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【漁業や医療、学修歴証明書も】NFT活用事例第2弾!実用的なNFTの活用法をご紹介

「冬の時代」が到来したと言われながらも、未だ市場の熱気が冷めない「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」。

実際、ブームとしての勢いは失速しつつも、その市場規模は確実に拡大すると見込まれており、2022年の約30億ドルから、2027年までの5年間でおよそ4.5倍の約136億円に成長すると予測するレポートもあります。

また、各国政府がWeb3.0への取り組みを相次いで表明しており、日本政府も「骨太の方針2022」にて、「ブロックチェーン技術を基盤とするNFTやDAOの利用等のWeb3の推進に向けた環境整備の検討を始める」と言及し、いまや日本の成長戦略の柱に位置付けられています。

このような状況を踏まえ、最近ではスタートアップに限らず大手企業もNFTを活用した新たなビジネスを展開し始めています。そこで今回は、前回のNFT事例記事の追加版として、昨今注目を集めているNFT活用事例を10個厳選してお伝えいたします。ぜひご覧ください。

▼前回の、国内のNFT活用事例をあつめた記事はこちら
【ウイスキー樽やご朱印も】日本のNFT活用事例18選!飲食、アパレル、農地活用から寺院まで – SELECK

<目次>

  1. 毎年、豪華別荘に1日宿泊できる権利をNFTで販売 / NOT A HOTEL
  2. NFTでクラウドファンディングが抱える課題を突破 / 奇兵隊
  3. 学修歴証明書をNFTで発行!Web3.0時代の就業機会を創出 / PitPa
  4. NFT保有者でDAO的にシェアハウスを運営 / Gaiax
  5. NFT×アーティスト育成プロジェクト「MAP」 / ラジオ局J-WAVE
  6. 処方箋の電子化!NFTで医療業界のDXを促進 / セントラル薬局グループ
  7. 若手漁師が牡蠣×NFTで漁業界の活性化を目指す / 牡蠣若手の会
  8. ストリートアートをNFT化し新たな経済圏の確立を目指す / TOTEMO
  9. 「時限式」がユニーク!お守り×NFT / 古事記project
  10. 東大と藝大のコラボ!NFTを活用し、世界で1本だけの日本酒を開発 / VUIKU

1. 毎年、豪華別荘に1日宿泊できる権利をNFTで販売 / NOT A HOTEL

「すべての人にNOT A HOTELを」をミッションとし、自宅(別荘)とホテルをアプリひとつですぐに切り替えられる「新しい暮らし」を提案する、NOT A HOTEL株式会社。2021年に別荘を30日単位から最大12人でシェア購入できるサービスをスタートさせ、30億円を超える販売をオンラインで行ってきたといいます。

そして新たに、2022年8月からNFTを活用したメンバーシップ制度をスタートさせました。毎年1日単位で利用できる宿泊権と、イベント参加などの特典が付与されたメンバーシップNFTが150万円から購入できます。

メンバーシップNFTの購入時点では滞在先も日時も決まっておらず、購入後にリビール(開封)すると「毎年旅をする日」がランダムで付与されるとのこと。そして、宿泊の90日前に宿泊先の「THE KEY」が届くという仕組みで、滞在先がランダムで選ばれる楽しみがあります。

▼デジタルカード(左)と「THE KEY」(右)

※出典:NOT A HOTEL を1日単位で利用可能なNFTを販売 – PR TIMES

NFTの権利は、建物の耐久年数と同じく47年間保有できるとのこと。そのため、宿泊日はデジタルカードに記載されている日時で固定ではありますが、利用できる施設や部屋は毎年変化するそうです。

このNFTは二次流通で売買することも可能で、NOT A HOTELのメンバーシップそのものを売却する、あるいは旅のスケジュールが合わない場合に「THE KEY」だけ売却することもできます。

メンバーシップNFTは主に2種類が販売されており、毎年1泊から楽しめる基本のプランと、3連泊ができるのに加え、一般ゲストは通常利用できない特別な拠点「EXCLUSIVE HOUSE」の利用ができる2つのプランから選べます。

日本の法律では、土地建物の所有には登記が必要ですが、宿泊権をNFT化して売買することは不動産の法的な所有には当たらないのだそうです。また、NFT化することで購入のハードルを下げられたり、セカンダリーマーケットでの売買を通じて流動性が担保できるといったメリットがあり、不動産業界の活性化が期待されます。

現在は、ウェイティングリストに登録で先着順に購入できます。2022年10月7日からは、パートナー事業「PARTNER HOTELS」もスタートさせており、今後の拠点拡大が楽しみなプロジェクトです。

▼過去にSELECKでNOT A HOTELさんに取材した記事も、是非一緒にご覧ください。
物件やNFTは即完売。累計41億調達のNOT A HOTELが挑む「新しい暮らし」の体験設計とは – SELECK

2. NFTでクラウドファンディングが抱える課題を突破 / 奇兵隊

「公共性の高い課題に、革新性の高い技術で挑む」をミッションに掲げ、Webサービスを駆使して様々な国際開発支援事業を展開する株式会社奇兵隊

同社は2011年より、新興国の個人向けクラウドファンディング事業「Airfunding」を展開していましたが、それと並行する形で、2021年からスタートさせたのが、DAO的に国際協力支援を行う社会貢献 × Web3.0型のクラウドファンディングサービス「Open Townです。

▼「Open Town」の仕組み

Open Townを立ち上げた背景として、従来型のクラウドファンディングにはいくつかの課題があったといいます。具体的には、海外送金に時間と手数料のコストがかかることや、宗教観や善意によって寄付額が左右されてしまい、知人以外からの寄付金を募ることが難しいといった点です。

そこで、ブロックチェーン技術の特性を活かして海外送金のコストを省きながら、NFTを発行してDAO的にプロジェクトを推進することで、以下のようなメリットを享受することができるといいます。

1. NFTの二次流通などで、寄付側にもリターンがある
2. 資金の使い道に柔軟性がある(国際協力では政府が絡むため利用用途を細かく決める必要がある)
3. 現地の人を巻き込んだまちづくりで公平性を保つことができる
4. DAO的に支援事業を運営することで、加速度的に支援を展開できる

▼詳しくは、過去にSELECKが奇兵隊さんに取材したこちらの記事もぜひ一緒にご覧ください
社会貢献×Web3を組み合わせたクラファン「OpenTown」で国際支援を目指す奇兵隊 – SELECK

Open Townの第一弾は、ウガンダのカルング村で2022年2月より実施されています。投票権を持つ住民による投票が行われ、NFTの販売益を元に雨水貯水タンクの設置や小学校・孤児院施設の改善工事などが行われました。

また、2022年10月26日からはインドネシアのロンボク島で第二弾のプロジェクトがスタートする予定です。同プロジェクトもNFTの販売益を元にコミュニティスペースが建設される予定とのこと。同施設は学校の生徒や家族、スタッフ、近隣のコミュニティの人々によって利用されます。

そして、NFT保有者もこのコミュニティスペースを自由に利用でき、現地での交流やワーケーションを満喫することができます。加えて、ロンボク島を訪れた際に地元の人から観光ガイドを受けたり、地元の伝統的な行事に参加するといった特典も今後付与されるそうです。

※出典:「Lombok Kidz NFT」が10月26日に販売開始!NFTアートの売上収益で「自律的なまちづくり」を目指す奇兵隊、インドネシアのロンボク島でOpen Townプロジェクト第二弾をスタート – PR TIMES

3. 学修歴証明書をNFTで発行!web3時代の就業機会を創出 / PitPa

「メディアのあり方を再定義し、持続可能な経済性を提供する」をミッションに、ポッドキャスト事業をメインに、独自開発の「Dynamic NFT」を活用した会員証サービスなどWeb3.0領域で新規ビジネスを展開する、株式会社PitPa

同社は2022年8月に、千葉工業大学と共同で学修歴証明書をNFTで発行しています。同NFTは国際規格に準拠しており、譲渡不可能なNFT「SBT(SoulBound Token:ソウルバウンドトークン)」の形で発行されています。

▼実際に発行された、千葉工業大学のNFT学修歴証明書

昨今、「クラウドソーシング」や「DAO」といった新たな働き方や概念も登場し、国境を超えて好きな場所で、好きな時に仕事を請け負うことが容易になりました。さらに、Web3.0時代は従来の就職活動の形に留まらず、特定の知識や技能を求めて世界中から人材を獲得する動きが活発になるとされています。

しかし、未だ人材の流動化の妨げになっているものがあります。それが、個人の卒業証明や住民票、資格、免許などの多くがアナログで管理されているという現状です。こうした証明書をアナログで管理すると、特に海外との教育機関や企業とのやりとりにおいて、その「正しさ」を証明する手間やコストがかかるという問題があります。

そうした中、日本国内においても、外国人を対象とした「日本語能力試験」の合格を証明する認定書の偽造が発覚し、実際に複数名が逮捕、起訴されるという事件が起きています。

そこで、証明書にブロックチェーン技術を活用することで改ざんや偽造を防ぎ、また、受け取った側がそれが「本物かどうか」を発行元に確認する手間を省くことが可能になります。

受け取ったNFTは就活サイトでの学歴証明になったり、DAOやコミュニティの入場証明や特定のコンテンツの利用権利として活用し、働く機会を得られるなど、Web3.0時代の新しい就業機会の創出が期待されています。

※出典:国内初!千葉工業大学で学修歴証明書をNFTで発行 – PR TIMES

4. NFT保有者でDAO的にシェアハウスを運営 – Gaiax

「人と人をつなげる」をミッションに掲げ、数多くの新規事業を創出してきた株式会社ガイアックス。同社は2022年9月より、空き家活用のシェアハウスで若者のU・Iターンを創出する株式会社巻組と共同で、東京都神楽坂にて日本初となるDAO型シェアハウス「Roopt神楽坂 DAOをオープンさせました。

▼「Roopt神楽坂 DAO」が運営するシェアハウスの様子

※出典:日本初、DAO型シェアハウス「Roopt神楽坂 DAO」が始動! 〜学生起業家が”Web3.0”、”ブロックチェーン”上で理想の住まい模索〜 – Gaiax

同シェアハウスは4Kの木造2階建てで、同時に最大10名が居住できます。発行される240個のNFTの購入者にシェアハウスに「住む権利」が与えられ、保有者でDAO的コミュニティが形成されています。

仕組みとしては、巻組社が管理する一軒家をDAOが2年間借り上げる形で、DAOメンバーによって掃除や運用の業務委託、費用や資産購入を投票で決定して運営を行う形です。

これまでのシェアハウスは、住環境の改善を行う際に声の大きな個人に対応せざるを得ないケースも多く、また個人のライフスタイルが多様化する中でそれぞれのニーズに細かく対応する必要があるなど、オーナー側の負担が大きいとされてきました。

さらに、シェアハウスの価値を測る際にシェアハウスならではの「コミュニティ」という無形の価値が反映されないという難しさもあり、今回のDAO型シェアハウスが実現したそうです。

▼「Roopt神楽坂 DAO」運営の仕組み

※出典:「Roopt神楽坂 DAO」概要詳細

運営資金を集める際には、投資目的だと日本の金融商品取引法に抵触する可能性があるため、使う分だけ前払いし使用量に応じて消費される「自家型前払い式」の支払い手段を採用しているとのこと。つまり、DAOに加入したい人は住居代を前払いし、その対価としてDAOへの参加権となるNFTを保有できるという仕組みです。

1NFT(3万円)で、1ヶ月の居住かRooptの全物件への7泊8日のワーケーションができます。このNFTは配当は出ないものの二次流通が可能で、DAOの人気が上昇すれば高く売却できる可能性もあります。

現時点ではスマートコントラクトは実装されていないため、あくまでも「DAO的」な運営といえますが、今後スマートコントラクトのような仕組みの導入も検討しているようです。

 

5. NFT×アーティスト育成プロジェクト「MAP」 / ラジオ局J-WAVE

ラジオ局J-WAVE(81.3FM)は、NFTを活用した次世代アーティスト発掘&育成プロジェクト「CHINTAI presetns J-WAVE MUSIC ACCELERATOR PROGRAM(以下、MAP)を実施しています。

これは、ミュージシャン向けの「アクセラレーター・プログラム」のようなもので、アーティストの成長過程を公開しながら制作物をNFT化し、その販売益を元にアーティストの育成を行うという仕組みです。

▼2022年9月1日(木)に新宿LOFTで行われた、MAPのアーティストたちによるLIVE

 

今回のプロジェクトでは、事前審査を勝ち抜いた8組の次世代アーティストをJ-WAVEやクリエイター、プロデューサー陣がメンターとなって半年間育成していきます。2022年10月22日、23日に開催される「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2022」のステージでのパフォーマンスに向けて、楽曲制作過程をラジオで公開しながら進行しているとのこと。

この活動期間中に、メンターのサポートを元に作成されたデモ音源がNFTとして販売されます。その販売益は次の楽曲やクリエイティブの制作費に活かされるとのこと。音源はラジオでのオンエアを除いて、NFT購入者のみがダウンロードしてフルで聴くことが可能です。

NFTの取引履歴を元に、誰がいつからそのアーティストを応援していたのかが記録されるため、ファンやアーティストの育成に関心がある方にとってはたまらないプロジェクトではないでしょうか。

6. 処方箋の電子化!NFTで医療業界のDXを促進 / セントラル薬局グループ

新型コロナウイルスの拡大により需要が高まったオンライン診療において、個人医療情報(PHI)の管理や処方箋の電子化が喫緊の課題となりました。また、処方箋の受け渡しに関しても、医療機関や調剤薬局、配送会社間のシームレスな連携が必要とされ、業界全体としてDXにおける課題が浮き彫りになったといわれています。

上記の課題に加え、患者のカルテが医療機関ごとに散在していたり、管理方法がサイロ化されているために連携が難しい、紙ベースのカルテでは改ざんが容易にできてしまうといった問題も存在しています。

そこで、GENie株式会社、セントラル薬局グループ、東京白金台クリニックが共同で、BRIDGE、mineの実証実験の一環としてNFTを活用した処方箋の有用性に関する実証実験が2022年4月よりスタートしました。

※出典:GENie株式会社、セントラル薬局グループ、東京白金台クリニック、canow株式会社、ブロックチェーン技術のNFTを活用した処方箋の有用性に関する実証実験を開始 – PR TIMES

ユーザーは東京白金台クリニックで発行されたNFT処方箋をID管理型ライフログ「mine」で管理します。そして、事前に登録した基礎疾患や常備薬などの情報と合わせて、調剤薬局へNFT処方箋を共有すると、それらの情報をもとに調剤・服薬指導が実施されます。その後、配送会社へ配達を依頼できるという流れで、依頼した処方箋は最短で当日中に自宅に届けられます。

今後も、処方箋に限らずオンライン診療や母子手帳などにもブロックチェーン技術を活用することで個人情報を有効に活用し、さまざまなサービスがユーザーに還元される仕組みの構築を目指していくとのことです。

7. 若手漁師が牡蠣×NFTで漁業界の活性化を目指す / 牡蠣若手の会

「牡蠣業界の未来を変える」をミッションに掲げ、日本全国で牡蠣を生産する漁師8名が参加する「牡蠣若手の会」。同会はNFTアート「AbyssCrypto(通称、アビクリ)」を販売し、一次産業の活性化に取り組んでいます。

▼AbyssCryptoについての紹介動画

水産業界は「3K(きつい、汚い、危険)」が揃っているイメージから、後継者の確保に大きな課題を抱えています。また、生産者から消費者に販売されるまでに仲介業者や市場、スーパーなどが存在することで、生産者の手元に残る利益が少ないという現状もあります。

さらに、この構造ゆえに業界内で広告宣伝のノウハウが浸透しておらず、個人で販売しようと思ってもなかなか認知を獲得できない生産者の方も多いとのこと。そこで、水産業のDtoCを加速させることを目的に、今回のNFT活用に踏み切ったといいます。

アビクリは漁師の日常を描いたボクセルアートのNFTで、100体のNFTが販売されています。「NFTを通して、この産業を深海から海面へ押し上げたい」との想いから、深海を意味する「Abyss」を名前に付けたそう。

▼OpenSeaで販売されている「AbyssCrypto

NFTを購入すると、ECサイトで牡蠣を安く購入できるクーポンが発行されたり、東京のオイスターバーにて季節の牡蠣とスパークリングワイン1杯が無料で提供される、新商品の試食ができるといった特典があります。また、ルーレットを回して海鮮物のプレゼントが当たるキャンペーンも展開されています。

NFTホルダーによるコミュニティも形成されており、DiscordやYouTubeTwitterInstagramなどのSNSを通じて牡蠣の魅力や漁師の働き方などさまざまな情報発信が発信されています。特にYouTubeとInstagramでは牡蠣を使った独自のレシピが数多く投稿されており見応えのあるコンテンツです。

今後のロードマップとしては、2022年中に200以上のNFTを作成し、水産業NFTの代表格としてのブランドイメージを確立、そして2023年にはメタバース空間での海産物の販売に着手しつつ、NFT保有者の特典の拡充を目指していくとのことです。

8. ストリートアートをNFT化し新たな経済圏の確立を目指す / TOTEMO

ストリートアートに特化した世界初のNFTオークションハウス「TOTEMO」を運営するTotemo株式会社。

昨今の「NFTアート」は、デジタルアートをNFT化したものが多いかと思います。その一方で、フィジカルに実存するストリートアートをNFT化することは新たなアートの価値を生み出す可能性があり、海外でも期待されている分野の一つでもあります。

実際、世界的に有名なアーティストであるバンクシー、そしてジャン=ミシェル・バスキアやキース・ヘリングも元々はストリートアートシーン出身とされており、多くの国では「落書き」の域から脱し、美術の一ジャンルとしての地位を築いています。

しかし、ストリートアートはその性質上、匿名性が高く、公共の場に描かれることが多いため、自治体などによって塗り替えられたり、風雨によって劣化したりと、極めて一時的なものとなってしまうのが現状です。

そこで、ストリートアートをNFT化し流通させることで恒久的な価値を与え、新たな経済圏の確立と共に、クリエイターの活動領域の拡大を目指して立ち上げられたのがTOTEMOです。日本からはBAKIBAKI氏Kuua氏など、さらに海外からFalko Fantastic氏やTONA氏など計9名のアーティストがマーケットプレイスに参加しています。

現在、マーケットプレイスは招待制が採用されており、招待されたユーザーは作品の購入権と3名の招待枠が与えられるとのこと。さらに、作品を購入すると追加で3名の招待枠が付与される仕組みになっています。

▼TOTEMOに参加するアーティストたち

※出典:ストリートアートに特化した世界初のNFTオークションハウス「TOTEMO」が独自のNFTマーケットプレイスを公開!10月15日(土)にはNFTライブオークションイベント第二弾を開催! – PR TIMES

9. 「時限式」がユニーク!お守り×NFT / 古事記project

現存する最古の歴史書と言われる「古事記」を軸に、NFTやメタバースを活用したさまざまなコンテンツを展開する、古事記project株式会社。同プロジェクトが2022年7月に発表したのが、千葉県千葉市の検見川町に鎮座する検見川神社のお守りNFTです。

お守りNFTとは、神社の授与品であるお守りを、NFTにして頒布するものです。お守りNFTらしく「ウォレット安全守」や「詐欺除御守」、さらに一般のお守り同様「合格祈願守」「家内安全守」「恋愛繁盛守」など全10種類が販売されています。

本来のお守りには1年でご利益が切れるという期限がありますが、NFTお守りも同様に、授かってから1年が経過したタイミングで自動的にバーン(※)される「お焚き上げ機能」があります。バーンされた後には別のNFTに変化する仕掛けがあるそう。

※NFTを秘密鍵を誰も知らないアドレス宛に送ることで、流通から永久に取り除くこと

▼お守りNFTの一例(ウォレット安全守)

※出典:日本初。「お守りNFT」が神社から発売。 – PR TIMES

今回のお守りNFTが発行された背景として、日本全国に約8万社あるとされる神社の90%ほどがその運営に苦しんでいるといわれており、新たな収入源を模索するために販売に至ったといいます。今後は、お守りNFTに留まらず、御朱印NFTやご奉納NFTなどの発売も検討しているとのことです。

10. 東大と藝大のコラボ!NFTを活用し、世界で1本だけの日本酒を開発 – VUIKU

「撫育=育む」をコンセプトに、国内外のスタートアップ・起業家を支援するインキュベーションファンド、合同会社VUIKU

同社内のプロジェクト「hummingbird」にて、NFTアートと紐づいた日本酒「sake-tsugi」の開発が行われています。これは、一つひとつのNFTアートを日本酒ボトルのラベルデザインに対応させるもので、計1,152本の異なるデザインの日本酒を販売するそうです。2022年8月には、「雷鳥」をモチーフにしたキービジュアルも公開されました。

▼実際に販売されているNFT日本酒「雷鳥」

※出典:1,152本のNFT日本酒「雷鳥」が10月1日より販売開始! – PR TIMES

このキービジュアルのデザインは、東京藝術大学美術学部デザイン科3年の林宋其さんが作成されたとのこと。また、このプロジェクト自体は、東京大学でブロックチェーンを活用したビジネスの開発経験を持つ須田隆太朗さんと青山奈津美さんが主導されているとのことで、学生発のプロジェクトということもあり大きな注目を集めています。

本プロジェクトのNFTは、酒造とつながる限定コミュニティへの参加権や限定商品の購入権として利用が可能とのこと。NFTは2022年10月1日(土)より販売がスタートしています。

さいごに

最近話題となっているNFTの活用事例をいくつかご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。前回の記事に比べ、NFTの利用用途がより現実世界に結びついた事例が増えてきたように思います。今後も、どのようなNFT活用事例が出てくるのか楽しみです。引き続き、チェックしていきたいと思います。

▼SELECKでは、アートをNFT化したプロジェクトなども過去に取材しております。ぜひこちらの記事も一緒にご覧いただけますと幸いです。

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