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  • 間庭 裕喜

「データに溺れない」KPI設定がキモ!解約率を半減させた、攻めのサービス改善とは

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〜カスタマーサクセスの立ち上げから、KPIの設定、機能改善、インサイドセールスまで!事業開発でサービスの本質を見失わないために必要なこととは〜

Webサービスが、真に追うべき指標とは何だろうか。

月間のアクティブユーザー数や顧客の獲得コスト、生涯顧客価値など、目安となる指標は数多くある。しかし最も大切なのは、サービスの価値がユーザーに伝わっているか、定量的に判断できることである。

ヨガやフィットネスなどのレッスン・スクールや、美容院をはじめとするスモールビジネスの事業者に、Web上で予約を管理するシステム「Coubic (クービック)」を提供する、クービック株式会社。

▼誰でも簡単に使える予約システム「Coubic (クービック)」

同社はユーザーの大量の問い合わせから、サービスの「本質」を伝えられるKPIを見いだし、機能の改善を行った。実際に1年間で、サービスの解約率を半減させることができたという。

今回は取締役を務める間庭 裕喜さんにカスタマーサクセスの立ち上げの背景から、スタートアップにおけるKPIの立て方、機能の改善のフローまで、詳しくお話を伺った。

投資銀行から転職し、スタートアップで事業の立ち上げを担う

私は前職では、ゴールドマン・サックス証券の戦略投資部にて、小売から不動産まで、様々な業態の投資案件に10年ほど携わってきました。

いつかは自分で事業をやりたいと思っていたときに、代表の倉岡と同窓会で再会し、その縁があって2015年にクービックに入社しました。

これまでCS(カスタマーサクセス)の立ち上げから戦略の立案といった、ビジネスサイドに幅広く関わってきました。最近ではインサイドセールスにも力を入れています。

弊社が運営している「Coubic(クービック)」は、ヨガやフィットネスなどのレッスン・スクールや、美容院をはじめとした事業者に向けた予約管理システムです。今は社内のKPIとしては、Coubicを通じて行われた「予約数」を設定しています。

「受け身」のCSから、電話でアプローチする「攻め」のCSへ

もともと私が入社した2015年は、全社員でまだ数名の組織だったこともあり、部署も特に分かれていませんでした。

そのためCSに関しては、社長やエンジニアなどから「手の空いている人が対応する」という形だったんです。当時としてはある意味間違っていなかったとは思いますが、ルールもないカオスな体制でした(笑)。

ユーザーからのお問合わせは、「Zendesk(ゼンデスク)」というCSツールで一元管理していました。

▼問い合わせを管理するZendesk

ただ件数が毎月数百件以上に増えてくると、とても兼任では手が回らなくなって。昨年の4月に、専任の社員を採用して、私がリーダーとしてCSチームを立ち上げました。

このような体制を作ったことで、ただ問い合わせに対応するだけでなく、その分析ができるようになりました。

例えばCoubicには、有料プランの機能を無料で使えるトライアル期間があります。ただ、無料プランのユーザーがそちらにアップグレードしたときに、追加された機能の使い方がわからない、という問い合わせが特に多いことに気が付きました。

そこで、有料プランのトライアルに移行していただいたすべてのユーザーの方に、こちらから電話をかけて使い方をガイドするようにしたんです。

最初は、手の空いた時間に都度架電していたのですが、そのときの着電率は40%ほどで、決して高くはありませんでした。

ただ次第に、トライアル申込日から日が浅いほど着電率が高まることがわかってきました。そこで今は、申し込み直後に電話をかけるようにし、着電率も80%ほどまで上がりました。そのタイミングであれば、ユーザーも「何か連絡が来るのでは」という心理があるんだと思います。

このように、自分たちから積極的にユーザーと接点を作ったことで、フラットにヒアリングができたり、他の会社さんでのCoubicを使った成功事例を紹介できるようになりました。

結果として、接点を持てたお客様に関しては、トライアル後も有料で続けてもらえる割合が7〜8割まで上昇しました。

「サービスの本質」を追う、シンプルなKPI設定こそが重要

また、CSはユーザーとのコミュニケーションだけではなく、ユーザーの声をきちんと社内に伝えていくという役割もあります。特に弊社のユーザーは多種多様な業界にわたるので、限られたリソースの中で、お客様の多様なニーズに応える、本質的な改善策を導き出す必要がありました。

しかし問い合わせも増え、CSチームの人数も増えていくと、サービスの改善案が「あのユーザーがこう言っている」という形で、自分たちの感覚のぶつけ合いになってきてしまったんですね。

Webサービスということもあり、アクセス数やそれぞれの機能のクリック率など、様々な数値を指標として見ていたこともあり、なかなか議論の軸が定まりませんでした。

そこで、まずCoubicが追うべき指標をいま一度整理していきました。そしてユーザーからの問い合わせを2,000件、3,000件と振り返るうちに、ユーザーがサービスを継続するかどうかは、結局のところ「Coubicを通じて予約がされているか」で決まると気が付きました。

改めてCoubicの本質的な価値を突き詰めると、ユーザーが求めていることは「簡単に予約の管理ができるようになる」ことなんですよね。

それを受けて、追うべきKPIはシンプルに「予約数」に設定して、CSの活動やサービスの機能改善も、ユーザーにより「予約してもらいやすくなる」ための提案をする方針に変えました。

「問い合せ件数」✕「ユーザーの温度感」で無駄なくサービス改善

さらに、サービス改善をよりスムーズに進めていくために、問い合せの時刻、内容、件数、アップグレードした理由などを、すべてExcel上に集計しています。

さらにユーザーの温度感も同時に記録しています。例えば、対応しなければ即解約をしてしまうような要望であれば「must have」。その機能があれば嬉しいという程度であれば「nice to have」といった形で、ラベルを付けています。

週に1度、ミーティングを設けて、その中で最大公約数的に求められているものを整理して、エンジニアに機能開発の依頼をしています。

問い合わせの件数とユーザーの温度感をもとに提案ができるので、「その機能が今本当に必要なのか」という議論が無くなり、非常にスムーズになりました。

今では機能開発の8、9割はCSの発案です。実際にユーザーのホームページやブログに、Coubicの「予約カレンダー」を貼り付ける機能や、予約時にクレジットカードで事前に決済できる機能が実装されました。

こうした取り組みの結果、昨年と比較してサービスの解約率も以前の半分以下に減らせました。

▼クライアント側のサイトと、Coubicの「予約カレンダー」を連携させることができる

Marketoを使ったインサイドセールスも強化

現在は、CSに加えインサイドセールスの強化をしています。

マーケティングオートメーションツールに「Marketo(マルケト)」を採用しており、ユーザーの行動履歴を分析したり、CRM機能を使ってメールマガジンの配信をしています。

▼Marketoを使い、メールマガジンを作成する

例えばMarketo上では、無料ユーザーがアップグレードのボタンをクリックしたかや、アップグレード画面まではいったがその後アップグレードせずにやめてしまったかどうか等を見られます。

このように特に興味のありそうなホットなユーザーには、営業が直接電話をして有料プランの提案をしています。

▼ブログを活用したコンテンツマーケティング

最近では、ブログを使ったコンテンツマーケティングも始めており、こちらはまさに試行錯誤しながら試している最中です。

今後も、よりユーザーに価値を提供できるような取り組みを続けていけたらと思っています。(了)

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