- 株式会社つみき
- Filmarks事業担当執行役員
- 松山 岳史
グロースハッカーには最強のツール!みんなが「ハマる」サービスを育てるMixpanel
今回のソリューション:【 Mixpanel/ミックスパネル】
〜グロースハックにおけるKPI設定、施策の効果検証、A/Bテストに役立つ「Mixpanel」の使い方〜
WEBサービスを成長させるためには、サービスに「ハマって」いるユーザーと一般的なユーザーの行動をどれだけ近づけていく戦略を取れるかが鍵になる。映画レビューアプリである「Filmarks(フィルマークス)」を提供する株式会社つみきでグロースハッカーを務める松山 岳史さんがそのために活用しているのが「Mixpanel(ミックスパネル)」だ。
松山さんはこれまで、サービスの成長に最適なKPIを見つけ出し、それに対する具体的な施策を次々に実行することで着実に実績を上げてきた。その「KPIの設定」から「施策の効果検証」までをMixpanelが一手に担っている。導入後、実際に2週間に1度はサービス改善を行い、会員登録数も半年で1.6倍まで伸ばすことができたという。松山さんが「グロースハッカーには最強のツール」だと語るMixpanelについて、詳しいお話を伺った。
リクルートを経て、グロースハッカーとしてのキャリアをスタート
2011年にリクルートに新卒で入社して、つみきに転職しました。良い映画と出会うためのレビューアプリ「Filmarks」のグロースハッカーを担当しています。会員登録数などのKPIを設定し、どのような施策を打てば数字が上がってサービスが改善していくかをPDCAを回しながら考えています。
従来のWEBマーケティングでは、広告を打って見込み顧客に大量アプローチをかけ、認知に繋げていくことが重要でした。しかしグロースハックにおいては、ユーザーのエンゲージメントを上げていく改善を繰り返し、サービスやプロダクトを成長させることでユーザーの獲得を目指してくことになります。
サービス改善を繰り返すために重要なのが、「行動に繋がる指標」を設定することです。その指標を達成するための、具体的な施策が思い浮かぶものを選ぶ必要があります。例えば、TwiiterのKPIだった「新規ユーザーが5人以上フォローする割合」を上げるためには、「新規ユーザーがフォローする施策」を打てばいいとすぐに想像できます。逆に「ダウンロード数」などは、その数字を改善するために次に何をすべきなのかイメージがしにくい指標なんですよね。もっとサービス内の具体的なユーザー行動に繋がっている数字を見ていく必要があると考えています。
具体的なユーザー行動を分析可能なMixpanel
そういった指標を追いかけていく上で、例えばGoogle Anaylticsのような解析ツールでは足りない部分もあります。細かい数字を見て行ったり、具体的なユーザー行動を追うには機能が不十分なんですね。より詳しい解析のためにSQLを書いてデータベースから数字を引っ張ってくることもありますが、やはりログから解析するのは時間がかかってしまって。どうしても、やりたい分析を全部行うことができなかったんです。
そこでいろいろ試していく中でMixpanelを導入させてもらいました。導入したらアメリカの担当者から連絡がきまして。スカイプで使い方や従来の分析ツールとの違いを説明してもらいました。
早いサービス改善に繋がる、Mixpanelのコホート分析
Mixpanelで我々が力を入れてやっていることのひとつは、サービスを伸ばすために具体的に追うべき数値を見つけることです。つまりKPIの設定のために、Mixpanelを通じた分析結果を活用しています。
あるKPIを設定して、その理想的なアクティブユーザーがいるとします。そうでないユーザーと比べた時に、どのように行動が違うかということを見ていくんです。具体的には、活発なユーザーはアプリをダウンロードした初日に映画をクリップしているが、そうでないユーザーはクリップしない。そこまでわかると、「ダウンロード初日のクリップ数」をKPIに設定し、「どうやってクリップしてもらおうか」と考え、具体的な施策に落とすことができます。
ここでMixpanelを使うと、コホート分析(※時間の経過に伴うユーザー行動の変化を可視化する分析手法)がほんの10秒ほどでできるので、簡単に施策の結果を計測することができます。以前はSQL文を何度も実行して、1時間以上かけてグラフを作成していたんです。Mixpanelであれば様々なセグメントで絞り込んだり、コホートの期間を変えるのも一瞬です。
▼時間の経過に伴うユーザー行動の変化が解析できるコホート分析
このような機能によって、とにかく早いサービス改善が可能になるんです。実際にFilmarksも2週間に1度はサービス改善を行っています。「ユーザーがどんな行動をしたらリピートするようになるのか?」という仮説が非常に立てやすくなったので、どんどんサービス改善に繋げていくことができるようになりました。
プッシュ通知機能もカバー。会員登録数は1.6倍に!
またMixpanelの機能として、A/Bテストも行うことができます。非常に便利なので、以前は自社で構築したテスト環境を利用していましたが、完全にMixpanelに切り替えています。A/Bテストのパターンや設定した文言や画像のパラメータを簡単に自由に変えることができますし、効果も一瞬で判断できるようなUIになっています。追加料金もかかりません。
▼A/Bテストも実施可能
また、Mixpanelはアプリに埋め込んで、プッシュ配信を行うこともできます。プッシュ対象のセグメントを細かく絞り込むこともできますし、A/Bテストも行うことができます。これも追加料金なしです。ここまでできると、プッシュ通知を目的にMixpanelの導入を検討してもいいのでは、と感じます。
このように様々な施策をMixpanelを通じて打つことができるのですが、先週と比較して数字がどう変化したかというレポートも毎日送られてくるので、振り返りまでがしっかりできるんですね。結果的にMixpanelを導入して半年で、会員登録数は1.6倍まで伸びました。これからもまだまだ伸びしろがありそうです。
ユーザーの行動を理想的にしていくツール
サービスに「ハマっている」理想的なユーザーの行動に一般のユーザーの行動を近づけていくことでサービスは伸びていくと考えています。それを実現するために、Mixpanelは最強ですね。適切なKPIを設定し、PDCAを高速化していくのがミッションのグロースハッカーのためのツールだと思います。