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【事例5選】ブロックチェーンゲーム(BCG)とは?その特徴や仕組みを徹底解説

教育や医療、エンターテイメント、地域創生など、多岐にわたる分野で活用されているブロックチェーン。その急激な市場成長は、近年とどまるところを知りません。

そして、このブロックチェーン技術の特性である「透明性」や「耐改ざん性」を活かし、昨今活用が進んでいるのがゲーム領域です。

これらは「ブロックチェーンゲーム(BCG)」と呼ばれ、ゲーム業界に革命をもたらすのではないかと世界中で注目を浴びています。

その背景としては、NFTを活用することで、ゲーム内のアイテムやキャラクターの売買が可能になったり、DeFi(分散型金融)の仕組みを組み込むことで、新たな経済圏が生まれたりする可能性を秘めているからです。

そこで今回は、ブロックチェーンゲームの概要から特徴、今後の展望までを徹底解説いたします。記事後半では、昨今注目を浴びるブロックチェーンゲームもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

<目次>

  • 「ブロックチェーンゲーム」とは何か?
  • ブロックチェーンゲームの4つの特徴
  • ブロックチェーンゲームが抱える5つの課題
  • 【事例5選】今話題のブロックチェーンゲームをご紹介

「ブロックチェーンゲーム」とは何か?

ブロックチェーンゲーム(BCG)」とは、その名の通り、ブロックチェーン技術を活用したゲームのことを指します。

その特徴は、ブロックチェーン技術特有のデータの透明性や耐改ざん性が、ゲーム内の仕組みに組み込まれていることにあります。時として「NFTゲーム」と表現されることもありますが、その意味はほぼ同じです。

まずは、ブロックチェーンゲームがどれほどの注目を集めているか、データをもとに見ていきます。

2023年11月に、NFTなどの最新技術を取り扱うDappRaderが、Blockchain Game Alliancenieと共同で実施した調査によると、同年10月時点でのdUAW(一日あたりのユニークアクティブウォレット数)は100万個に達し、これはブロックチェーン業界全体のアクティビティにおいて約3分の1を占めるといいます。

では、なぜブロックチェーンゲームがこれほど注目を浴びているのでしょうか。その理由のひとつとして挙げられるのが、「Play to Earn(P2E)」という考え方です。

P2Eとは、ゲームで遊んで暗号資産を獲得できる仕組みのことです。ゲーム内のミッションをクリアしたり、キャラクターや土地などのNFTアイテムをマーケットプレイスで売買したりすることで、換金性のある暗号資産を稼ぐことが可能です。

中には、自作のアイテムやキャラクターを売買でき、収益の一部がクリエイターに還元される仕組みを構築しているゲームもあることから、クリエイターエコノミーの観点からも注目を浴びています。

さらに、「デジタルアイテムを所有できる」という特性を活かして、NFTアイテムを他人に貸し出すことで収益を得る「スカラーシップ」という仕組みを有するゲームもあります。

このような特性を持つブロックチェーンゲームが脚光を浴びるようになったのは、2018年にベトナムでリリースされた「Axie Infinitiy」がきっかけでした。このゲームは、Axieと呼ばれるNFTのモンスターを集めて育て、対戦するゲームです。

対人戦で勝利したり、ブリード(2体のAxieを交配させるシステム)によって新しいAxieを誕生させ、販売したりすることで、通貨を獲得できます。他にも、デイリークエストやアドベンチャーモードなど、豊富な遊び方でゲームを楽しみながら、収益を得られます。

こうした収益性を活用し、フィリピンやその他の東南アジア諸国では、特に新型コロナウイルスが流行している中で、Axie Infinityからの収益だけで生計を立てる人も現れました。リリースから5年以上経過した現在においても、多くのユーザーが収益を得ながら生活の糧にしているとされています。

暗号資産に対する投機性の高さや価値の不安定性に対する意見もありますが、企業からの広告料や、P2Eに可能性を感じる投資家などからのスポンサー費用といった収入もあり、ネットワークの安定性を確保することで、貧困などの社会課題解決への一助となる可能性が期待されています。

さらには、DAO(自律分散型組織)の形態をとり、「スカラー(ブロックチェーンゲームのユーザー)」に必要な資金やツールを提供する「ゲームギルド」と呼ばれる組織も存在するなど、ブロックチェーンゲームを中心に独自の文化が形成されており、今後の動きにも注目です。

ブロックチェーンゲームの4つの特徴

ここからは、従来のゲームにはない、ブロックチェーンゲームならではの特徴を4つお伝えします。

1.データの分散管理

ブロックチェーンゲームの最大の特徴は、ゲームデータを分散管理できる点です。

従来のゲームでは、データやゲーム内資産などの所有権は開発者側にあるため、サービス終了と共にデータが失われ、遊べなくなってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか…?

一方で、ブロックチェーンゲームのデータは分散して管理されます。そのため、ユーザーがあらゆる資産の最終的な保有権を持つことができ、サービス終了後も、それらはユーザーの手元に残ります。

よって、例えば、サービスの運用元が新しく立ち上げたゲーム内で再利用できたり、NFTを活用した資産であれば、OpenSeaやSuperRareなどのプラットフォーム上での売買を通じて暗号資産を稼いだり、希少価値の高いNFTを買ってコレクションを楽しむこともできます。

2.相互運用性

一部のブロックチェーンゲームは、「相互運用性(インターオペラビリティ)」を有しています。これは、複数のブロックチェーン同士で情報を参照し合い、読み書きできる性能で、ブロックチェーン技術の特徴のひとつです。

従来のゲームでは、ゲーム毎にユーザーネームを決め、プロフィールを作成し、データを蓄積させるのが一般的です。一方、相互運用性が担保されているブロックチェーンゲームであれば、ひとつのユーザー情報を異なるゲーム間で共有できます。

さらに、「ゲームA」で入手したキャラクターやアイテムを、別タイトルである「ゲームB」で使用するといったこともでき、既存のゲームに比べて遊び方の幅が広がります。

3.データの透明性担保

ブロックチェーンの性質上、ゲームのデータや取引履歴の透明性が担保されています。さらに、これらのデータは分散管理されるため、改ざん耐性が非常に高く、不正行為のリスクに晒されにくいメリットがあります。

よって、既存のゲームでは、チート行為やプレイデータの書き換えといった不正なプレイが大きな問題となっていましたが、ブロックチェーンゲームは、公平で誰もが楽しめるゲームプラットフォームを実現できるのではないかと期待されています。

4.ガバナンスの仕組み

ブロックチェーンゲームの中には、「ガバナンストークン」を発行しているものもあります。ガバナンストークンとは、ゲームのシステムやルール、運営方法などに関する方針の決定に、プレイヤーが関与できるトークンのことです。

ガバナンストークンによる意思決定の手法は、プレイヤーの意見をダイレクトに反映させられるため、プレイヤーとゲームの関わり方を変える画期的な仕組みといえます。この仕組みをうまく活用すれば、プレイヤーのエンゲージメントを高めることも可能でしょう。

先ほどご紹介したAxie Infinityにも、「AXS」と呼ばれるガバナンストークンがあります。AXSは希少性が高く手に入りにくいとされていますが、入手していれば、バージョンアップデートの際に更新内容の是非を問う投票に参加できます。

ブロックチェーンゲームが抱える5つの課題

いくつもの魅力的な特性をもつ、ブロックチェーンゲーム。しかし、業界的に未だ発展途上であり、ユーザー側、開発者側でそれぞれいくつもの課題を抱えていることも事実です。ここでは、ブロックチェーンゲームが抱えている課題を5つ挙げます。

1.参入障壁が高い

ブロックチェーンゲームを始める際には、暗号資産の購入やウォレットの作成、ガス料金の理解など、ある一定のブロックチェーン技術に関する知識が必要とされます。

しかし、ブロックチェーンという概念が広く一般に普及していない現状や、ウォレット作成時のUI/UXが複雑といったこともあり、初心者にはやや難しい側面があります。

2.スケーラビリティ問題とラグの発生

ブロックチェーン上で多くのトランザクションが同時に発生すると、処理能力の限界を超えてデータの検証が間に合わず、遅延が生じます。この、通信過多によって引き起こされる一連のトラブルは「スケーラビリティ問題」と呼ばれます。

ブロックチェーンゲームでは、この問題によってプレイ中にラグが発生し、快適なゲームプレイを楽しめなくなるだけでなく、暗号資産やNFTをはじめとした資産の獲得にも影響が及びます。

3.メンテナンスの難しさ

ブロックチェーン上にデプロイされたスマートコントラクトは、後からの変更が難しいことから、例えばゲーム内でバグが発見された際やアップデート時には、新しいコントラクトのデプロイが必要です。

この度に、ユーザーは旧コントラクトから新しいコントラクトへ移行する必要があり、従来のゲームと比較して、メンテナンス時に手間や時間を要するといったデメリットがあります。

また、データの修正においても、ネットワークに参加しているユーザーの合意が必要となるため、運営の強制力が働かず、必ずしも自由なタイミングでアップデートを行えるとは限らない点も、開発側のデメリットとして挙げられます。

4.セキュリティ面

分散型でデータを管理できるのがブロックチェーンゲームの利点である一方で、中央管理者が存在しないことで、不正を行うユーザーを監視・制御することが難しいといったデメリットも存在します。

ゲームを開発する際にルールや規則を組み込むことは可能ですが、これらが不完全なままリリースされるケースがあることに加えて、先ほど述べたように、メンテナンスの難しさゆえに、不正行為をはたらくユーザーをすぐに追い出すことが難しい場合もあります。

5.経済圏の持続可能性

ブロックチェーンゲームの持続可能性を高めるためには、いかに健全な経済圏を作っていくかが重要です。しかし、未だ成功例が少なく、いかにユーザーへの経済的インセンティブを設計するかは難しい課題です。

とはいえ、ユーザーが獲得する通貨の価値や活用方法が曖昧である場合、ゲーム内経済の安定性が損なわれ、長期的なユーザーの関与が減少する可能性もあります。

また、通貨の活用方法に関しては、世界各国の法律や規制に準拠する必要がありますが、これらの法的枠組みは発展途上であり、運営者側とユーザーの双方にリスクをもたらす懸念もあります。

【事例5選】今話題のブロックチェーンゲームをご紹介

最後に、これまで実際にリリースされた、もしくは、現在開発が進められているブロックチェーンゲームの事例を5つご紹介します。

中には、誰でも知っているであろう大手ゲームメーカーが開発していたり、人気インフルエンサーがプロデュースしていたりするタイトルもあります。「これからブロックチェーンゲームを始めたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1.Digital Entertainment Asset

ブロックチェーンゲームのマーケットプレイスを展開する老舗企業と言えば、「Digital Entertainment Asset(DEA)」でしょう。

同社は、デジタル時代のエンターテインメントとアセットで新たな経済・文化を創造することを目指し、ブロックチェーン技術を基盤としたプラットフォーム「PlayMining」や、NFTマーケットプレイス「PlayMining NFT」などのサービスを提供しています。

「PlayMining」はP2Eの実現を推進するプラットフォームとして、数多くのブロックチェーンゲームを提供しており、東南アジアで人気のカードバトルゲーム「JobTribes」はその代表例です。

JobTribesでは「スカラーシップ」の制度があり、オーナーによって貸し出しされたNFTを利用することで、NFTを保有していない人でもゲームを楽しむことができます。

JobTribesの公式サイトより拝借

DEAは今まさに勢いのあるプラットフォームで、各ゲームメーカーと連携し、ブロックチェーンゲームのリリースラッシュを加速させています。

直近では「BouncyBunny」「Rogue Roll Ruler’s」「いしとほし」などの注目プロジェクトが続々と動きを見せており、各方面から脚光を浴びています。

また、2023年10月には、障がい者支援ゲームギルドを手掛ける、合同会社Next Lifeとパートナーシップを締結し、障がい者支援ゲームギルド「アルマ」を立ち上げています。この取り組みは、日本国内の障がい者の就労の選択肢を増やす取り組みとして注目され、今後の動向にも期待が寄せられています。

▼障がい者支援ゲームギルド「アルマ」の仕組み

※出典:DEAPcoin(DEP)を発行するDEA、 障がい者支援ゲームギルドを手掛ける 合同会社Next Lifeと 戦略的パートナーシップを締結! – Digital Entertainment Asset

2.Eternal Crypt Wizardry BC

「Eternal Crypt Wizardry BC」は、世界中に多くのファンを抱える大人気RPGシリーズ・Wizardry(ウィザードリィ)のブロックチェーンゲームです。その開発は、同シリーズの知的財産権を持つドリコム社とチューリンガム社により進められています。

ジャンルとしてはダンジョンゲームで、システムは2013年頃に流行したブラウザゲーム「クッキークリッカー」のようなイメージです。

プレイヤーは「ギルドマスター」として、さまざまな「種族」「職業」からなる冒険者(NFT)を操作し、ダンジョンの奥深くに眠る秘宝(Blood Crystal)の獲得を目指します。

※出典:本日10月3日(火)よりWizardry BC INOが開始!(ZEAL NOVA DMCC) – PR TIMES

本タイトルは「INO(Initial NFT Offering)」を実施したブロックチェーンゲームとして注目され、プレセール、パブリックセールともに2023年10月に実施されました。このINOは、コインチェック株式会社が手がける「Coincheck INO」の第1号案件として採用されたものです。

INOで手に入れられるNFTは「Adventurer Genesis Collection(AGC)」と呼ばれ、外観がすべて異なる最大10,000体のキャラクターが存在しています。

AGCの保有者に向けた特典としては、先行リリース版のプレイ権、ゲームトークン「Blood Crystal($BC)」の最大20%割当、Discordチャンネルへの参加、限定イベントへの参加といったユーティリティが付与されるとのこと。

現在、PCはもちろん、iPhoneやAndroid等スマートフォンでのプレイも可能です。往年の名作シリーズだけに、今後の正式リリースへ向けた動きに注目が集まります。

▼INOについて詳しくは、こちらの記事もぜひご参考ください
Web3時代の新たな資金調達の潮流「IEO」とは?その概念から実施するメリットまで – SELECK

3.Project XENO

「Project XENO」は、スマートフォンでプレイできるPvP(プレイヤー同士で対戦すること)形式のバトルゲームです。人気YouTuber・ヒカル氏がアンバサダーに就任したことで話題となりました。

ユーザーは「XENO」と呼ばれるキャラクターを保有し、スキルを駆使して戦うシンプルなゲームシステムながら、本格的なバトルを楽しめます。

XENOには「EARNする能力」 、つまり稼ぐ力が搭載されています。バトルに勝利すると、NFTやゲーム内で利用できるトークンを獲得できます。

具体的には、ゲーム内のマーケットプレイスでキャラクターやアイテムを購入できるトークン「GXE」や、ユーティリティトークンの「UXE」があります。このGXEは、取引所で換金できるほか、ガバナンストークンとしても機能しています。

4.SYMBIOGENESIS

「SYMBIOGENESIS」は、日本の大手ゲーム開発企業であるスクウェア・エニックス社によって提供されている、「1万点のNFTコレクティブルアート」と「ゲームユーティリティ」を組み合わせた、新しいNFTエンタテイメントです。

販売されている1万点のキャラクターNFTは、種族・職業の組み合わせがすべて異なる、唯一無二の形でデザインで制作されており、PFP(Profile Picture)としても利用するユーザーも多く存在します。

SYMBIOGENESISの遊び方は、メインストーリーとキャラクターNFTごとのストーリーを解放し、物語を進めていく流れです。最終的な目標は、物語のエンディングを決める「ワールドミッション」への参加です。

ワールドミッションへの参加権利を持つのはたった3名のプレイヤーに限られており、この3名は、個人や仲間内で権利を「独占」するか、多くのプレイヤーと協力してクリアをめざし、報酬も分け合う「分配」のスタイルを取るかを選びます。

SYMBIOGENESISはPolygon(ポリゴン)を基盤としているのも特徴で、ゲーム内での決済やガス代の支払いには、Polygonの通貨「MATIC」が必要です。

5.資産性ミリオンアーサー

最後にご紹介するのは、「資産性ミリオンアーサー」です。資産性ミリオンアーサーは、ユニークなNFTデジタルシールを簡単に作成・売買できるサービスです。

スクウェア・エニックス社が手がける「ミリオンアーサー」シリーズのキャラクターをモチーフとしています。

資産性ミリオンアーサーは自分でNFTを生成できるため、多くのブロックチェーンゲームで必要な初期投資が不要であり、初心者でも楽しみやすいのが嬉しいポイントです。

また、資産性ミリオンアーサーのNFTは、LINE NFTのプラットフォーム内で売買することが可能です。よって、ユーザーは欲しいデジタルシールを購入してコレクションしたり、背景やフレームをカスタマイズしたりして楽しむこともできます。

おわりに

以上、ブロックチェーンゲームの概念からユニークな特徴、具体例までをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

ただ「遊べる」だけではなく、「稼げる」という特徴から社会課題を解決する可能性を秘めたブロックチェーンゲーム。ぜひ一度、覗いてみてはいかがでしょうか。(了)

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