【徹底解説】「1on1」がマネジメントを改善する!運用のコツや導入事例、ツールを紹介

※2018年11月27日更新

今、マネジメントの効果的な手法として急速に広がっている「1on1(ワンオンワン)ミーティング」をご存知でしょうか?

1on1ミーティングとは、メンター(多くの場合マネージャー)とメンバーが1対1で対話をする場のことです。

SELECKで過去600社以上にインタビューする中でも、非常に多くの企業が取り入れていました。

今回は、「1on1ミーティングって何?」という初心者向けの解説から、その運用のコツ、企業における具体的な導入事例を、まとめてお届けします

従業員の育成、マネージャーの育成、マネジメントに課題をお持ちの方は、ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?

<目次>

  • 【1on1とは?】1on1の目的や考え方を理解しよう
  • 【1on1の準備】企業の事例に学ぶ、効果を上げる「3つの準備」
  • 【1on1の進め方】メンバーとマネージャーがするべきことは?

【1on1とは?】1on1の目的や考え方を理解しましょう

1on1の目的は、個人のパフォーマンス向上です。マネージャーが部下に対し一方的にレビューをする場ではなく、あくまでもメンバー個人のパフォーマンスを上げるためのサポートの場となります。


実際に1on1を実施している企業の多くは、2週間ないし1ヶ月に1回、30分ほどの時間を取り、マネージャーとメンバーで1on1を行っています。

1on1の場では、短期的な話だけでなく、中長期のキャリアや成長に関する相談ができます。

メンバーにとって1on1のメリットはパフォーマンスの向上ですが、組織としてのメリットももちろんあります。

  • 個人のパフォーマンス向上を通じて、組織全体のパフォーマンスが上がる。
  • 1人ひとりの成長実感を増やし、離職率が下がる。
  • 定期的に行われる人事評価への納得度を上がる。

では、なぜ1on1という形式が広がっているのでしょうか?

「1on1という場をわざわざ作らなくても、普段からマネージャーがメンバーの成長に関する話をすれば良いのでは」という意見も出てくるかもしれません。

実際に、多くの企業では、マネージャーに求められる役割は目標達成だけでなく、メンバーの成長(個人のパフォーマンス向上)も含まれています

しかし、多くのマネージャーの頭の中は目標達成でいっぱいになり、マネージャーとメンバーの会話の多くは、チームの目標達成に関わることになりがちです。


そのため、1on1という場を設けることで、確実に個人のパフォーマンスを向上するための機会を作り出しています。

【1on1の準備】企業の事例に学ぶ、効果を上げる「3つの準備」

しかし、いきなり1on1を導入したからといって、効果が出るものでしょうか?

例えばグリー株式会社では、2015年より1on1を導入しましたが、最初は難易度が高く、なかなかうまくいかなかったようです。

今でこそ現場に定着していますが、始めた頃は「最近どう?」「特に変わりないです」で終了してしまうようなことも度々ありました。

そうした状況を想定して、マネージャー向けの「1on1研修」を人事側で用意しました。

この研修は、1on1に臨む基本姿勢や、傾聴、コーチングなどの講義を受けた上で、参加者のマネージャー同士でロールプレイングを実施するプログラムになっています。

具体的には、「PCを見ながら話さない」といった傾聴の基本から、失敗に対して前向きな振り返りに導く会話術、1on1で話すトピックの例まで、かなりボリュームのある内容です。

記事はこちら: 上司と部下の「信頼関係」がカギ!MBOの運用を1on1で支える、グリーの目標管理とは

そこで今回は、1on1を行うにあたって重要な事前準備を3つご紹介します。具体的には、①目標設定 ②1on1前の「内省」 ③アジェンダの設定 の3点です。

①目標設定

1on1の目的は個人のパフォーマンスを最大化していくことですが、そのためには、目標設定が重要です。目標は定量的でも、定性的でも問題ありません。

(例)

  • 定量的な四半期の目標
  • 定性的な四半期の目標
  • 伸ばしたい能力
  • 発揮すべき会社の価値観
  • 新たにチャレンジしたい仕事
    etc…

目標設定については、MBO、OKR、など様々な方式があります。

株式会社ココナラでは、目標設定のフレームワークにはOKRを活用しており、個人の目標を完全に定量化・言語化しています。

チームの目標を決めたら、次にマネージャーがチームメンバーの目標を、1人あたり2〜4つ程度決めます。

そして、その目標を達成するためのKR(Key Result)を設定するのですが、その際、その達成度を測るために、KRをさらに分解して、1点〜5点で明確に定量・言語化します。

記事はこちら: 優秀な人が失敗するのは、目標が曖昧だから。敢えてトップダウンでOKRを運用する理由

定量化はできないまでも、定性的でも良いので、目標を言語化することは重要です。

※目標設定について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

【保存版】Googleも採用する目標管理「OKR」を徹底解説!導入事例や運用ツールも紹介

②1on1前の「内省」

通常1on1は、30分ほどの時間で行います。

その場をより良い時間にするためには、メンバーが事前に自分で内省(振り返り)をしておくことが重要です。内省には様々な方法がありますが、KPT方式がお勧めです。

KPTとは下記のような3つの要素に分けて振り返りを行います。

K:keep = 良かったこと(今後も続けること)
P:problem= 悪かったこと(今後はやめること)
T:try = 次に挑戦すること

※KPTについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。

【徹底解説】正しい「KPT」が仕事の成果を生み出す!進め方のコツ、現場の事例を紹介

ほとんどの社員がリモートワークで働く社員株式会社ソニックガーデンでは、KPTのフレームで振り返りを行っています。

弟子は、毎週メンターと「振り返り」を行っています。ここでは仕事の内容ではなく、「自分の仕事のやり方」について、KPTフレームワークで振り返ってもらうんです。

その週の仕事の仕方について、今後も続けていくべき良かったこと(Keep)、問題だったこと(Problem)、来週から改善していくこと(Try)の3つを、弟子があげていきます。

記事はこちら:遊んでいるエンジニアこそ偉い?ソニックガーデンの、向上心を引き出す新卒育成法

③アジェンダの設定

1on1でよくあるのが「最近どう?」という雑談で終わるパターンです。雑談だけでもコミュニケーションは増え多少の意味はありますが、個人のパフォーマンスを向上させるためには不十分です。

そのため、事前に1on1で何を話すかアジェンダを設定しましょう。前述したグリーでは、下記のようなアジェンダを設定しています。

他にも、アジェンダの例としては以下のような内容が挙げられます。

    • 事前の振り返りの確認
    • 自分の目標に関する相談
    • チームの目標に関する相談
    • 会社のビジョン・戦略・目標の共有
    • 会社のバリュー・行動指針の共有
    • 自分のキャリアに関する相談
  • 伸ばしたい能力に関する相談
  • チーム内のコミュニケーションに関する相談

アジェンダを設定することで、1on1の時間(多くの企業では1回30分)を有意義にすることができます。

また、会社側としてはアジェンダをうまく活用することで、マネージャーとメンバーで話して欲しいことを定期的に話してもらうことができます。

例えば、デル株式会社のインサイドセールスチームでは、1on1において *①業務進捗 ②新しい挑戦 ③自己アピール* の3点が必ずアジェンダになっているそうです。

(アジェンダの)3つ目としては、「何かアピールはありますか?」と聞いています。

お客様に対してでもチーム内でも、「良いことをやった、こういう風に褒められた」といった「good point」を聞かせて欲しいと伝えているんですね。

と言うのも、やっぱり悪い所に比べて、良い所って目につきにくいんです。また日本人の気質として、自分から「こんな良いことやりました!」とは言いづらいじゃないですか。

ですので1on1の場でしっかりと聞いて、その話を他のメンバーや私の上司にもシェアしています。

記事はこちら: 「1on1」がチームワークを生み出す!離職率5%未満、デルのインサイドセールスチーム

【1on1の進め方】メンバーとマネージャーがするべきことは?

①1on1中、メンバーは何をすべきか?

メンバーにとって1on1は内省の場です。

自分のパフォーマンスを高めるために、目標に対して良かったことや悪かったこと(課題)を深掘りし、気づきを得ましょう。

そのために、事前に内省をしアジェンダに従ってメンターをフル活用しましょう。

メンターはあくまでもメンバーの気づきを促すための存在で、答えを教えてくれるわけではないという認識を持つことが重要です。

そして、気付きを得たら、それをアクションに落としていきましょう。

②1on1中にメンター(マネージャー)は何をすべきか?

1on1におけるマネージャーの役割は、メンバーの内省を促進するためにフィードバックすることです。以下の行動は推奨されません。

  • アジェンダを無視してマネージャーが話したい話をする。
  • メンバーの話をよく聞かず勝手に解釈してまとめる。
  • メンバーが抱えている問題について「その問題は要はこういうことね」と一方的にアドバイスする。
  • 問題の解決策についてメンバーの考えを聞く前に「その問題は〜で解決したら良いね」と一方的にアドバイスする。
  • 評価を下す。

逆に、以下の行動は推奨されます。

  • アジェンダに従ってメンバーが話したいことを引き出す。
  • メンバーの話を解釈せずに深掘りをして真意を聞く。
  • メンバー自身が抱えている課題の深掘りをできるよう問いかけをする。
  • メンバー自身で解決策を出せるよう問いかけをする。
  • 行動に評価を下さず、課題解決の手助けや激励を行う。

1on1のみならず、目標に対して振り返り(内省)をすることが重要です

当媒体SELECKでは、これまで500社以上の課題解決の事例を発信してきました。

その取材を通して、高いパフォーマンスを発揮するビジネスパーソンは「振り返りからの改善が習慣化している」という傾向を発見しました。

そこで目標に対して振り返り(内省)を行える「Wistant(ウィスタント)」というツールを開発しました。

個人のパフォーマンスを最大化したいとお考えの経営者・マネージャーの方は、ぜひ、チェックしてみてください。

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