- LIFE STYLE株式会社
- 代表取締役
- 永田 雅裕
結果を出せる営業は「顧客管理」が違う!成約数5倍を達成した、Salesforce活用術
〜Salesforceを活用し、成約数5倍・売上4倍を達成。代理店とのやりとりも効率化させた事例〜
営業支援システム(SFA)の「Salesforce(セールスフォース)」。世界規模でユーザーを持つ同サービスだが、「コストが高そう」「使いこなせる自信がない」といった理由で、導入をためらう中小企業も少なくない。
Googleストリートビュー関連事業を手がける、LIFE STYLE株式会社。同社では、創業3ヶ月というフェーズで、Salesforceを導入した。その裏には、「結果を出す営業と、出せない営業の決定的な違いは顧客管理にある」という考えがあった。
Salesforceの導入に合わせ、テレマーケティングシステム「sakuraCTI(サクラシーティーアイ)」も活用することで、成約数は5倍になり、売上は4倍にもなった。
今回は、同社代表の永田 雅裕さんに、Salesforceの活用術について、詳しくお話を伺った。
20代最後の月に、LIFE STYLEを創業
学生時代の頃から起業に興味があり、将来は社長になりたいと思っていました。そのため、飲食店を立ち上げようと、ひたすらアルバイトをしたり、フリーランスで営業代行を行ったり、友人と会社を作ってみたり、色々な経験を積んできました。
20代で起業して社長になるのが夢だったので、2014年の3月、29歳11ヶ月のタイミングでLIFE STYLEを創業しました(笑)。良いサービスを作り、フリーランスの営業で培った営業力を組み合わせて、世界一を目指せる会社を作りたいと考えていました。
ちょうど創業の頃、Googleストリートビューで施設内を360°撮影したVRコンテンツを見つけて、「これだ!」と思ったんです。コンテンツとして面白いだけでなく、世界中にプレイヤーがいるので、この事業なら世界一の会社かどうか、実績で比べられると思ったんです。
そこで、Google公式の認定パートナーとして、Googleストリートビューを活用し、店舗や施設内の様子を360°のパノラマ画像で体験できるサービスを開始しました。
スプレッドシートの顧客管理が限界に…
事業を始めた最初の頃は、とにかくテレアポをしていました。飲食店やホテルのリストから、とにかく電話をかけて、訪問して提案するという、地道な営業活動をしていました。
営業の結果は、すべてGoogleスプレッドシートで管理していました。しかし、毎日100件は電話をかけていたので、管理が難しく…。結果として、抜け漏れも多く発生していました。
▼ 以前はスプレッドシートで全てを管理していたが…
以前、フリーランスの営業として、いろいろな会社を見ていく中で、ひとつわかったことがあります。それは、結果を出す営業と、結果を出せない営業の決定的な違いは、「顧客管理」にあるということです。
結果を出す人は、顧客情報をしっかりとメモしているし、再アプローチする期日も決めています。それに対して、結果を出せない人は、目の前にある「電話しなければいけない」「訪問しなければいけない」ということしか、見えません。
SFAの活用を習慣化させるため、創業してすぐにSalesforceを導入
そのような経験から、しっかりとした顧客管理システムを導入したいと考えていました。
ただ、データベースを構築するには、営業パーソンが顧客データの入力を「当たり前」に行う文化が必要です。そのため、できるだけ早くシステムを導入して、会社が大きくなる前に、こちらを習慣化しようと思っていました。
そこで、創業3ヶ月のタイミングで、営業支援システム(SFA)の「Salesforce(セールスフォース)」を導入しました。
導入費用は高かったですが、それでもSalesforceを選んだのは、グローバルで使われているからです。日本だけしか使えなかったら、海外へ行ったときにまた違うのを入れなきゃいけないので、面倒じゃないですか。
創業時から、将来は世界展開をしたいと思っていたので、最初からグローバルでナンバーワンのクラウドサービスを入れて、世界中のどこでも使える体制を目指しました。
「sakuraCTI」との連携でテレマを効率化。架電数は3倍に!
Salesforceには、架電(※電話をかける)の履歴や担当者の情報、実際の申し込みの情報などを記録しています。さらに、見積書が自動で作成されたり、請求書をアップできたり、顧客に関するすべての情報が、Salesforce上に集まるようにしています。
▼ 顧客についての全ての情報が、Salesforce上に集まっている
また、Salesforceと連携できるテレマーケティングシステム、「sakuraCTI(サクラシーティーアイ)」も導入しました。
連携することで、Salesforce上のボタンをクリックするだけで、PCから電話をかけることができます。また、電話の履歴も記録されるんです。以前は電話番号をひとつひとつ入力していたので、格段に効率が上がりましたね。
▼ Salesforceと連携し、簡単に顧客に架電できる、「sakuraCTI」
これらのツールを導入することで、架電数は3倍になりました。誰がどれだけ電話をかけているのか、簡単に可視化できるようになったおかげだと思います。
さらに、Salesforce上で後追いのリマインドを設定したことで、アポイント率も上がりました。その結果、成約数は5倍になり、売上は4倍にまで上がりました。
代理店とのやり取りも、専用ライセンスで簡単に
Salesforceには、外部ユーザー用のライセンスが3タイプあります。私たちは、その中でも「パートナーコミュニティライセンス」というものを、代理店さんに活用してもらっています。
代理店さんには、営業から撮影、制作まで、さまざまなノウハウを提供しています。その中には、Salesforceを使わないといけないものもあります。Salesforceをもう一度、代理店さんごとにゼロから構築するのでは手間がかかりますよね。なので、代わりに、代理店用のライセンスを渡しているんです。
パートナーコミュニティライセンスは、アカウントごとに閲覧権限が細かく設定できます。例えば、弊社側ではすべての代理店さんの顧客情報を閲覧できるようにして、代理店さんは自社の顧客情報しか閲覧できない、といったことも簡単に実現できます。
このような仕組みを用いることで、月間300〜400件の契約が代理店から上がってくるようになっていますし、代理店の数が、毎月10社ずつくらい増加しても、しっかりと管理できているんです。
Salesforceは最初の構築が肝心。今後も活用を広げていく
弊社は資本金100万円からはじめた会社でお金も無かったので、Salesforceの構築はすべて自分たちで行いました。
ですが、やはりSalesforceは、最初の構築が肝心ですね。使っていくうちに、自分たちで構築したものでは足りない部分が出てきまして…。
いわば、建物の1階しか作らなかったようなもので、その上に2階・3階を建てる必要が出てきたんです。それで、一度ベンダーさんを入れて、構築し直してもらいました。余裕があるなら、最初からSalesforceの営業さんやベンダーさんと相談して、しっかり設計・構築してもらう方が良いですね。
そして、導入すると決めたら、それまでのやり方をきっぱり捨てる覚悟で臨むことです。既存のExcel管理などが残っていると、いつの間にかそちらに逆戻りしてしまいますから。
今後もSalesforceを最大限活用して、代理店ネットワークを広げながら、世界一を目指すというビジョンに向けて、邁進していきたいと思っています。(了)