- 株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
- クラウドホスティング事業本部 マーケティング部
- 吉田 崇
WEBマーケターこそ顧客に会おう!広告解析の効率化が生み出す時間が社外活動を促進
今回のソリューション:【WebAntenna/ウェブアンテナ】
企業のマーケティングにおいてWEBが果たす役割の重要性が増す中、WEBマーケターはどのように業務を行っていくべきだろうか。ユーザー行動を緻密に分析する必要からPCと向き合った数値分析に追われ、ともすると社内にこもりがちになるかもしれない。
しかし、株式会社KDDI ウェブコミュニケーションズでCPIレンタルサーバーのWEBマーケティングを担当する吉田 崇さんは、対面でのコミュニケーションを重視し、積極的に社外へ出てユーザーと会う機会を持っているのだという。
同氏はなぜそのように働くことができるのか。その要因は主に2点である。1つ目は、実際の顧客との関係性を重視して、ファンを大切にする同社の姿勢だ。
2つ目は機械化できるものはなるべく機械に任せ、社員が本来行うべきことに集中できるように業務効率化を追求する組織文化である。
活用しているツールのひとつが、直感的なWEB広告の効果測定を可能にするツール「WebAntenna(ウェブアンテナ)」。広告代理店と共同でアカウントを使い、同じ認識のもとで動くことでPDCAサイクルを早めることにも一役買っているというWebAntennaの活用法を、吉田さんにお伺いした。
WEBサイト制作デザイナーから、マーケティング領域へ
以前は12年ほどWEB制作会社におりまして、デザインからコーディング、ディレクションまでを担当していました。転職を決めた理由は、制作側にいるだけでは「成果」が見えにくいことが課題だとずっと感じていたからです。
例えばWEBサイトをリニューアルしてアクセス数が上がったとしても、その理由はもしかしたらCMや広告のような他の施策かもしれない。そういった部分は事業者側に行かないと分からないと思っていました。
弊社ではデザイン部で約1年半制作を担った後、マーケティング部へ移りました。今はクラウドホスティング事業本部の6名のマーケティングチームのうちの1人として、SEO、アクセス解析、WEBサイトのコンテンツ周り、リアルのイベント運営などを担当しています。
お客様への丁寧なサポートを目指したレンタルサーバー
弊社のレンタルサーバーの中でも人気が高いのは、共有レンタルサーバー「ACE」とマネージド専用サーバー「CHM-Z」です。サポートを非常に丁寧に行っているのが弊社のサービスの特徴のひとつで、自分達でサーバーの管理、運用をしきれないお客様にもご好評いただいています。
WEB上でのマーケティングだけではなく、対面で1人ひとりのお客様から信頼を獲得し、そしてその信頼を裏切らないサービスを提供するということが弊社のスタンスです。社外のイベント等でのお客様との出会いを非常に大切にしています。
他社よりもハイスペックなサービスの提供を目指すことももちろんですが、新しいものばかりを追い求めても実際のお客様のニーズに合うとは限りません。リアルな場所でお客様の需要をしっかりと拾い上げ、弊社のファンを増やしていくことに繋がるようなフィールドマーケティングを重視しています。
もちろんWEBマーケティングとして、例えば広告の効果測定なども行っていますが、数字を触っている時間だけで終わってしまうのは良くないよね、という意識があります。機械でできることはなるべく機械化して、余計な時間をかけずにPDCAを回していくことが一番です。
WEBマーケターは、PCで数字と格闘するのがメインになりがち
とはいえ、WEBマーケターはPCの前でユーザーの動きを追うことに日々追われがちです。ユーザーの動きを掴むのは簡単ではありませんし。
弊社の過去の例を挙げると、アクセス数の増加のためにリスティングと自然検索、どちらがより重要かを見極めたくても、クリック直前のユーザー行動までしか見えていなかったので判断できませんでした。
最初に自然検索で流入し、その後リスティングでコンバージョンしているケースだと、何が重要な役割を果たしたのかよく分からなかったんです。
アクセス解析ができるツールは色々ありますが、以前に使っていたツールですと、詳細な分析をしようとした際にCSVデータをダウンロードした上で、こちらでかなり加工をする必要がありました。
PC上で加工の方法を調べているだけで時間がかかってしまい、他の施策が打てなくなってしまっていたんです。
WebAntennaの導入で手間だった広告の効果測定が手軽に!
こういった分析を手軽にできるようにするために、2011年にWebAntennaを導入することにしました。選定理由は2点で、1点はリスティングと自然検索の成果を同時に同じ画面上で見れることです。ですので、ストレスなく直感的に比較分析ができます。
もう1点はコンバージョンレポートを通して、管理画面以外でもお客様がどれだけコンバージョンしたのかを見れることです。
また、WebAntennaの提供元のビービット様は、単にツールを提供するだけではなくアトリビューション分析等のコンサルティング分野にも知見をお持ちで、協働するパートナーとして素晴らしいと感じたことも導入の後押しになったと思います。
▼様々なWEB広告の効果を一元管理できる「WebAntenna」
導入効果としては、主に3点です。まず、広告効果のより詳細な分析が手軽にできるようになり、解析作業が効率化しました。管理画面上だけでなく、サービスの一部として提供されているExcelのマクロを使って中間値などの細かい指標までを手軽に分析することができます。
次に、コンテンツの成果計測がより正確になったことです。PVやコンバージョンだけで評価するのではなく、顧客の動きをより長いフローで見ることが可能になりました。
例えば、1番最初に接触したのがコンテンツで、その後リスティングからコンバージョンがあった場合は、単にリスティングを評価するのではなく「コンテンツが顧客創造をした」と評価することができます。
それが可能になったのも、WebAntennaを通じて誰がどこにアクセスし、どこでコンバージョンしたかがすぐに分かるようになったからですね。
最後に、広告のPDCAを回すのが以前より早くなりました。WebAntenna上で代理店権限を設定できるので、広告代理店の方とWebAntennaの画面共有をして網羅的に情報を共有することで、同じ目線で広告戦略を立てることができます。
個人的には広告代理店の方はパートナーだと思っていて、自分では気が付けないような視点をもらいながら一緒に戦略を考えていきたいと思っているので、この機能はありがたいですね。
今は全てWebAntennaを通して代理店から広告配信してもらうようにしています。入稿までの時間も以前より短縮されましたね。
WebAntennaへの今後の期待
今後は「どの広告のコンバージョンがどのコンテンツに影響しているか」をより手軽に判断できるように機能強化がされるとありがたいなと思います。
現機能で中間コンバージョンとして特定のページにポイントを持たせることで、そのページのコンテンツの貢献度は計測することが出来ます。ただ設定をしていないページは計測できないため、アクセス解析ツールでの分析が必要です。
中間コンバージョンを設定しなくても、そこまでの経路分析が出来るとWebAntenna で完結出来るので、分析やレポーティングの時間が短縮できるのであったら嬉しいなと思います。WebAntennaは広告の効果測定ツールなので、高望みだと思いますが…。