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【事例13選】契約を自動化する「スマートコントラクト」とは?作成可能なツールもご紹介

データを安全かつ迅速に処理することができる新しい技術として、私たちの日常生活にも活用され始めているブロックチェーン技術。例えば職務経歴書、資産管理など、その活用シーンは今後も大きく広がる可能性を秘めています。

このブロックチェーン上で動くシステムが、「スマートコントラクト」です。スマートコントラクトとは、あらかじめ設定された条件が満たされた際に、契約や取引といったアクションが自動で実行される仕組みを指します。

そして、スマートコントラクトは取引の透明性を担保しながら、第三者を介さずに契約プロセスを自動化できるため、契約や取引の履行を効率化し、人為的ミスも防ぐことができるといったメリットがあります。

これらのメリットに着目して、保険や金融、不動産などの幅広い業界から注目を浴び、国内外ですでに具体的な活用事例が生まれています。

そこで今回は、スマートコントラクトの概要やメリット、厳選した13の活用事例までを詳しくお伝えします。ぜひご覧ください。

<目次>

<編集部より>本記事に掲載している情報は、記事公開時点のものになります。Web3.0の世界は日々変化していますので、「DYOR(Do Your Own Research)」の前提で記事をご覧いただけますと幸いです。記事の内容についてご意見や修正のご提案がございましたらこちらまでお願いします。

取引や契約を自動実行する、「スマートコントラクト」とは?

スマートコントラクト」とは、あらかじめ決められた条件に従って契約や取引が自動的に実行される仕組みのことです。

その条件に則って自動的にトランザクション(※)を実行することから、中間業者を不要としながらも、透明性高く投票や取引、契約などを実行できるという特徴を持ちます。

※ここで言う「トランザクション」とは、ブロックチェーン上で行われる取引のことで、送信元/送信先アドレス、送信量、手数料などの情報が含まれる。

元々、スマートコントラクトは「契約を自動化すること」を指す言葉として用いられてきたため、ブロックチェーンに特化した言葉ではありませんでした。しかし、昨今のWeb3.0ブームやブロックチェーン技術の台頭と共に、基本的にはブロックチェーン上の概念として使われる言葉になりました。

また、スマートコントラクトの一連の動作は、契約の作成、条件提示、実行、ブロックチェーンへの記録など、いくつかのステップに分けることができます。この流れが分かりやすいように、ここでは自動販売機の仕組みを例にしてお伝えします。

ご存知の通り、自動販売機で仮に120円のジュースを購入したい場合は、それ以上の金額を投入してボタンを押すことで商品を受け取ることができますね。この仕組みの裏には、「それぞれの商品に設定された価格を満たす金額を投入することで契約が成立する」ことが事前にプログラムされています。

この自動販売機における売買の仕組みにスマートコントラクトを当てはめると、以下の流れになります。

  • 契約を定義…事前に各商品の値段が設定される
  • 条件を提示…自販機内に商品が並び、価格が表示される
  • 合意・実行…条件を満たした場合のみ商品が提供される
  • 契約成立…商品を受け取る

このように、事前に決められたルールに則って一連の操作を完結させるスマートコントラクトは、主に以下のような分野で活用されています。

金融 / サプライチェーン / 不動産 / 貿易
保険 / スマートフォン / DAO / エンタメ

最初に提唱されたのは1990年?スマートコントラクトの歴史とは

スマートコントラクトのアイデアは、暗号学者であるNick Szabo(ニック・サボ)氏によって1990年代に初めて提唱されました。彼は当時「Bit Gold」というデジタル資産を構想しており、これは後にサトシ・ナカモト氏が生んだビットコインの先駆けとされています。

サボ氏の構想をきっかけにスマートコントラクトの概念が広まり始めた後、プログラミングの知識がなくても作成できるように改良されたり、セキュリティが強化されるなどして高度な専門知識がない人でも利用できる技術へと進化を遂げました。

そして、スマートコントラクトがより普及したきっかけが、2013年の「イーサリアム」の登場です

イーサリアムとは、ビットコインと同様にブロックチェーン技術を基盤とした分散型プラットフォームの一つです。当時19歳だったVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏によって考案されました。

このイーサリアム上のスマートコントラクトは、主に契約の実行を自動化するために使用され、DApps(分散型アプリケーション)やDeFi(分散型金融)の開発、NFTや独自トークンの発行など様々な用途で活用されています。

ここで、「ビットコインにはスマートコントラクトの概念はないの…?」と思われた方もいるかもしれません。その点についても補足として解説します。

まず、ビットコインでもスマートコントラクトを開発することは可能ですが、ビットコインのスマートコントラクト開発言語は「チューリング不完全」といわれており、ループ(繰り返し)を含むプログラムを実行することができません。

元々ビットコインは金銭の取引を前提として設計されていたことから、非常に高いセキュリティ環境が必要とされるため、「チューリング完全」な開発言語を適応させてしまうと仕組みが脆弱化する可能性があります。そのため、取引の安全性を優先すべくビットコインの開発者たちが慎重になっているという背景があります。

一方で、イーサリアムのスマートコントラクトは「チューリング完全」で、よりフレキシブルに任意のプログラムを実行でき、幅広く開発できるという特徴があります。よって、イーサリアム上には多種多様なスマートコントラクトと、プラットフォームを支える巨大なエコシステムが形成されてきたというわけです。

NFTとスマートコントラクトの関係性は?

昨今のWeb3.0ブームに火をつけたNFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)」も、スマートコントラクトと密接な関係があります。

NFTは、イーサリアムをはじめとするいくつかのブロックチェーン上で、スマートコントラクトを利用して発行されるトークンの一種です。

NFTは通常、「OpenSea」などのマーケットプレイス上で取引されますが、その際にスマートコントラクトによってNFTの取引や権利者の書き換えが自動で行われる仕組みになっています。この仕組みによって取引履歴は改ざん不可能となり、NFTの特徴とされる「唯一性」が担保されるため、デジタルデータが資産性を帯びるようになりました。

▼NFTについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください
【保存版】「NFT」とは?概念と歴史、活用方法、関連用語までわかりやすく徹底解説 – SELECK

補足として、NFTを発行したことがある方は、「独自コントラクト」「共有コントラクト」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

スマートコントラクトは上記2種類に分類され、前者は自分で作成したコントラクトのことで、コレクションの作成者がブロックチェーンに記録されます。一方、後者は複数のコレクションで共有されているコントラクトを指し、コレクションを作成する際にはコントラクトの作成元がブロックチェーンに記録されます。

例えば、OpenSea上でNFTを発行する場合に、共有コントラクトを利用してNFTコレクションを作成すると、OpenSeaのスマートコントラクト規格が利用され、コントラクトの作成者がOpenSeaとして記録されます。

一般的に、共有コントラクトを使う方が簡単にNFTの発行を行うことができます。その上で独自コントラクトを利用するメリットとしては、プラットフォームに依存せずに運用できることや、複数のマーケットプレイスを跨いだNFTの出品が可能になること、コントラクトに独自性を持たせることができるといった点が挙げられます。

一方で、独自コントラクトの作成にはある程度のプログラミング知識が必要なことに加えて、ガス代が高くついてしまったり、出品したいマーケット側の規格やサポートにそぐわない可能性があったりするといったデメリットがあり、NFTコレクションを作成する際にはそれぞれの特徴を踏まえて、コントラクトを慎重に選ぶ必要があります。

最後に、独自コントラクトを作成したい方は、プログラミング知識がなくとも簡単にスマートコントラクトを作成できるノーコードツールがおすすめです。

例えば、「thirdweb」はNFTやトークンの作成・発行、DAppsの開発、DAO構築などができる多機能ツールで、Web3.0ノーコードツールの中では最もよく知られているものの一つです。これからNFTを発行したいと考えている方は、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。

▼Web3.0ノーコードツールについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください
【厳選12】誰でも簡単にNFT発行やDApps開発ができる!「Web3.0ノーコードツール」をご紹介 – SELECK

スマートコントラクトを利用する4つのメリット

スマートコントラクトを利用することには、主に以下のようなメリットがあります。

1.改ざんや不正行為を防げる

人を介して契約を締結する場合、データの改ざんなどのトラブル発生を完全に防止することは簡単ではありません。不正利用されてしまうと法律的なトラブルに発展する恐れもあり、対策が求められてきました。

スマートコントラクトはブロックチェーン上で動くプログラムであるため、情報の透明性が担保されており、また、契約に関する改ざんや不正行為が行えない仕組みになっていることから、信頼性高く取引を実行できるメリットがあります。

2.人為的ミスを防止できる

契約の締結において人為的なミスが発生するシーンは珍しくありません。例えば、記入内容を間違えたり、必要な手続きを忘れたりすることもあるでしょう。契約が複雑になれば人為的ミスの発生確率も上がるため、スマートな対応方法が必要とされてきました。

スマートコントラクトを活用すればすべての契約のステップが自動化されるため、入力や手続きのミスが発生する心配やリスクを大幅に減らすことができます。

3.契約や取引を効率的に実行できる

契約手続きと聞くと書類を作成したり確認項目が多かったりと、時間がかかるイメージを持つ方も少なくないはずです。

スマートコントラクトであれば、決められたルールでの取引を自動で素早く処理してくれるため、煩雑な手続きなく簡単に取引を行うことができ、ビジネスシーンにおいては業務を効率化することもできます。

4.コストを削減できる

一般的な取引における契約締結までには、仲介業者や信頼性を担保する第三者に手数料を支払うなど、手間や金銭的なコストがかかるケースが多くなります。

その点、スマートコントラクトであれば取引の一連の流れが自動化されるため、仲介業者や信頼性を担保するための法的なステップや各種コストを省くことが可能です。

スマートコントラクトが抱える3つの課題

様々なメリットがあるスマートコントラクトですが、運用においては未だ課題が存在しています。ここでは3つの課題をご説明します。

1.脆弱性がある

先ほど、メリットとして耐改ざん性があり不正行為を防げるとお伝えしましたが、仮に契約内容に修正が必要だったりエラーが発生したりした場合には、その性質が障害となります。もし内容に不備がある状態で一度契約が実行されてしまうと、その内容を戻すことも不可能です。

よって、契約内容を入力する段階でミスがないように注意し、契約を実行する前には入念に検証する必要があります。

2.法整備が整っていない

ブロックチェーン技術に対しての法整備はまだまだ追いついていないのが現状であり、スマートコントラクトも例外ではなく、万が一トラブルが発生した場合の対応が難しい可能性があります。

そうした状況を打開しようと、2020年10月には「スマートコントラクト推進協会」が発足され、法的、また技術的な課題に対する指針や規格を作成するなど、法整備へ向けた活動が行われています。

3.プライバシーを保護しづらい

スマートコントラクトの情報は透明性があり不正行為を防げる一方で、プライバシー保護の観点からはその性質がリスクになる可能性があります。

仮に、閲覧可能な情報の中に個人情報が含まれていた場合、個人が見られたくない情報の流出や悪用の可能性など、トラブル発生のリスクが存在していると言えます。

【事例13選】スマートコントラクトの活用事例

昨今、スマートコントラクトは、保険や不動産、サプライチェーンや投票システムなど様々な分野での活用が期待されています。ここからは、具体的な活用事例をカテゴリ別にご紹介します。

<DeFi(分散型金融)>

Uniswap

ブロックチェーン上に構築された金融サービスであるDeFiにおいては、管理者の仲介がなくともユーザー同士で不正のない取引を行うために、スマートコントラクトが重要な一要素になっています。

そのDeFiの一つである「Uniswap」は、イーサリアムブロックチェーンのスマートコントラクト機能を利用したDEX(分散型取引所)です。DEXとは中央集権的な管理者を必要としない、ユーザー同士で仮想通貨やトークンなどの取引を行えるブロックチェーン上の取引所のことです。

UniswapではイーサリアムのERC-20規格に従って発行された1,500種類以上の暗号資産を取り扱っており、ユーザーは専用のインターフェースを通じて24時間取引が可能です。また、DEXにもスマートコントラクトが活用されていて、需要と供給に合わせて市場価格が自動で設計される仕組みとなっており、暗号資産やNFTの取引を人を介さずに自動で行うことができます。

Compound

「Compound」は、暗号資産やトークンの貸し借りを可能にする、DeFiのレンディング(貸付)プラットフォームです。その仕組みは「銀行」のようなイメージで、手元の資産を貸し出すことで金利を得ることができたり、預けたトークンを担保として、新たにトークンを借り入れすることができます。

この取引においてスマートコントラクトが活用されているため、一般の銀行とは異なり、金融機関や暗号資産取引所といった中央管理者を介さずに、取引を実行することができます。

<GameFi>

Axie Infinity

GameFiは、ゲームにDeFiの要素を掛け合わせたブロックチェーン上のゲーム全般を指します。プレイすることで暗号資産を稼げるゲーム「Axie Infinity」では、プレイヤーはアクシーと呼ばれるモンスターを使って、対戦・繁殖・育成・取引などを楽しめます。

このAxie Infinityではスマートコントラクトを利用した分散型取引所「Katana」が立ち上げられており、第三者の仲介を必要とせずに暗号資産を交換できる環境が整えられています。このKatanaによってゲーム内におけるトークンの取引が容易になり、資産の流動性を高めることを実現しています。

<サプライチェーン>

IBM® Food Trust

「IBM® Food Trust」は、ブロックチェーン技術を用いた食品業界向けのプラットフォームです。生産者や加工業者、卸業者や流通業者など食品の流通に関わる業者を結ぶネットワークを構築しており、食品サプライチェーンの可視化による安全性・追跡可能性の向上やコスト削減を実現しています。

食品の原産地や取引データ、加工に関するすべての情報がスマートコントラクトによって自動的に記録される仕組みで、消費者が安心して食品を購入できる環境を提供しており、「Walmart」や「Nestlé」など世界的な大手メーカーや小売企業で採用されています。

<不動産>

Propy

国境を超えた不動産取引は成長分野でありながら、その取引の煩雑さや、取引における仕組みや標準が国ごとに異なるといった背景から、他の市場と比べて流動性が低いという課題があります。そこで、これらの問題に対応すべく立ち上げられたのが、スマートコントラクトサービスの「Propy」です。

Propyは売り手が物件を登録し、買い手が検索してマッチングできる機能が備わっています。実際に売買を行う際には、必要書類をネット上の電子契約で締結し、ビットコインやイーサリアムなどで決済を行う仕組みです。Propyのシステムには不動産の所有権や譲渡、ユーザーのIDを扱うためのスマートコントラクトが活用されています。

SMARTRealty

2017年に米国シアトルにて設立された不動産テック企業のSMARTRealtyは、不動産の売買や賃貸など一般的な不動産取引をスマートコントラクトで行えるプラットフォームを運営しています。

同社の掲載プラットフォームに不動産を掲載すれば、物件情報を不動産販売および賃貸用Webサイトに配信することも可能です。支払いは暗号資産だけでなく、ドルやユーロなどの法定通貨にも対応していますが、実際の支払いの際には取引が適切に記録されるように自動的に独自のトークン「RLTY」に変換され、契約が実行される仕組みになっています。

<貿易>

TradeWaltz

関係者が多く存在する貿易取引。しかし、そのやり取りの多くは紙やPDF等で行われ、デジタル化が進んでいないのに加えて、日本においては少子化による貿易実務者の減少も予想されています。こうした背景から、日本の貿易手続きの効率性は、OECD諸国の中でも最下位に近いとされ、アナログな貿易取引環境の改善が急務とされています。

これらの問題に対応すべく、ブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携プラットフォームを提供しているのが「TradeWaltz」です。ブロックチェーン技術を活用することで、高いセキュリティ水準を保ちながら貿易取引をデジタル化することが可能です。過去に、TradeWaltzの利用によって一連の業務における作業時間やコストを44〜60%削減できたという調査結果もあります。

グローバルシッピングビジネスネットワーク(GSBN)

グローバルシッピングビジネスネットワーク(GSBN)は、大手海運企業が複数参画する非営利コンソーシアムで、ブロックチェーンをベースとした海運の情報プラットフォームを提供しています。

貨物の運搬プロセスをデジタル化し業務を効率化することで、取引に関する運用が数日から数時間に短縮されるとのこと。グローバル規模での商品取引に関するワークフローのサポートを目指して展開しているそうです。

<保険>

Lemonade

InsurTechの代表格とされている「Lemonade」は、ブロックチェーンベースの保険システムを構築できるプラットフォームを展開しています。スマートコントラクトを活用することで、保険契約の締結や請求処理、支払いを自動化し、スピーディかつ透明性が担保された取引を実現しています。

すでに様々な業界で活用されており、2022年3月にはアフリカ農家を気候変動のリスクから保護する目的で「Lemonade Crypto Climate Coalition」と呼ばれるDAOが設立され、洪水や干ばつなどの気候変動リスクに対して金銭的な補償を受けられる仕組みが構築されています。

Etherisc

Etheriscは、スマートコントラクトを活用した分散型保険プラットフォームです。2016年には、Etheriscを使って展開された初めての分散保険「Flight Delay Insurance」を発表。これは、フライトの遅延を補償するサービスとして提供されました。

スマートコントラクトを活用することで保険金支払いの可否や支払い手続きなどを自動化でき、保険契約に関わる業務の効率化や人件費の削減を図ることができます。

<未来予測>

Augur

Augurはスマートコントラクトを活用した予測市場のためのプラットフォームです。将来起こりうることを予測して掛け金を投下、予測が正しければ報酬が受け取れる仕組みで、報酬が支払われる際の取引がスマートコントラクトにとって自動化されています。

ユーザーは誰でも予測対象となるイベントを元に市場を作ることができ、加えてどの予測市場にも参加できます。予測の成否については、世界中に存在するレポーターによって評価されています。

<スマートフォン>

Finney

Sirin Labsが販売するスマートフォンのFinneyには、スマートコントラクトや暗号化されたメッセージ、暗号通貨にアクセスする機能が組み込まれています。

暗号資産を管理するには高い堅牢性が求められますが、Finneyにはビットコインなどの暗号資産を保管するためのコールドウォレット(※)が備わっています。暗号資産を利用するユーザーのニーズに応えるべく登場した次世代のスマートフォンとして注目を集めました。

※コールドウォレットとは、インターネットに接続されていない環境のまま資産を管理できるウォレットを指す。デジタル資産をオフラインで管理できるため、ハッキングリスクを抑え、セキュリティレベルは最も高いとされている。

▼ウォレットについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください
仮想通貨やNFTの取引に必要な「ウォレット」とは? 定義と分類、おすすめウォレット5選まで – SELECK

<DAO>

MakerDAO

DAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)」は、特定の所有者や管理者がいなくても、事業やプロジェクトを推進できる組織を指します。DAOの運営にはスマートコントラクトが活用され、組織運営が自動化されています。

MakerDAOは、イーサリアムブロックチェーン上で開発されているDeFiのプロジェクトです。MakerDAOは「DAI」と呼ばれるステーブルコインの発行・管理や、レンディングプラットフォームであるDSRなどを提供しており、その運営はガバナンストークンのMKRの保有者の投票によって行われています。

▼DAOについて、詳しくはこちらの記事もご覧ください
【海外事例14選】分散型自律組織「DAO」とは?web3の鍵となるその定義や歴史、開発ツールも徹底解説 – SELECK

【番外編】独自コントラクトを作成できるノーコードツール3つ

最後に、独自コントラクトを作成できるノーコードツールを3つご紹介します。

thirdweb

「thirdweb」はNFTやトークンの作成・発行、DAppsの開発、DAO構築などができる多機能ツールです。その大きな魅力は、作成できるコントラクトの豊富さにあります。

例えば、ERC721規格のNFTコレクションはもちろん、ERC721・ERC1155規格のトークンを売買できるマーケットプレイスの作成などが可能です。初心者でも使いやすいUI/UXとなっているため、初めてNFTを発行するという方にもおすすめです。

Manifold

「Manifold」も独自コントラクトを使ってNFTを発行できるツールで、Web3.0業界では有名な投資家のa16zなどの投資家による寄付で運営されています。

連携できるアプリケーションが豊富で、NFTの発行に限らずオークションページの作成やSBT(ソウルバウンドトークン)の発行も可能です。NFT発行の際の手数料は不要で、ガス代のみで利用できます。

Bueno

「Bueno」はNFTアートを簡単に作成、販売できるツールです。その機能は、大きく3つに分けられます。

1つ目はジェネラティブNFTをノーコードで作成できる機能で、PhotoshopやFigmaでも作成できます。2つ目は独自コントラクトで簡単にNFTを作成できる機能、そして3つ目はAllow Listの作成機能です。NFTコレクションを元にメタバース空間を作れるなど、遊び心に溢れたツールです。

▼こちらの記事では、他にもNFTを簡単に発行できるツールをご紹介しています
【厳選12】誰でも簡単にNFT発行やDApps開発ができる!「Web3.0ノーコードツール」をご紹介 – SELECK

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回はスマートコントラクトの概要から活用事例までをお伝えしました。

スマートコントラクトの活用は実証段階のものも多く、本格的な活用事例はこれからより一層増えてくるのではないかと思います。今後の動向が楽しみです。(了)

※本記事は情報提供を目的としており、投資を勧誘するものではございません。本記事に記載している情報は本サイトの見解によるもので、情報の真偽、各種ツールの安全性、暗号資産の正確性・信憑性などについては保証されておりません。ツールの使用や投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

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