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2018年「働きたい会社No.1」Facebook社を大解剖!圧巻の福利厚生、評価制度、採用まで
世界で最も有名な企業のひとつである、米Facebook社。
日本ではいわゆる「Facebook離れ」が叫ばれていますよね。しかし実際の数字を見る限り、ビジネス的には引き続き成長を続けています。
例えば「FORTUNE」発表の、2017年度 Fastest-Growing Companies では、第6位に選出されています。
時価総額や売上ではなく、成長率でも未だランクインするのはすごい。
また、アメリカの転職口コミサイトである「Glassdoor」が選ぶ、2018年に最も働きたい会社ランキングでも、第1位を受賞しています。
Glassdoorでは、現/元従業員が企業の口コミを投稿するのですが、Facebookの場合、そのスコアは5点満点で4.7です。(※2018年1月23日現在)
▼GlassdoorのFacebook社のページ
さらに2016年3月には、企業の給与に関する情報を提供する「Payscale」が、18のトップテクノロジーカンパニーのうち、Facebookの従業員が最も満足度が高く(96%)、最もストレスが少ない(44%)と発表しています。
※N数は33,500。詳細および出典はこちら
▼Payscaleの調査結果
(えぇ、なんかもう最強…?)
そこで今回は、Glassdoorに投稿されている情報などを元に、Facebook社の社内制度を紹介することで、その強さの秘密に迫りたいと思います!
紹介する項目は、下記の通りです。
- 食事から歯医者、不妊治療まで。手厚すぎる【福利厚生】
- 必ず「相互評価」からスタートする【評価制度】
- 利用ツールや、面接内容も紹介【採用プロセス】
調べれば調べるほど、Facebookはすごい会社でした…。その一部でも、すぐに真似できるようなTIPS・ツール紹介もしていますので、ぜひぜひ参考にしてみてください。
これはすごすぎる…圧巻の【福利厚生】制度を紹介
通常、福利厚生は、「この会社で働きたい!」と思う理由として、一番になるものではないかもしれません。
…が。口コミなどから調べていたところ、Facebookの福利厚生があまりにもすごすぎるんです。なので、最初に紹介したいと思います。
実際に従業員の方の口コミを見てみても、benefitsに対しては「Great」「Awesome」が連発されていたので、非常に満足度が高いことが伺えます。
※下記で紹介する制度は、原則、アメリカ本社オフィスで働く正社員の場合です。
【Facebook社のすごすぎる福利厚生(の、ごく一部)】
- 無制限の傷病休暇と、21日間の有給休暇
- 4ヶ月間の、有給での育児休暇(男女共に)
- 週に1度の、自宅からのリモートワーク
- 無料の食事(朝昼晩)、コーヒーやスナック
- フィットネスジム(オフィス内にありますが、手当の申請もOK)
- オフィス内のクリニック・歯科医・ヘアアロン・ゲームセンター(!)
- 本社オフィスへのシャトルサービス
- ドライクリーニングの料金補助
- 従業員向けの自転車修理ショップ
- 子どもが生まれた際の、$4,000の「新生児手当」
- 卵子凍結や、養子縁組といった不妊治療に対する金銭的サポート
まさに「至れり尽くせり」という感じです。個人的には、傷病休暇が無期限というのがすごいと思いました。これはアメリカならではですが、医療費もすべて、会社の保険でカバーされるそうです。
自由と責任が両立できていなければ、こういった制度を設けることは難しいですよね。
ちなみに、日本企業でも、オフィス設備ということでは負けていないのが楽天株式会社です。
▶︎家とオフィスの中間!?楽天の新拠点クリムゾンハウスが提案する新しい働き方
これだけ福利厚生が充実していると、従業員の心理的安全性も高まって、安心して仕事に打ち込めそうです。
必ず「相互評価」からスタートする【評価制度】
次に、Facebookの人事評価制度について紹介します。
パフォーマンスレビューに関しては、同社でVP of Peopleを務めるLori Goler氏が以下のように語っています。
it’s designed to ensure that you are getting feedback from all of the people that you work with most regularly.
出典はこちら
このように、Facebookでは評価をマネージャーだけで決めるのではなく、従業員同士によるレビューをベースに作っています。いわゆる、360度フィードバックですね。
この評価プロセス自体は「checkpoints」と呼ばれており、従業員が「正式に」マネージャーおよび同僚からのフィードバックを受け取り、自分の業務を振り返るものとして定義されています。
Facebookでは、このレビューを6ヶ月ごとに、下記のようなプロセスで進めています。
前半:2週間にわたって、各従業員が互いにpeer feedback(相互評価)を送り合う。通常、1人あたり3〜5名の評価が集まる。さらにself assessment(自己評価)と、 manager assessment(マネージャーの評価)を提出する。
後半:マネージャーがそれらのフィードバックをシステム上で確認した上で、各従業員の過去6ヶ月のパフォーマンスと、昇進の有無を評価する。
Facebookでは、どのくらいの割合の従業員がどの評価グレードに属するか、ガイドラインが定められています。例えば、最も高い評価を獲得するのは、全体の2%以下ということです。
また評価の基準に関しては、アウトプットや活動で評価するのではなく、あくまでも「impact」で測られるのだそうです。
360度フィードバックに関しては、特に専用ツールを使わなくても簡単に始めることができます。
日本企業の事例も参考に、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
▶マネージャーへの360度フィードバック実施・株式会社ディー・エヌ・エーの事例
また、「振り返り」を効率化し、目標に対する進捗確認を自動化するロボアシスタント「Wistant」のようなツールを用いるのもオススメです。
利用ツールや、面接内容も紹介【採用プロセス】
最後に、Facebookの採用について紹介します。
2017年に「LinkedIn」が発表した Top Attractors U.S. では、トップタレントを惹きつけ、彼らを留めることができる企業TOP40を発表していますが、Facebookは第3位に位置しています。
また、Google、Microsoft、Appleといった企業からの引き抜きも多いことが知られています。
そんなFacebookの採用プロセスとは、どのように行われているのでしょうか。
前述したGlassdoorでは、実際に同社の選考を受けた方から投稿される、リアルな情報を知ることができます。いくつか事例を紹介します。
▶マーケティングマネージャーの選考を受け、通過したケース(2017年)
- 応募経路:社員によるリファラル(紹介)
- 選考の内容:人事による電話面接→合計5名との1対1での面接
- 質問内容:ケース(”Product X”のビジネスモデル、SWOT)、過去の経験など
- 選考期間:6週間
▶ソフトウェアエンジニアの選考を受け、通過しなかったケース(2018年)
- 応募経路:社員によるリファラル(紹介)
- 選考の内容:実技試験(コーディング課題5つ)→デザイン・アーキテクチャに関するディスカッション2回→インタビュー
- 質問内容:不明
- 選考期間:2週間
他にも色々な投稿を見たのですが、個人的には下記のような傾向があるのかなと感じました。
- リファラル経由での応募が多め
- 人事による一次面接は、電話で行われるケースが多い
- 選考期間が長め(特にオファーをもらった人の場合、4週間〜3ヶ月)
- エンジニア等のスペシャリストは、前職の経験より実技試験の結果が重視される
- 面接での質問は、意外とシンプル
ちなみに、Facebookが採用で使っている様々なツール・Webサービスは、Shiftlyに公開されています。
▼「Shiftly」に掲載されている、Facebookが使うHRツール
AIを利用した採用マッチングサービス「Entelo」や、スタートアップと投資家をつなぐ「AngelList」は、過去にもSELECKで紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
終わりに
色々と調査をしていくうちに、個人的にはFacebookで働きたくなりました(!)。
これだけ従業員の満足度が高く、かつビジネス的な成長も申し分ないとなると、向かうところ敵なしという感じがします。
今後も引き続き、同社の動向を注視していきたいと思います。(了)
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