【徹底解説】正しい「KPT」が仕事の成果を生み出す!進め方のコツ、現場の事例を紹介

KPT」とは、「ふりかえり」によって、仕事やプロジェクトの改善を加速するフレームワークのひとつです

個人的には、KPTはシンプルながらも非常に優秀な手法だと思っています。

仕事を進める中で、「やったことを振り返る」機会ってよくありますよね。年度末であったり、新たな目標設計をする際や、プロジェクトが終わったときなどなど…。

こうしたとき、ミーティングなどで盲目的に意見を出し合っても、「…で、どうする?」ということになりがちです。

KPT

そんな時にKPTを用いれば、スマートに現状分析を行うことができ、次にやるべきことが明確になります

今回は、このKPTの日本企業における使い方の事例と、使う際に役立つITツール進め方のコツを紹介します。参考にして、ぜひKPTを実践してみてくださいね。

【目次】

  • 「Keep・Problem・Try」で構成される、KPTとは?
  • KPTを実際に活用している日本企業の事例【3選】
  • KPTの実践に役立つITツール
  • KPTがうまくいかない…進め方のコツとは?

KPTとは? 「Keep・Problem・Try」の3つからなるフレームワーク

KPTは日本で広まっている手法ですが、元になっているのは、Alistair Cockburn氏が「Reflection Workshop」の中で提唱した「The Keep/Try Reflection」です。

この中では、ふりかえりは下記の3要素に分けて行うことが望ましいとされています。

  • What we should keep.(続けるべきこと)
  • Where we are having ongoing problems. (抱えている問題)
  • What we want to try in the next time period. (次にトライしたいこと)

これが日本で独自の形で進化し、アジャイル開発(※)におけるふりかえりの手法として広まりました。

※短い開発期間を繰り返すことで、リスクを最小化しようとする開発手法のひとつ

KPT
現在では、KPTとは下記のような3つの要素に分けて現状分析を行うものとなっています。

  • Kkeep = 良かったこと(今後も続けること)
  • Pproblem= 悪かったこと(今後はやめること)
  • Ttry = 次に挑戦すること

実際にKPTを行う際ですが、基本的には「ホワイトボードとふせん」で進めることが多くなります。

下記のような図をホワイトボードに書き、Keep、Problem、Try、それぞれに応じた内容を、ふせんに書いて貼り付けていきます。

KPT 事例

▼コレは最近、弊社で実際に行ったKPTの様子です

KPT 事例

KPTを実際に活用する、現場の事例【3選】

KPTがどんなシーンで役に立つかは、事例を見るのが最もわかりやすいです。

マッチングサービス「Pairs(ペアーズ)」を運営する株式会社エウレカでは、エンジニアチームが日々発生する課題に素早く対処するために、KPTを使って「振り返り会」を行っています

▼実際にホワイトボードを使って、振り返りを行っている様子

KPT 事例

大切なことは、課題を放置しないよう、可視化してチームで共有することです。

自分たちで解決できる課題については、2週間のスプリント単位で業務を強制的に止めてでも、立ち止まって、このプロセスは良かったのか? を話し合う「振り返り会」を通して解決策を議論しています。

振り返り会は、全員が発言をしやすいよう「誰かを責めるのではなく、どう改善できるか」にフォーカスした上で、KPT(※)形式で実施しています。

▶記事はこちら:人が集まっただけ、ではチームになれない。強いチームを作るための「自己組織化」とは

またサイボウズ株式会社では、2週間に1度実施される開発メンバー全体での振り返りに、KPTを使っています

KPT 事例

振り返りの手法もいろいろと試したのですが、今はKPTを使っています。

(中略)KPTを行う上で、普段から何か「気づき」があれば、kintone上にメモをしておく文化を作っていることもポイントだと思います。

そうすることで、当日になって「よし振り返るぞ!」と身構える必要もないですし、振り返りのミーティングに必要以上の時間がかかることもありません。

▶記事はこちら:「世界中のチームワークを向上させる」組織の裏側。kintoneチームの開発体制とは

このように、エンジニアのチーム開発の中で、KPTが使われるケースは多いです。

一方で、KPTはエンジニア以外の職種でも、もちろん使うことができます。

例えば、ほとんどの社員がリモートワークで働く社員株式会社ソニックガーデンでは、新卒メンバー(弟子)の育成の中でKPTを使っています

KPT 事例

弟子を教育する上でのゴールは、「一人前にすること」です。一人前とは、ソニックガーデンの会社の名前を背負って、お客さんから信頼感を得られ、1人で仕事を持てるようになることです。

そのための教育として一番大切にしているのが、「仕事のやり方」を身につけてもらうことです。

弟子は、毎週メンターと「振り返り」を行っています。ここでは仕事の内容ではなく、「自分の仕事のやり方」について、KPTフレームワークで振り返ってもらうんです。

その週の仕事の仕方について、今後も続けていくべき良かったこと(Keep)、問題だったこと(Problem)、来週から改善していくこと(Try)の3つを、弟子があげていきます。

▶記事はこちら:遊んでいるエンジニアこそ偉い?ソニックガーデンの、向上心を引き出す新卒育成法

このようにKPTは、「仕事を振り返って改善につなげたい」ケースであれば、色々なシーンで活用することができます。

KPTの実践に役立つITツール

KPTは、前述したようなアナログな方法で行うのもひとつですが、そうするとログが残しにくいという問題があります。

ですので、過去のKPTを後で参照したい場合や、対面ではない形でふりかえりを効率的に行いたい場合は、ITツールを活用すると良いでしょう。

まずオススメなのは、ToDoやタスクを「ふせん」感覚で管理できるタスク管理ツール「Trello(トレロ)」です。

KPT ツール

Trelloは無料で使うことができますし、ふせんを貼ったりはがしたりする感覚で使うことができるので、オンラインでKPTを行う際には便利です。

▼「フィットネス」をテーマに、TrelloでKPTをやってみました

KPT ツール
また、KPTを習慣づけ、チームをより目標達成に近づけることができるコーチングロボWistant(ウィスタント)」を用いると、より効率的にふりかえりと改善を行うことができます。

KPT ツール
Wistantでは、botが自動でKPTを進行してくれるので、マネジメント工数を削減することも可能です。

KPT ツール

こちらから、無料トライアルをスタートできます。

KPTがうまくいかない…進め方のコツとは?

最後に、KPTをうまく進めるためのコツを紹介します。

KPTを日常的に行っていると、常に「改善が生まれる」状態を作ることができます

しかしそのためには、KPTを継続して行うこと、そしてその質を高めることも重要です。

①KPTを行う前に意識しておきたいこと

  • 日次や週次など、できるだけ短い間隔でKPTを行う(忘れないうちに振り返る・習慣づける)。
  • 個人目線やチーム目線など、視点を変えて考える。

②Keepの出し方

  • 発揮した価値や、改善から成果につながったことなど、小さなことでも良いので数を出す。
  • あらかじめ、自分がした仕事を整理しておく。
  • 顧客や周りの人に「褒めて」もらったことを考えてみる。

③Problemの出し方

  • 「Problemを共有するのがチームの成果を導く」という意識を持つ。
  • 「なぜそうなったのか?」を深掘りして考える。
  • Problemが多い人を詰問するのではなく、共に解決策を考える。

④Tryの出し方

  • 「意識する」「がんばる」などの気持ちだけはNG。具体的な行動に落とす。
  • Keepからは、「良かったことをさらに良くする」Tryを考える。
  • Problemからは、「その問題を解決する」Tryを考える。
  • そのTryをなぜやるのか、という目的を常に意識する。

上記を意識しながら、KPTを実践してみてくださいね。(了)