【徹底解説】「1on1」が組織を強くする!基本の型、運用のコツ、導入事例を紹介

※2020年1月22日、最新の内容に更新しました。

いま、マネジメントの効果的な手法として急速に広がっている「1on1(ワンオンワン)ミーティング」をご存知でしょうか?

1on1ミーティングとは、メンターとメンティ(多くの場合、上司と部下)が、1対1で対話をする場のことです。

SELECKで過去700社以上にインタビューをしてきた中でも、1on1を導入する企業が非常に増えていると感じています。

今回は、「1on1」の目的やメリットから、運用における工夫、気をつけるべき落とし穴まで、事例とともにお届けします

メンバーの育成や、マネジメントに課題をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか? 文末に、SELECKからの特典として「1on1パーフェクトガイドブック」もご用意しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

<目次>

  • 【1on1とは?】1on1の目的と「3つの支援」を理解しよう
  • 【1on1の進め方】基本の「型」と、運用における工夫
  • 【1on1を改善しよう】メンターとメンティがすべきことは?
  • 【1on1の落とし穴】こんな1on1していませんか?簡易チェックしよう
  • 【SELECKからの特典】「1on1パーフェクトガイドブック」
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【1on1とは?】1on1の目的と「3つの支援」を理解しよう

1on1の目的は、メンティの成長を支援することです。つまり1on1は、マネージャーがメンバーに対して評価やレビューを行う場ではなく、あくまで「メンバーのための時間」であることが大前提となります。

また、その支援方法は、以下の3つに大別されます。

まずひとつめが「業務支援」です。これは、メンバーが業務を遂行する上で困っていることがないかを確認し、なにかしらのハードルがあればその解決をサポートすることを意味します。

ふたつめが「内省支援」です。直近の業務などの振り返りを通じて、メンバーの考えを深めたり、気づきを得られるような支援を意味します。将来的なキャリアや、自身の成長についてメンバーが話したいときも、この内省支援が役立ちます。

そして最後が「精神支援」です。職場環境や人間関係で不安に感じていることや、仕事だけでなくプライベートで気に掛かっていることも含めて、精神的な負荷軽減をサポートすることを意味します。

こうした3つの支援を通じて、メンバーの成長をサポートすることが、1on1の目的となります。

そのため、メンバー側のメリットとしては、以下のようなものがあります。

・直近の業務でつまずいていることを伝え、解決に向けて行動できる

・中長期のキャリアや、今後伸ばしていくべきスキルなどを相談できる

・心配ごとや、困っていることをマネージャーに共有できる

また、メンバーの成長を支援することで、組織としてのメリットもあります。

・個人の成長を通じて、組織全体のパフォーマンスが上がる

・1人ひとりの成長実感を増やし、離職率を低減する

・コミュニケーション量が増え、人事評価への納得度が上がる

一方で、「1on1という場をわざわざ作らなくても、普段からマネージャーがメンバーの成長について話せばいいのでは」という意見も出てくるかもしれません。

実際、多くの企業では、マネージャーに求められる役割は「目標達成」だけでなく、「メンバーの成長・育成」も含まれています

しかし現実には、頭の中が目標達成でいっぱいになっているマネージャーも多く、メンバーとの会話の多くは、チームの目標達成に関わることになりがちです。


そのため、1on1という場を定期的に設けることで、確実に個人のパフォーマンスを向上するための機会を作り出しています。

【1on1の進め方】基本の「型」と、運用における工夫

1on1の時間や頻度は、ペアによって様々ですが、2週間ないし1ヶ月に1回、30分ほどで実施している企業が多いです。

また、1on1には「正解」はありませんが、知っておくべき「基本」が存在します。

1on1を全社で取り組んでいるヤフー株式会社では、以下のステップを「基本の型」としてマネージャーに共有しているそうです。

▼ヤフー社登壇資料:「1on1」の基本の型

記事はこちら:「正しい1on1」は存在しない? 1on1のプロ4人が、読者のリアルな悩みに答える!

基本の流れとしては、最初にその場で扱いたいテーマやゴールをすり合わせることから始めます。

そして、メンティの話を傾聴し、必要に応じて問いかけをしながら、次アクションを設定します。今後やるべきことの確認ができたら、メンターが「自分にサポートできることはあるか」を確認し、最後に感謝や労いを伝える、といった流れです。

1on1は「メンバーのための時間」なので、メンティが自発的に話したいテーマを設定することが望ましいですが、すぐには思いつかない場合もあると思います。

そうした時の工夫として、グリー株式会社では、以下のようなアジェンダを設定しているといいます。

▼グリー社で共有されている、1on1で扱うトピック例

記事はこちら:上司と部下の「信頼関係」がカギ!MBOの運用を1on1で支える、グリーの目標管理とは

こうしたトピックをいくつか用意しておくと、「1on1でなにを話せばよいのか」といったマネージャーやメンバーの悩み解決につながります。

また会社側としては、アジェンダをうまく活用することで、マネージャーとメンバー間で話してほしいことを、定期的に話してもらうことができます。

たとえば、デル株式会社のインサイドセールスチームでは、①業務進捗 ②新しい挑戦 ③自己アピール の3点が、1on1で必ず話すアジェンダになっているそうです。

(アジェンダの)3つ目としては、「何かアピールはありますか?」と聞いています。お客様に対してでもチーム内でも、「良いことをやった、こういう風に褒められた」といった「good point」を聞かせてほしいと伝えているんですね。

と言うのも、やっぱり悪い所に比べて、良い所って目につきにくいんです。また日本人の気質として、自分から「こんな良いことやりました!」とは言いづらいじゃないですか。ですので1on1の場でしっかりと聞いて、その話を他のメンバーや私の上司にもシェアしています。

記事はこちら: 「1on1」がチームワークを生み出す!離職率5%未満、デルのインサイドセールスチーム

【1on1を改善しよう】メンターとメンティがすべきことは?

基本が理解できたら、より良い時間にするために、1on1を改善していきましょう。

そこで重要なのが、メンターとメンティの双方が、1on1をより良い場にする意識をもつことです。

ですが、その意識を持っていたとしても、具体的に何をすればいいのかわからない、といった人も多いと思います。そこでメンター・メンティがすべきこととして、要点をご紹介します。

【メンティ側:1on1の前に「内省」をする】

1on1の事前準備として、メンティにぜひ行っていただきたいのが「内省」です。

通常、1on1は30分程度で行われます。その場をより良い時間にするためには、メンティが事前に自分で振り返りをしておくことが重要です。内省には様々な方法がありますが、KPT方式がおすすめです。

KPTとは、下記のような3つの要素に分けて振り返りを行います。

  • K:keep = 良かったこと(今後も続けること)
  • P:problem= 悪かったこと(今後はやめること)
  • T:try = 次に挑戦すること

詳細はこちら:【徹底解説】正しい「KPT」が仕事の成果を生み出す!進め方のコツ、現場の事例を紹介

また、メンバーの内省を促すために、事前アンケートを行うのも効果的です。

たとえば、dely株式会社のエンジニアチームでは、今回の1on1で話したいテーマ、目標に対する進捗具合、業務量の負荷、健康状態といった項目を、選択式のフォームで事前アンケートしています。

▼実際のアンケートフォーム

というのも、1on1をやっている中で「毎回聞くことってあるな」と思ったんです。それを事前に把握しておけば、より本質的な部分に時間が使えるじゃないですか。

事前アンケートの項目は、回答の負担を少なくするため、基本的に選択式で答えられる形式にしています。(中略)

この回答で、あまり計画通りに進んでいないことがわかれば、何が障壁になっているのかを1on1で確認し、それを取り除くために何が必要かを議論します。

記事はこちら:マネジメントが事業と個人の成長サイクルを回す!delyの、目標管理と1on1の運用法

dely社のようにGoogleフォームで実施することもできますし、1on1の事前アンケート機能をもったマネジメントツールを検討しても良いかもしれません。

※1on1などのマネジメントツールに興味のある方は、こちらをご覧ください。

【メンター側:相手の話を「傾聴」し、適切な働きかけをする】

次に、メンター側に意識していただきたいのが、メンティの話にしっかりと耳を傾け(傾聴)、適切な方法で働きかけることです。

1on1におけるメンターの働きかけには、3つの種類があります。それは、①ティーチング ②コーチング ③フィードバック です。

▼ヤフー社登壇資料:「1on1」に必要な3つのスキル

たとえば、業務上のハードルを乗り越えるための知識が不足していたり、適切な人のサポートが必要だったりする場合には、「ティーチング」によって相手に教えます。

一方、直近の業務を振り返り、メンティの内省を深めていく際には、相手の考えを引き出す「コーチング」が必要です。

※コーチングについて、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【徹底解説】コーチングとは? マネージャーなら知っておきたい、3ステップの実践法

これらは明確に使い分けるというよりも、濃淡をつけるイメージが近いかもしれません。ヤフー社で1on1を推進する小金 蔵人さんも、次のようにお話されています。

端的に言うと、コーチング、ティーチング、フィードバックの3つのスキルは明確に分けられるものではないと思っています。

「よし、コーチングをしよう」といって話すのではなく、今発した言葉を振り返ったらたまたまコーチングになっていたり、「僕からみると順調じゃないように見えるんだけど、どう思う?」みたいな形で、フィードバックをした後にコーチングを添えたりもしますし。もっと自然にするようなものかなと思いますね。

記事はこちら:「正しい1on1」は存在しない? 1on1のプロ4人が、読者のリアルな悩みに答える!

また、こうしたスキル以前に、1on1ができるほどの「信頼関係」が構築できているかが重要です。もし「1on1の場が固いな…」という課題があれば、日常における挨拶や賞賛、労いなどをまずは増やしましょう。

【1on1の落とし穴】こんな1on1していませんか?簡易チェックしよう

ここでは、1on1でやってしまいがちな、メンター(マネージャー)のNG行動をお伝えします。セルフチェックの意味で、確認してみてください。

① メンティの話を聞かず、メンターばかり話している。

メンティが話したいトピックを確認せず、メンターが伝えたいことを一方的に話してはいませんか? もし、メンティの姿勢が受け身になっている場合には、「メンティのための時間」であることを伝え、目的を再確認しましょう。

② メンティの話をよく聞かずに、勝手に解釈して、一方的にアドバイスする。

自分の経験則から、相手の話をよく聞かずに「解釈」してはいないでしょうか? メンティ自身がどのように考え、どう感じているのかを傾聴することが大切です。

③ 問題の解決について、メンティの話を聞く前に、具体的な解決策を提示する。

メンティが問題を抱えている時に、すぐに解決策を教えようとしていませんか? まずはメンティ自身で考えを深めるべき問題なのか、知識を与えた方がよい問題なのかを、相手の話を聞くことで見極めることが大切です。前者であれば、思考の深掘りができるよう「問いかけ」を行います。

④ メンティの話に対して、評価を下す。

1on1は、評価面談の場ではありません。メンティ自身が振り返った内容や行動に対して、評価を下すのはやめましょう。あくまで「成長をサポートする場」であることを忘れないでください。

上記、心当たりのある項目もあったのではないでしょうか。では逆に、どういう行動が望ましいのでしょうか。推奨されるメンターの行動例としては、以下になります。

  • アジェンダに従って、メンティが話したいことを聞く。
  • メンティの話を解釈せずに、深掘りをしてその真意を引き出す。
  • メンティ自身が抱えている課題を、深掘りできるような問いかけをする。
  • メンティ自身で解決策を出せるよう、問いかけをする。
  • 行動に評価を下さず、課題解決の手助けや激励を行う。

ぜひ一度振り返ってみて、参考にしていただければと思います。

【SELECKからの特典】「1on1パーフェクトガイドブック」

いかがでしたでしょうか? 1on1の基本から具体的な運用の工夫までお伝えしましたが、まずは難しく考えなくても大丈夫です。第一歩として、コミュニケーション量を多くすることから始めてみてくださいね。

最後に、1on1のすべてがわかる「1on1パーフェクトガイドブック」をお届けします。

※「1on1パーフェクトガイドブック」の資料ダウンロードはこちら

記事に載ってない先進企業の1on1事例や、すぐに使える「74の質問集」なども付いておりますので、ぜひご活用なさってください。

1on1だけでなく、目標に対して振り返り(内省)をすることが大切です

当媒体SELECKでは、これまで700社以上の課題解決の事例を発信してきました。

その取材を通して、成功している組織には、指示・命令を中心とした「管理型のマネジメント」ではなく、人の意欲と能力を引き出す「ピープルマネジメント」が根付いている傾向を発見しました。

そこで開発したのが、組織にピープルマネジメントを根付かせ、パフォーマンスとエンゲージメントを最大化するツール「Wistant(ウィスタント)」です。

具体的には「目標設定→1on1を通した成長支援・メンバーの課題解決→成果・行動に対するフィードバック」というマネジメントの一連のサイクルを、高いレベルで実行することをサポートするサービスです。

「組織のマネジメント力を強化したい」とお考えの経営者・人事・マネージャーの方は、ぜひ、チェックしてみてください。

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