法でウォレットを分類しましたが、他にもさまざまな分類方法があります。
<A:インターネットに接続されているかどうかで分類>
まず、ウォレットがインターネットにつながっているか否かによって二つに分類されます。
※出典:The 15 Best Web3 Wallets for 2022 (Must Read) – Alchemy
①コールドウォレット
インターネットに接続されていないウォレットのことを「コールドウォレット」といいます。デジタル資産をオフラインで管理できるため、ハッキングリスクを抑え、セキュリティレベルは最も高いと言われています。ただし、保管しているデジタル資産へのアクセスに手間や時間がかかるという点や、物理的に紛失する、もしくは盗難される可能性がある点がデメリットとして挙げられます。
②ホットウォレット
常時インターネットにつながっているウォレットを「ホットウォレット」といい、最も一般的なタイプのウォレットです。インターネットに接続されていれば、場所や時間に関わらずアクセスが可能であり利便性が高いというメリットがあります。その一方で、インターネットに晒されている分、ハッカーなどの攻撃を受ける可能性が高くなるという脆弱性がデメリットです。
<B:コールドウォレットの二つの種類>
次に、コールドウォレットの秘密鍵を物理的にどう保管するかによって2種類に分類することができます。
①ペーパーウォレット
ペーパーウォレットは、アドレスや秘密鍵を紙に印刷して保管するタイプのウォレットです。長期間にわたってデジタル資産を管理する場合には有効な手段とされています。しかし、やはり紛失リスクが大きい点や取引の際に手間がかかる点、そして紙という性質上水に弱いことや破損などの脆弱性もデメリットとして挙げられます。
※出典:ペーパーウォレット – Bitcoin日本語情報サイト
②ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットは、秘密鍵をハードデバイス(USB端末など)に保存する方法です。資産を使う場合にのみ、デバイスをコンピュータに接続します。紙での保管方法と同様にインターネットから完全に遮断されますが、専用のアプリを使えばどのパソコンからでもウォレットにアクセスが可能という特性があります。
広く知られているハードウェアウォレットとしては、フランスのレジャー社によるハードウェアウォレット「Ledger Nano X」や、チェコ共和国のSatoshilabs社の「TREZOR Model T」などがあります。どちらも日本円で1万円〜3万円で購入できます。
▼Ledger Nano X
▼TREZOR Model T
<C:ホットウォレットの三つの種類>
最後に、インターネットに常時接続されているホットウォレットはそのインターフェースによって三つに分類できます。これら三つは、ハードウェアウォレットに対して、ソフトウェアウォレットと呼ばれることもあります。
①ブラウザ型
ブラウザ型のウォレットとは、Google Chromeの拡張機能などで提供されるウォレットのことで、ブラウザの保存領域に秘密鍵を保管します。ウォレットを接続したブラウザを通じてDAppsを開くことで、各種Web3.0サービスにアクセスできるようになります。
先日、SELECKでもご紹介したブラウザ「Brave」にもウォレットが内蔵されています。BraveのウォレットはNFTとマルチチェーンをサポートしており、様々なWeb3 DAppsへの接続が可能です。暗号資産の保管、管理、育成を一つのウォレットで完結させることができます。
※Braveについて詳しくはこちらからご覧ください:広告ブロック&暗号通貨を稼げるブラウザ「Brave」がすごい。高速表示、無料ビデオ通話機能も – SELECK
②デスクトップ型
デスクトップ型は、インターネットからダウンロードし、サーバーではなくパソコン上で管理するウォレットのことを指します。最も古くからある一般的なタイプのウォレットです。
デスクトップ型ウォレットは、ブロックチェーンに記録された全ての取引情報をダウンロードするフルノード版と、最低限のデータのみダウンロードできる簡易版が存在します。
先ほどのブラウザ型のウォレットと比較してセキュリティ面は高いものの、パソコンが故障してしまった場合やウイルスに感染した場合には秘密鍵が盗まれてしまう可能性があるため、パソコン自体の管理を厳重に行う必要があります。
また、サービスによりますが、一つのウォレットにつき一つの通貨をサポートする形になっているものが多く、同時に複数の通貨を管理できないというデメリットもあります。
有名なデスクトップウォレットとしては、「BitcoinCore」や「MyEtherWallet」などがあります。
▼BitcoinCore
▼MyEtherWallet
③アプリ型
最後にご紹介するのは、アプリ型のウォレットです。スマートフォンの保存領域に秘密鍵を保存し、デジタル資産を管理することができます。
アプリ型のウォレットはDAppsに組み込まれていることが多く、例えばブロックチェーンゲームのアプリ内にウォレット機能も実装されているイメージです。
これまで、さまざまなウォレットの種類をお伝えしてきましたが、「どのウォレットを使うべきか?」の明確な答えは存在しません。頻繁に取引を行うのであれば、ブラウザ型やアプリ型のウォレットの方がやはり利便性は高く、長期間の保管を目的とするのであればペーパーウォレットやハードウェアウォレットなどの利用もおすすめでしょう。
また、長期保管するものと直近で取引の可能性があるものを分類し、ハードウェアウォレットとソフトウェアウォレットそれぞれを使い分けてリスクを分散させるのも一つの手かもしれません。
厳選5つ!おすすめのWeb3.0ウォレットをご紹介
最後に、おすすめのWeb3.0ウォレットを六つご紹介します。Web3.0ウォレットは「ひとり一つしか持たない」というものではなく、用途や対応しているブロックチェーンに合わせて複数を保有している人も多く存在します。Web3.0でどのようなことをやりたいのか、ご自身のニーズに合わせて最適なウォレットを選んでみてください。
①MetaMask
まずは鉄板の「Metamask」です。イーサリアム創設メンバーの1人が創業したブロックチェーンの大手企業ConsenSys社が提供するウォレットで、ブラウザ型とアプリ型の2種類のタイプで提供されています。また、日本語と日本円の表示にも対応しているため、初心者でも使いやすくおすすめです。
ETHだけでなく、BNBチェーンやPolygonなどとも連携されています。また、MetaMask独自の機能としてはDAppsやNFTゲーム、DEXなどとの連携があり汎用性が高いというメリットがあります。
また、ウォレットによってはトークンごとにアドレスを管理しなければならないケースも多くありますが、Metamaskは複数のウォレットを作成して、使用用途ごとにアカウントを使い分けることも可能です。そのため、ETH系トークンをまとめて管理できる点でも利便性が高いのが特徴です。
②Rabby
「Rabby」はブラウザ連動型のウォレットです。先ほどのMetaMaskと比べて「セキュリティ面」や「UI」で優れているとする意見があります。具体的には、MetaMaskではスマホアプリでのみ保有しているNFTを確認できますが、Rabbyはデバイスに関わらず保有しているデジタル資産を表示させることができます。また、チェーンの切り替え作業が不要だったり、動作が軽いといったメリットもあります。
Rabbyでは、署名などの操作の際に詳しい説明を表示してくれたり、怪しい操作が求められている場合に警告を出してくれるなど、ウォレット初心者には嬉しいサポートがあります。また、中級者〜上級者の方の中には、MetaMaskよりガス代を多く積むことができる点を活かしてNFTの早押しセールなどの際にRabbyを活用する人もいるようです。
ただし、2022年10月にスワップ(暗号通貨の変換)機能に不具合があったと報告されており、利用には注意が必要です。
③Phantom
「Phantom」は、SOL(ソラナ)用のウォレットです。SolanaチェーンのNFTを管理することに加え、Solana基盤のNFT市場である「Magic Eden」を利用する際に使います。MetaMaskはSolanaに未だ対応していないため、SOLを使ったサービスの際にはPhantomが必要になります。SOLに準拠したトークンを一元管理でき、機能としてはSolana版MetaMaskのようなものです。
多くのNFTゲームがイーサリアムチェーン上で構築されていますが、「STEPN」や「Walken」など日本人ユーザーも多い「Play to Earn(P2E)」(※)でSolanaチェーンがよく使われています。
2022年11月29日には、Phantomがイーサリアムとポリゴンのブロックチェーンに対応することが発表され、今後はマルチチェーンのウォレットとして利便性が向上していくのではないかと思われます。
※P2Eは直訳すると「ゲームなどのサービスを通じて遊びながら稼ぐ」の意味で、ゲーム内のミッションを実行する、NFTアイテムやキャラクターを売買する、スカラーシップ(他のプレイヤーにNFTを貸し出して、そのプレイヤーが得た報酬を一部受け取るシステム)を利用する、といった方法で暗号通貨を稼ぐことを指す
④PLTウォレット
「PLTウォレット」は、2021年8月にリリースされた日本国産チェーンPLT(パレット)用のウォレットです。PLTはERC20準拠で作られたイーサリアム系のトークンで、PLTウォレットではETHとPLTを保管できます。
PLTには、NinjaDAO発のゲーム「CryptoNinja Party!」や中川翔子さんがアドバイザーとして就任した国内最大級ジェネラティブNFTプロジェクトの「Tokyo Mongz Hills Club」などのタイトルがあります。ETHやSOLは対応していないため、これらを利用するためにPLTウォレットが必要になります。
⑤Trust Wallet
最後にご紹介するのは、2017年にリリースされた「Trust Wallet」です。2018年にBINANCEがTrust Walletを買収したことで、BINANCEのDEXで必要なウォレットにTrust Walletが推奨されています。ETH系のトークンにもほぼ対応しているのが特徴です。
一般的にMetaMaskがあればほぼすべてのWeb3.0のサービスは利用できますが、セキュリティ面がMetamaskよりも優れているとする意見もあり、何か問題が生じた際の代替ウォレットとして認知されているようです。
【番外編】「ENS(Ethereum Name Service)」とは?
ここでは、番外編として「ENS(Ethereum Name Service)」についてご紹介します。ENSは、2017年5月にローンチされたWeb2.0でいう「DNS(Domain Name System)」のWeb3.0版で、イーサリアムアドレスを簡素化して覚えやすい形に変換してくれるネーミングサービスです。
インターネット初期の頃、ドメイン名とIPアドレスが紐づいておらず、WebサイトにアクセスするためにはサイトのIPアドレスを全て入力しなければならないという課題がありました。そこで、アメリカの科学者Elizabeth Feinler氏が1983年に発明したのがDNSです。ドメイン名とIPアドレスを紐付けることで、ドメイン名のみ入力すればWebサイトに訪問が可能になりました。この仕組みを、イーサリアムのエコシステムに応用させたものがENSです。
イーサリアムのウォレットアドレスは「0x」から始まる42桁の長い文字列で形成されていますが、「seleck.eth」のように3-6文字程度の短いアドレスに短縮できるため、入力の手間を減らせる、誤送信などのリスクを減らせるといったメリットがあります。イーサリアムの創設者であるVitalik氏も、Twitterプロフィールで自身の名前の語尾に「.eth」と表記しています。
▼Vitalik氏のTwitterアカウント
先ほどご紹介したMetaMaskなどの主要なウォレットに対応しており、変換したENSアドレスを使って取引を行うことが可能です。
このENSアドレスを保有するには「レンタル料」が必要で、このレンタル料はENSアドレスの長さと利用期間から算出されます。具体的には、文字数が少ないほど、そして期間が長くなるほど高価になります。
短く利便性が高いことから、コミュニティネームとしての利用も広がっており、今後「DID(Decentralized Identifier:分散型ID)」においても役割を担うのではないかと期待されています。
※参考:高額取引されるイーサリアム・ネーム・サービス(ENS)とは 歴代トップセールスや利用用途を徹底解説 – coinpost
さいごに
以上、ここまで「ウォレット」についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。Web3.0の世界を楽しむには必須のウォレット。これからNFTを始めてみたい、DAppsを触ってみたいという方はぜひ参考にして最適なウォレットを探してみてくださいね(了)。
※本記事は情報提供を目的としており、投資を勧誘するものではございません。本記事に記載している情報は本サイトの見解によるもので、情報の真偽、各種ツールの安全性、暗号資産の正確性・信憑性などについては保証されておりません。ツールの使用や投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。