• 株式会社Gunosy
  • 執行役員 メディア事業本部 LUCRA事業部 部長
  • 渡辺 謙太

事業目標は「ストーリー」で伝える。目的別の1on1を実践する、チームマネジメント術

〜事業責任者は新卒3年目!適切な目標設定とメンタリングでチームのパフォーマンスを最大化する、女性向け情報アプリ「LUCRA(ルクラ)」のマネジメント術とは〜

「多様なメンバーのモチベーションをいかに引き上げ、チームの目標を達成するか」ということは、マネジメントにおいて最も難しい課題である。

株式会社Gunosyが開発・運営する、女性向け情報アプリ「LUCRA(ルクラ)」を率いるのは、新卒3年目で事業責任者を務める、渡辺 謙太さんだ。

その事業特性から女性やアルバイトのメンバーも多く、さらに開発メンバーは全員年上というチーム環境の中で、マネジメントにおいては試行錯誤の連続だったという。

例えば、事業目標は「数値」だけでなく「ストーリー」で伝えることで、多様なメンバーがモチベートされるように設計。

また、半期ごとの目標設定の際には、事業から個人目標にブレイクダウンする形で落とし込み、「自分自身の成果が、チームに良い影響を与えている」という繋がりを大切にしている。

さらに、1人ひとりに向き合う場を設けるため、昨年から1on1(※)を導入。メンタリングとタスク管理の2つの目的に分けた運用によって、以前よりも深い話ができるようになったそうだ。

※1on1について、詳しく知りたい方はこちら

今回は、事業責任者の渡辺さんと、新卒2年目でLUCRAのマーケティング責任者を務める真武 新太さんに、LUCRA事業部における目標管理と1on1の運用法について、詳しくお伺いした。

新卒3年目で事業責任者。チームマネジメントは試行錯誤の連続…

渡辺 僕は、2016年に新卒で入社し、今年で3年目になります。入社当時はエンジニアとしてWeb事業などの開発を担当し、2017年の2月からLUCRAの立ち上げに携わることになりました。

そして、同年5月のリリースから現在に至るまで、事業責任者を務めています。

現在、LUCRA事業部には、アルバイトも含めて20名以上のメンバーが所属しています。開発とマーケで大きく2つのチームに分かれていて、それぞれに責任者がいる形です。

真武 僕は、内定者インターンの時からLUCRAの調査や企画等の立上げに携わり、現在は入社2年目になります。

昨年の秋頃から、マーケティング責任者としてマネジメントにも携わっています。

▼左:真武さん、右:渡辺さん

LUCRAは女性向けの情報アプリなので、チームのメンバー構成が特徴的です。なぜなら、男性メンバーだけですと、どうしてもトレンドのキャッチアップがしづらいんです。

そこで、LUCRAのユーザー層と親和性が高い女性のアルバイトさんを5名ほどチームに加え、広告運用やクリエイティブ制作など、幅広い業務で活躍してもらっています。

渡辺 また僕の場合、開発メンバーが全員年上になるので、こうした多様なメンバーから成るチームをマネジメントする、ということは、簡単ではありませんでした。

実際、マイクロマネジメントをしてメンバーのやる気を下げてしまったり、課題に対して動いてもらえないこともあったりして…。マネジメントにおいては、試行錯誤の連続でしたね。

事業目標は、数値だけでなく「ストーリー」で伝える

渡辺 弊社では、半期に1度、定量と定性50%ずつで評価が行われます。各メンバーは期初ごとに、事業目標からブレイクダウンする形で、定量と定性の個人目標を設定します。

事業から個人へと目標を落とし込むことで、「個人として頑張った結果が、チームや事業に良い影響を与えている」という繋がりを感じ取れるようにしています。

また、メンバーのモチベーションを上げるためには、事業目標の伝え方も重要です。

というのも、数値を追いかけることにモチベートされるメンバーもいれば、そうではないメンバーもいます。

そのため、「これだけの数値を達成しましょう」というだけのコミュニケーションでは、なかなか上手くいきません。

そこで、事業目標を伝える際には、個々人に合わせて「数値目標の共有だけでなく、ストーリーも大事にする」ということを意識しています。

具体的には、「これを達成することで、ユーザーや世の中に対してどういう価値を提供できるのか」というビジョナリーベースのコミュニケーションを取っています。

真武 例えばマーケチームの場合ですと、「継続率の高いユーザーを獲得する」という数値目標と、「広告を通じて、LUCRAを好きになってもらうきっかけを作る」というビジョン目標を、両方設定しているんです。

何にモチベーションを感じるかは人それぞれなので、どちらか一方だけではなく、相手に合わせた伝え方をしていますね。

「15段階のグレード」を基準に、適切なレベルの目標を設定

渡辺 また、目標設定の際には、個人ごとの「レベルの擦り合わせ」も重要です。

これに対しては、全社の評価制度である15段階のグレードに対応する形で、各定義を基準として個人目標を設定するようにしています。

例えば、マネージャークラスのグレードであれば、「チームを率いて事業を推進することができる」という定義のもと、どのように事業数値を達成するか、が目標になってきます。

一方、メンバークラスのグレードの場合には、「課題を与えられた時、解き方を自分で考えて動くことができる」という定義になるので、例えばLUCRAですと「広告代理店の運用を自分で工夫して最適化する」といった目標設定をします。

ここで気をつけているのは、「達成不可能ではないけれど、ストレッチした目標を立てる」ということです。

というのも、次のグレードに必要な能力に相当するような目標を立てることで、事業と個人の成長をより加速させることができると考えています。

また、グレードの抽象的な定義を数値目標に落とし込む際に、どうしても事業部間でブレが生じがちなので、そこは1on1を通じて本人との擦り合わせを大事にしていますね。

目標に対する振り返りは、基本的に月に1回ペースで、良かったこと・改善したいこと・新たに取り組んでいきたいこと、の3つを確認しています。

タスク管理とメンタリングの2軸で、目的別の1on1へと運用変更

真武 こうした目標に対する振り返りだけでなく、業務のタスク管理や相談事項を話す場として、昨年から1on1を導入しました。

当初は扱うテーマを何でもアリにして、緩やかに運用していたのですが、徐々にメンタリングの部分が疎かになってしまって…。

1on1の目的を明確にしないで臨むと、どうしても話題がタスク管理に寄ってしまいがちになり、個人のキャリアなど中長期的なことを話すことができていませんでした。

そこで今年の8月から、タスクの進捗管理とメンタリングの2軸で、1on1の場を目的別にわけて運用することにしたんです。頻度や時間は個別に変えながら、直属のマネージャーとメンバー間で実施しています。

例えば、メンタリングを目的にした1on1では、現在の業務に関連することだけでなく、中長期的な目標や理想の状態についても話をしています。

今、それに対してどのくらいギャップがあって、それを埋めるためにはどんなスキルを身につければよいか、どういう経験を積んでいったら良さそうか、という部分を、メンターも一緒に考えています。

こうして目的を分けることで、お互いに何について話そうかを事前に準備して臨むことができるので、以前よりも深い話がしやすくなりましたね。

渡辺 とはいえ、やはり自分よりも年上の人に対して「メンタリングする」というのは、なかなか簡単なことではありません。

なので、僕からメンタリングをする、というよりも、「こういうことに困っているので、力を貸してほしいです」という風に、自分自身も自己開示することを心掛けています。

また、僕自身もメンティーとして、現在CEOの竹谷やファウンダーの福島との1on1を定期的に行ってきたので、そこで学んだことも生かしていますね。

アルバイトメンバーにも裁量を与え、当事者意識を持ってもらう

真武 僕は、マネジメントで一番重要な仕事は、結局のところメンバーのモチベーションコントロールかなと思っていて。

進捗管理はもちろん前提になりますが、個々人がいかにやる気を出して、気持ちよく仕事をできる環境を作れるかが、組織のパフォーマンスに一番影響すると思います。

そこで、LUCRAチームでは、社員だけでなくアルバイトメンバーとも1on1を行っています。

というのも、アルバイトメンバーも含めてチームのパフォーマンスを最大化するためには、「いかにチームの一員として、当事者意識を持って仕事をしてもらえるか」という部分が大事です。

アルバイトだからといって権限や面白い仕事を与えないようにすると、どうしてもやる気が出ないですし、結果として仕事のクオリティも下がってしまうと思うんです。

ですので、LUCRAではなるべくアルバイトメンバーにも権限を与え、仕事を任せるようにしており、社員と同じように1on1の場が必要だと考えています。

その内容も、タスク管理は社員と同じようにやっていますし、メンタリングでは就活の相談に乗ったりして、LUCRAでの経験が今後どういったキャリアで生かせそうか、といった話もしていますね。

さらに最近では、マネジメントスキルを上げてもらうことを目的に、アルバイトメンバーとの1on1のメンターを社員に任せています。

まだ始めたばかりですが、実際にメンター側を経験することでメンティーの動き方を客観視することができるので、その人がメンティーの時の意識や行動は明らかに変わってきましたね。

LUCRAのアセットを生かして、新しい事業を生み出していきたい

真武 現在は、開発とマーケティングのメンバー間のコミュニケーションをより円滑にしたいと思っていて、様々な取り組みを行っています。

例えば、男性中心の開発メンバーが女性のトレンドをキャッチアップする機会がもっとほしい、という話から、毎朝LUCRAのメンバーで集まり、メンバー持ち回りで担当する「トレンド共有会」を始めました。

また他にも、コミュニケーションを加速する工夫を色々と行っています。

具体的には、定期購読している女性誌を気軽に読めるスペースを作ったり、メンバーに自己紹介を書いてもらって可視化したり、何かしらのコミュニケーションを生むきっかけになるような環境作りをしていますね。

渡辺 LUCRAは現在、250万ダウンロードを超え、サービスとしては成熟しつつあります。

引き続き、LUCRAを伸ばしていくと同時に、今後はメディアだけじゃなく、様々な新しいサービスを生み出していきたいな、と思っています。

そこで、LUCRAで培ったチームビルディングやプロダクト立上げのノウハウを生かして、新しい事業をどんどん生み出していきたいですし、事業をつくれるメンバーも増やしていきたいと思います。(了)

「チームのパフォーマンスを最大化したい」と思うあなたへ

当媒体SELECKでは、これまで600社以上の課題解決の事例を発信してきました。

その取材を通して、自律的な成長を促す「伴走型のマネジメント」が、組織づくりにおいて重要であるという傾向を発見しました。

そこで開発したのが、1on1の運用と改善で、メンバーの内省を促進し、パフォーマンスを最大化するツール「Wistant(ウィスタント)」です。

進化したマネジメントを体験したい方は、ぜひ、チェックしてみてください。

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