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【2024年】ますます激戦!「スタートアップ採用」の最新・成功事例を4社まとめてお届け
ますます激戦を極める、スタートアップ界隈における「人材採用」。
X(旧Twitter)スペース上で30分間の音声配信を行う連載企画「SELECK miniLIVE」では、スタートアップの採用において知見のある、または先進的な取り組みを推進し成功を収めている4社に生インタビューを行いました。
本記事では、その4回分の配信の内容をまとめて、ダイジェスト版でお届けします。ぜひ、最後までお読みいただけますと幸いです。
<目次>
- 生成AI活用を含め、採用手法はより多様化していく ーWHOM
- 累計49.5億調達!リファラル中心で100名まで急成長 ーIVRy
- 数値分析×現場への入り込みで、採用課題に向き合う ーログラス
- 独自の採用マーケで、創業わずか4ヶ月で50名規模に ーPeopleX
1. 生成AI活用を含め、採用手法はより多様化していく ーWHOM
株式会社WHOMは、「採用を強化したい企業とプロのリクルーターを繋ぐ」をミッションに2020年に創業されました。
代表取締役CEOの早瀬 恭さんは、インド、シンガポール、インドネシアでの人材紹介業界の経験や、リンクトイン・ジャパンでの事業部長の経験を持つ、採用のエキスパートです。そんな早瀬さんから見た、スタートアップ採用市場の現状をお聞きしました。
そのポイントは、大きく下記の2点です。
- 日本の採用は、「脱エージェント」に向けた過渡期にある。生成AI活用、SNS、リファラル、アルムナイなど、今後は採用手法がより一層多様化していく
- 海外では、新しいテクノロジーの活用が進んでいる。ChatGPTなどを活用した採用コンテンツの作成に加えて、生成AIの領域は1to1のメールマーケティング、ショート動画制作にまで広がっている
加えて早瀬さんは、
人事のキャリアとして、最初に採用から入って1〜2年経験を積んだら違う領域にいって、HRBPを目指して…という、採用担当を人事の「登竜門」的に捉えることが日本では一般的ですよね。
その気持ちはわかるのですが、個人的にはそうではなく、採用には4年5年というスパンできちんと向き合って取り組むべきだと思っています。
と話します。
今、日本の採用市場が過渡期にあるからこそ、差がつきやすい。自社に閉じずにもっともっとオープンにいろんな情報を取り込んでほしいといいます。
▼インタビュー記事の全文はこちらからご覧いただけます
海外の最新HRtechも!スタートアップ採用トレンド大解説
2. 累計49.5億調達!リファラル中心で100名まで急成長 ーIVRy
株式会社IVRyは、「電話」を起点とした対話型音声AI SaaSを提供する企業です。2024年5月にシリーズCラウンドで総額30億円の資金調達を実施し、累計調達額は49.5億円に達しています。
そんな同社は、約1年で25名から100名超へと組織も急成長。さまざまなスタートアップ、メガベンチャーで活躍してきたいわゆる「つよつよ人材」が続々と入社しています。
同社の採用施策のポイントは下記の通りです。
- 社員紹介(リファラル)での入社が全体の約7割。創業メンバーをはじめ、マネージャー陣が採用に愚直にコミット
- 「オープンデー」などを通じて、リファラル採用で声をかけた候補者をしっかりクロージングまで持っていく
このように順調に拡大している同社ですが、課題も見えてきているそう。VP of HRの西尾 知一さんは
リファラル採用は、入社される方のコミットメントも高くてとても良いのですが、他のチャネルからの採用を増やしていかないと、どうしても人材の多様性という意味で偏りが出てきてしまいます。
このままリファラル一辺倒というわけにはいかないので、今年からはリクルーターの方に入ってもらって他のチャネルを開拓し、PDCAを回して再現性を出していこうとしています。
と話します。
現状では、組織としての次の成長を見据え、リファラル以外の採用経路に対しては長期的視点での採用投資を行い、ROIの一時的な低下も許容しているといいます。
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累計49.5億調達のIVRyが「採用でも強すぎる」理由を徹底分析
3. 数値分析×現場への入り込みで、採用課題に向き合う ーログラス
クラウド経営管理システム「Loglass(ログラス)」を展開する株式会社ログラスは、現場主導でのリファラル採用の成果で150名まで組織が成長した一方、採用の体制や仕組みづくりの面では課題も多かったといいます。
特に、リファラル中心であるがゆえに現場のエンジニアには負担がかかっていたそうです。
そこで、プロダクト開発に関わるチームの採用をメインミッションとして、2024年2月に立ち上がった新しい組織が、「ProductHR」でした。同組織の立ち上げを担った佐藤 晶さんは、
私、数字って本当によいものだと思っていて。数字を分析すると「ここが良い・悪い」といった形で、色々なことが見えます。ただ、結局そこで何が起こっているのかは、現場を見に行かないと机上の空論になりがちなんですよね。
と話します。実際にProductHRでは、採用ファネルの数値分析と現場観察の組み合わせによる課題発見を粘り強く行い、具体的な事例として以下のような施策に取り組んできたそうです。
- 「一次面談後の離脱率が高い」という課題が見つかった際には、とにかく面談に同席。話している内容を書き起こし、トークスクリプトを修正
- HRとエンジニアの双方が参加するワークショップを通じて、共通認識ができていない・言語化できていないログラスの魅力を発見し再定義
- 週に1回はHRとエンジニアマネージャーで定例会議を実施し、互いに自分たちが一番バリューを出せる領域をしっかり役割分担できるようにコミュニケーションを活性化
さらに直近では、プロダクトチームのブランディングのための活動をスタート。ブランドとして一本筋を通す、共通のメッセージを作るために、まずはXのプロダクトチームアカウントを開設して活動しているといいます。
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1年で社員数が倍増!ログラスの新採用チーム「ProductHR」の役割
4. 独自の採用マーケで、創業わずか4ヶ月で50名規模へ ーPeopleX
株式会社PeopleXは、「社員を成功させることで、企業を成長に導く」をミッションとし、エンプロイーサクセス領域で事業を展開するスタートアップです。
創業からわずか4ヶ月で、すでにその組織規模は50名ほど。さらに、その採用経路はリファラル6〜7割、インバウンドが3割だといいます。
そんな同社の採用戦略は、他社とは一線を画す非常にユニークなものです。SNS上のアクティブな情報発信でも注目を集める代表取締役CEOの橘 大地さんは
資金調達の時にも、「何億円調達しました!めっちゃ勢いあります!」といった発信はしませんでした。資金調達って、おめでたいわけではなくて、並々ならぬ責任を背負ったということなので。淡々といきました。
これに限らず、基本的には他社の真似をすると二番煎じになるだけなので、自分たちの信念に基づいてしっかりやっていくことが一番の近道だと思っています。
と話します。
具体的には、以下のポイントをお話しいただきました。
- スタートアップの採用メッセージは似たようなものが多い。そうではなく、求職者から見たときに、数ある企業の中で選ばれる「必然性」がある会社作りをしなければいけない
- 具体的なポジショニングとしては、①「誰と働くか」 ②エンプロイーサクセスという事業領域 ③「鼻息荒い系」として日本を代表する企業を最短で目指すこと
- スタートアップのCEOは絶対にSNSで発信しなければだめ。逆にやらないと決めているのは、社員がSNS上で、自分の言葉で語らないような状態を作ってしまうこと
- リファラル採用は報酬なし。自分の友達や親友を呼びたくなるような会社作りをすることに脳内リソースを使うべき
採用エージェントも使っていなければ、採用サイトもなければ、採用デッキもない同社。独自の路線で突き進む爆速成長は、これからも目が離せません。
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スタートアップ採用における「悪手」とは? 創業4ヶ月・PeopleXの爆速採用戦略
終わりに
以上、SELECK miniLIVEでお届けした4社の「スタートアップ×採用」のストーリーをお届けしました。どの回も非常に学びに溢れたものになりましたので、採用に関わるかたはぜひ一度フルバージョンの記事もご覧いただければと思います。(了)