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【厳選9つ】「分散型SNS」とは?今話題のBluesky、Mastodonなど徹底比較!

Elon Musk氏による買収後、認証アカウントやAPIの有料化、未使用アカウントの大量凍結、さらには閲覧制限…など、物議を醸すルールが多く実装され、世間を賑わせているX(旧Twitter)。

Xの相次ぐ仕様変更に伴い、その代替プラットフォームとして注目されているのが、2023年7月に米Meta社がリリースした「Threads」や、過去に一時ブームとなった「Mastodon」などの「分散型SNS」です。

この「分散型SNS」とは、Web3の概念に基づいてブロックチェーン技術などの分散型台帳技術を活用し、非中央集権的な仕組みのもと運用されているソーシャルネットワーク・プラットフォームです。

分散型SNSは従来のXやFacebook、Instagramなどと異なり、複数のサーバーを使用しているため、データが分散されてセキュリティに優れている点や、中央サーバーの障害によってサービスが停止するなどの可能性が低いといった特徴があります。

また、同じプロトコル上に存在していれば異なるアプリケーション間でもデータを共有できたり、同一のアカウントでログインできるなど、ユーザーにとって利便性が良くなる可能性もあります。

そこで今回は、分散型SNSの概要から従来のSNSとの違い、分散型SNSを理解する上で重要な「プロトコル」までを詳しくお伝えします。さらに、記事後半ではおすすめの分散型SNSもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

<目次>

  • そもそも「分散型SNS」とは、普通のSNSと何が異なるのか?
  • 分散型SNSが注目されている社会的背景
  • 分散型SNSのメリットとデメリット
  • 分散型SNSの相互運用性を可能にする「プロトコル」とは?
  • 分散型SNSに利用されているプロトコルの具体例7つ
  • 【厳選9つ】今話題のThreadsやBlueskyも!「分散型SNS」総まとめ

そもそも「分散型SNS」とは、普通のSNSと何が異なるのか?

改めて、「分散型SNS」とはWeb3の概念に基づいてブロックチェーン技術などを活用し、非中央集権的な仕組みのもと運用されているソーシャルネットワーク・プラットフォームを指します。

分散型SNSは大きく分けて二つの種類に分類され、一つは分散型台帳技術(※)を利用したタイプ、もう一つはブロックチェーン技術を活用したタイプに分けられます。

両者の共通点として、ユーザー側がプライバシーの権限やデータのコントロール権を持つこと、また、プラットフォームの管理に関与できるという特徴が挙げられます。

さらに、ブロックチェーン技術を活用した分散型SNSの場合は、そのデータの改ざんを防ぐ特性から、よりセキュアな環境でのコミュニケーションが可能であったり、独自トークンの発行によるコンテンツの収益化なども設計することが可能です。

【補足】分散型台帳技術(DLT)とブロックチェーン技術の違い

分散型台帳技術は、分散型のデータベースを実現する技術のことを指し、複数のノード間で同一のデータを保持・管理するのが特徴。主に、サプライチェーンや金融取引などの用途で用いられる。

一方、ブロックチェーン技術は分散型台帳技術の一形態で、データが連鎖的に格納されることで、改ざんできないのが特徴として挙げられる。暗号資産の取引やスマートコントラクトなどの用途に特化して利用されている。

※参考:【保存版】ブロックチェーンとは? その仕組みや実用化事例まで、超わかりやすく徹底解説! – SELECK

分散型SNSが注目されている社会的背景

それではなぜ今、分散型SNSが注目を集めているのでしょうか。

「分散型SNS」と対比して語られるのが、XやFacebook、Instagramなどの「中央集権型SNS」です。中央集権型SNSは、運営会社(組織)が一つのサーバーを用いて一元的に管理されており、個人情報や投稿内容、サービスの仕様などあらゆるデータを運営会社が取り扱います。

こうした中央集権型のSNSでは、ユーザー側は自ら個人情報を管理する必要がなく、またパスワードを忘れた場合も発行元に照会できるといった利便性があります。また、明確な管理者がいることで、トラブルの解決を第三者に依頼できたり、誹謗中傷などの発言を制限できるといったメリットもあります。

その一方で、管理側でユーザーの発言をコントロールしたり、プラットフォームを通じて個人情報が予期しないレベルで収集・分析されてしまい、不正利用されるリスクなどが問題視されています。

実際に、2016年のアメリカ大統領選の際、イギリスの政治コンサルティング会社がFacebook上の個人情報を利用して心理プロファイリングを行い、投票行動を操作しようとしたことで大きな物議を醸しました。同じ手法をイギリスの国民投票でも用いて、イギリスがEUを離脱したことも記憶に新しいでしょう。

この一連の事件が世間を騒がせ、欧州や米国カリフォルニアなどで個人のプライバシーを保護する法律が施行されるなど、ここ数年の間に個人情報に関する規制強化が進められています。

こうした動きを加速している要素の一つとして、「SSI(Self Sovereign Identity:自己主権型アイデンティティ)」と呼ばれる社会的ムーブメントの存在があります。これは、管理主体に依存することなく個人がパーソナルデータの管理・保管を行い、あらゆる決定権を持つべきであるとする考え方です。

SSIの考え方に基づき、新たな技術アプローチがあらゆる分野で模索されている中で、世界的なプライバシー意識の高まりを背景に、分散型SNSへの注目が再び集まっていると言えるでしょう。ユーザーが自身の趣味嗜好や所属するコミュニティに応じて自由に選択できる分散型SNSの需要は、今後もさらに拡大していくと予想されます。

▼「SSI(自己主権型アイデンティティ)」について詳しくは、こちらの記事もご参照ください
個人がIDを管理する時代。「DIDs(分散型識別子)」とは?VCやSSIとの関連性まで – SELECK(セレック)

分散型SNSのメリットとデメリット

ここからは「分散型SNS」のメリットとデメリットについて解説していきます。

1)メリット

①非中央集権的で自由なエコシステム

分散型SNSは中央集権的なサーバーを持たないため、ユーザーが自らサーバーを立て、独自のルールに基づきコミュニティを運営できる自由さがあります。そのため、ユーザーの言論の自由が守られるとする見解もあります。

さらに、分散型SNSの多くはオープンソースで開発されているため、サードパーティーによる開発も許容されています。そのため、ユーザー側から機能の追加や改善を行うことができ、コミュニティ全体でサービスを最適化していくことができます。

②相互運用性

分散型SNSは複数のサーバーがプロトコルで連結されている形のため、使用されているプロトコルが同じ場合は、異なるアプリケーション間でもフォロワーや投稿内容といったデータの共有・移行が可能です。

つまり、もし仮にアプリケーション上でBANされたとしても、他のプラットフォームへデータを移行できるメリットがあります。また、オンチェーン上での活動や行動履歴は継続して利用可能なため、アカウントの凍結によるコンテンツの喪失といったリスクも低減します。

ただし、すべての分散型SNSが相互運用性を担保しているわけではなく、一部ではサーバーの消失と共にユーザーのデータが消えてしまうため、各アプリケーションの特性を踏まえた上で利用することをおすすめします。

③投稿の収益化

ブロックチェーン技術を活用した分散型SNSであれば、コンテンツのエンゲージメントに応じて独自の暗号資産を獲得できる仕組みが存在していることもあります。

例えば、「Steem」のプロトコルをベースとした「Steemit」や「DTube」は、コンテンツに対して暗号資産を送ることができます。このようなサービスが増えれば、個人が自身のスキルを活用して、情報発信やアクションから報酬を受け取る「クリエイターエコノミー」の動きがさらに勢いを増してくるかもしれませんね。

▼Web3.0とクリエイターエコノミーの親和性について、詳しくは以下の記事をご参照ください
【前編】Web3.0時代の「クリエイターエコノミー」はどう変わる?NFTやメタバースの活用法まで – SELECK(セレック)

2)デメリット

①ユーザーリテラシーの要求

分散型SNSはユーザー側で環境を整えられる自由度にメリットがある一方で、技術に関して明るくないユーザーにとっては障壁となる可能性があります。そうした中、使いやすいUI/UXを提供するプラットフォームも増えてきており、利用者にとっての敷居は徐々に低くなっていると言えるでしょう。

②手数料

一部の分散型SNSでは、アカウントの登録時やコンテンツの閲覧・投稿の際にトークンの購入を求められ、その場合はブロックチェーン技術の利用に伴う手数料が発生するケースもあります。

しかし、例えば「Farcaster」のように、手数料や処理速度を考慮して、ユーザーが投稿するメッセージなどのデータはオフチェーン上に保存する仕組みを構築しているプロトコルも存在します。

③不適切なコンテンツの流通リスク

明確な管理者が存在しないことで、スパムや誹謗中傷などの不適切なコンテンツが流通するリスクがあります。そのため、ユーザー同士で相互に管理し、ガイドラインの策定などを通じて、不適切なコンテンツの流通を最小限に抑える取り組みが求められます。

以上、お伝えしてきたメリット・デメリットを踏まえると、ユーザー目線としては、利用を検討する分散型SNSがどのプロトコルと紐づいているかが、選択の際の重要なポイントとなるでしょう。選び方の参考にしていただければ幸いです。

分散型SNSの相互運用性を可能にする「プロトコル」とは?

先ほどのメリットの部分でも触れましたが、分散型SNSの大きな特徴はやはり「相互運用性」にあります

この相互運用性を実現する技術の一つが「プロトコル(Protocol)」です。プロトコルの直訳は「約束事」ですが、IT業界では「コンピュータネットワークの通信の際に取り決められている共通ルール」を指します。

【補足】正確には、すべての分散型SNSが相互運用性を持つわけではありません。また、分散型SNSの相互運用性が実現されている背景として、共通するプロトコルの他、データのポータビリティ性を担保する技術、オンライン上のアイデンティティを形成するDIDs、異なるプロトコルやブロックチェーンを繋ぐ「ブリッジ」など様々な技術が存在していますが、今回はプロトコルに焦点を当ててお伝えしています。

一般的なプロトコルの例としては「IP」「HTTP」「SMTP」などが挙げられ、それぞれの「P」は「Protocol」の頭文字を示しており、インターネットを利用されている方であればよく見かけるワードではないでしょうか。

プロトコルが重要である理由は、異なる仕様をもつデバイス同士が、同じネットワーク上で効率的に通信できる環境を構築している点にあります。反対に言えば、プロトコルがなければ異なるデバイス間での通信は不可能であり、この仕組みが現代の情報社会を大きく支えていると言っても過言ではないでしょう。

▼プロトコルについて詳しくは、こちらの記事もご覧ください
ブロックチェーンにおける「プロトコル」とは? 概要から具体例まで徹底解説 – SELECK(セレック)

このプロトコルの仕組みを活用して、異なるアプリケーション間での相互運用性を実現したSNSが「分散型SNS」です。

簡単に分散型SNSの仕組みをお伝えすると、分散型SNSを開発するためのプロトコルが多数存在しており、各プロトコル上に、ユーザーが作成した複数のサーバーが存在しています。これらのサーバーがプロトコルによって連結され、データが共有できるような仕組みです。

このように、技術や仕組みを用いて互いに繋がり合うサーバー同士のネットワークのこと、つまり分散型SNSの集合体を「Fediverse(フェディバース)」と言います。

Fediverseは「federation (連合)」と「universe (宇宙)」を組み合わせた造語で、中央集権的な性質を持たない分散型SNSでは、ユーザー同士で自由に小規模なソーシャルの輪を形成できる特性を表しています。

分散型SNSに利用されているプロトコルの具体例7つ

ここからは、分散型SNSの開発に用いられているプロトコルの具体例をご紹介します。アプリケーションの利用や開発を考えている方はぜひ参考にしてください。

1)AT Protocol(エーティー・プロトコル)

AT Protocol」は、Xを創業した一人であるJack Dorsey氏により立ち上げられた「Bluesky」のチームが開発しているプロトコルです。次世代のTwitterと言われているBlueskyも、AT Protocolを用いて開発されています。

AT Protocolの目的は、異なるアプリケーション間の連携や、ソーシャルグラフなどのデータを失うことなくアカウントを別のSNSに移動できる環境を実現することで、現在もその開発が続けられています。

2)ActivityPub(アクティビティ・パブ)

ActivityPub」も分散型SNSプロトコルの一つで、Web技術の国際標準化を推進する非営利団体W3Cによって、インターネットの標準規格として採択されています。

このプロトコルが使用されている分散型SNSとしては、「Mastodon」や動画共有プラットフォームの「PeerTube」が挙げられ、アプリケーション間での相互運用性が担保されているため、「PeerTube」にある動画の閲覧やコメントを「Mastodon」から行うことが可能です。

ブログサービスの「Tumblr」やソーシャル雑誌「Flipboard」などのプラットフォームも将来的にActivityPubを採用すると表明しており、今後の動向が注目されるエコシステムです。

3)Nostr(ノストラ)

Nostr」はGithub上のコミュニティで開発が行われているプロトコルで、最近では、Twitter社元CEOのJack Dorsey氏が金銭的支援を行ったことで話題となりました。

Nostrはユーザー認証の方法に公開鍵暗号方式を用いている点が特徴として挙げられます。また、ビットコインコミュニティとの繋がりが深く、Nostrが採用されている「Damus」ではユーザー間でビットコインの最小単位である「satoshi」で投げ銭を行うことが可能です。

4)Lens Protocol(レンズ・プロトコル)

Lens Protocol」は、分散型の大手レンディングサービスAave(アーベ)の開発チームが運営している、ソーシャルグラフの提供を目的としたプロトコルです。Polygonチェーンを利用したプロトコルで、データの送信速度が速く、手数料が安いのが特徴です。また、ソーシャルグラフを形成できるため分散型SNSと相性が良く、現在進行形で多くのプロジェクトが構築されています。

Lens Protocolでは、プロフィールを作成すると自動でNFTが発行され、そのNFTにソーシャルグラフやコンテンツなどのデータが紐付けられます。それらのデータは、Lens Protocolを利用して作成された複数のアプリケーションを跨いで利用することが可能です。

また大きな特徴として挙げられるのが、Lens Protocolでは他者をフォローした際にもNFTが発行され、誰と繋がっているかの相関関係を表すことができたり、ガバナンスの投票にも活用できるといった機能があります。

5)CyberConnect(サイバー・コネクト)

Cyber Connect」は、分散型ソーシャルグラフを提供しているプロトコルです。ソーシャルグラフとは「Web上の人と人との相関関係」のことで、ユーザーは自身のソーシャルグラフやコンテンツなどのデータを保有し、様々な人と繋がれるエコシステムを形成しています。

またCyber Connectは、Web3版LinktreeやLinedInと言われている「Link3」というアプリケーションレイヤーのサービスも提供しています。Link3は、オンチェーン上での取引履歴や所有しているNFTなどを可視化でき、さらにはYouTubeやX上での活動を一元化して表示することも可能で、自分専用のリンクとして他のSNS 等でシェアできるのが特徴です。

6)Farcaster(ファーキャスター)

Farcaster」は、元Coinbaseの副社長であるDan Romero氏が立ち上げたプロトコルで、ユーザーが保有するNFTを閲覧できたり、それをベースに交流することが可能です。

すでにFarcasterを通じてさまざまなアプリケーションが開発されており、Mirrorのような分散型ブログやサービスとAPI連携してコンテンツを共有していくことで、Farcaster独自のエコシステムが広がっていく可能性を秘めています

現在、Farcasterのアカウントを発行したい場合は、Romero氏から直接招待コードをもらうというアナログな手法をとっており、クリプトネイティブなユーザーを中心に利用者数を徐々に増やしています。

7)RELATION(リレーション)

RELATION」は、分散型ソーシャルグラフを通じた交流ができる世界を目指すプロトコルです。シンガポール発のプロジェクトで、Web3版Facebookとも呼ばれています。

XやDiscord、GitHub、Telegramといったサービスのほか、分散型ウォレットとも接続可能です。さらに、ユーザーの保有するNFTやトークンによって、AIが共通点のあるアカウントをレコメンドしてくれる点も特徴です。

また、RELATION上での活動に応じてメダルが付与される仕組みも実装されています。Discordのイベントに参加する、誰かとチャットするなどの活動に対してポイントが付与されるため、RELATION内での貢献度を蓄積していけば、オンチェーン上で信用データを貯めることができます。

▼RELATION社が登壇したイベントのレポートも公開しています。ぜひ一緒にご覧ください。
Avalanche × Legitimate × Relation「To find the NEXT」【Web3イベントレポート】 – SELECK(セレック)

【厳選9つ】今話題のThreadsやBlueskyも!「分散型SNS」総まとめ

最後におすすめの「分散型SNS」を9つ紹介します。これから始めようと考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1)Bluesky(ブルースカイ)

Bluesky」は、Twitterを創業したJack Dorsey氏が2023年4月に立ち上げた分散型SNSで、AT Protocolを基盤として開発されています。元々、2021年頃にTwitterから独立したプロジェクトとして開発されてきた背景があり、Twitterに非常によく似たUIで設計されています。

AT Protocolを利用することで、Blueskyは他の分散型SNSには見られないユニークな特徴をいくつか兼ね備えています。具体的には、まず、タイムラインに表示させるコンテンツをユーザーが自由にカスタマイズできる点が挙げられます。加えて、不要な広告を排除したり、自分がフォローしている人の投稿だけを見るような設定を行うことも可能です。

開設当初は既存ユーザーから招待コードをもらわないと参加できない仕様になっていましたが、2024年2月6日(米国時間)に招待制が終了され、誰でも参加できるようになりました。

2)Mastodon(マストドン)

Mastodon」は2016年に公開された分散型のオープンソースプラットフォームです。ActivityPubのプロトコルを採用しています。

テキスト、画像や動画などの投稿が可能で、文字数の上限は500文字です。Mastodonでの投稿は「トゥート」と呼ばれ、リツイートは「ブースト」と呼ばれるなど、独特な呼び名が付けられていてユニークなカルチャーが形成されているのが特徴です。

そして、MastodonはDiscordのように複数のサーバーによって管理されている点も特徴で、2023年7月時点で8,941個のサーバーが運用されています。利用を開始する際には、興味があるサーバーを選択してユーザー登録を行います。一つのサーバーでアカウントを作成すれば、基本的に同じアカウントで他のサーバーの投稿も閲覧可能です。

3)Damus(ダムス)

Damus」は、2023年2月に提供を開始された分散型SNSです。プロトコルはNostrを採用しています。

Damusもテキストコンテンツの投稿や閲覧、フォローやいいね、コメント、リツイート、ダイレクトメッセージなどの基本的な機能はすべて備わっています。そして、Damusのユニークな点として挙げられるのがBTC(ビットコイン)での投げ銭機能です。

この機能をもとに人気を博していたDamusですが、Appleがガイドラインに準拠するアップデートを要求した結果、現在は投稿への投げ銭ボタンは削除され、プロフィール上での投げ銭のみが許可された形で運用されています。

4)Threads(スレッズ)

Threads」は、2023年7月にMeta社が発表した新たなソーシャルメディア・プラットフォームです。Threadsも近日中にはActivityPubに対応する予定とされています。

ThreadsもXと似た機能が備わっていますが、最大500文字まで投稿できたり、写真も一度に10枚まで投稿可能、動画も最長5分のものを投稿できるといった特徴を持ちます。その一方で、タイムラインが一つしかなかったり、キーワードやツイートの検索、下書きや予約投稿のような機能は現段階では利用できません。

そのシンプルさにより友人と深く繋がりやすいといったポジティブな意見も多く、今後のアップデートが楽しみなSNSの一つです。

▼こちらの記事ではThreadsについて詳しく解説しておりますので、ぜひ一緒にご覧ください
今話題の「Threads(スレッズ)」の使い方を徹底解説!BlueskyやMastodonもご紹介 – SELECK(セレック)

5)Phaver(フェーバー)

「Phaver」はLens Protocol上に構築されている分散型SNSで、イーサリアム共同創業者のVitalik Buterin氏が利用し始めたことで話題となりました。Xと同じような機能に加え、Phaverは大きく二つのユニークな点を持ちます。

一つ目は、SBT(SoulBound Token:譲渡不可能なNFT)の配布です。目的としてはボットや偽アカウントの排除とのことで、XとDiscordのアカウント情報を提出した希望者に対して配布され、本人確認の手段として利用されます。このSBTをプロフィールアイコンに設定すれば、投稿履歴やフォロワー数、ミラー数、ステーキング数などの情報をNFTに保存しておくことも可能です。

二つ目は、「ステーキング」機能です。新規ユーザーの招待や、他のユーザーから投稿に対してステーキング(投票)された際などに、ポイントを獲得できる仕組みです。ポイントの取得にあたっては、暗号資産や専用のウォレットなどを用意する必要はなく、アカウントさえあれば受け取りが可能です。

6)Distrikt(ディストリクト)

「Distrikt」はブロックチェーン技術を用いて構築されている分散型SNSですが、ガス代がかからず無料で利用できます。

具体的な特徴としては、投稿した内容はオンチェーン上に記録され資産になる点や、広告が表示されない点、アカウント登録時にメールアドレスや誕生日などの個人情報の入力が不要である点が挙げられます。

さらに、Distriktには「DKT」というトークンが存在しています。これは投稿やコメント、いいねなどのアクションを通じてエコシステムに貢献することにより獲得できます。他にも、定期的に実施されるエアドロップやステーキングなどによりトークンを取得することが可能です。

7)Misskey(ミスキー)

Misskey」は、ActivityPubを採用した分散型SNSです。「Mastodon」などと同じインスタンスのため、アプリケーションの壁を越えてコミュニケーションを行うことが可能です。

Misskeyの大きな特徴は、投稿できる文字数が3,000字と制限がゆるく設定されている点が挙げられます。さらに、文章の投稿以外にもアンケート作成やファイル添付、絵文字でのリアクションが可能です。

また、アプリケーションを自由に設定できる多彩な機能が備わっているので、カスタマイズが好きな人は特にMisskeyならではの楽しみを味わえるでしょう。

8)Mirror(ミラー)

Mirror」は、2020年に登場した分散型のブログプラットフォームです。ライターは自身の記事をNFT化して競売にかけることができ、ファンがそれを購入すると、その利益がライターに還元されるという仕組みが構築されています。

この仕組みにより、金銭的なメリットが発生するだけではなく、記事コンテンツがブロックチェーン上に記録されることで、コピーや複製を防ぐこともできます。

さらに2022年7月からは、記事を販売できるだけでなくクリエイターに直接課金するサブスクリプション機能も導入され、ウォレットベースでのコミュニティ形成が可能です。

9)ALIS(アリス)

ALIS」は、日本初のブロックチェーン技術を採用した分散型SNSです。

ALISでは、フェイクニュースや誤情報の拡散を防ぐために、良質な記事を投稿して多くのいいねをもらった人や、そのような記事にいち早くいいねした人に対して「ALISトークン」が配布される仕組みが構築されています。このトークンはALIS内の通貨として、有料記事の購入や投げ銭に利用できます。

この仕組みにより、情報提供者の信頼性が可視化され、信頼できる記事やユーザーを簡単に見つけることができるのも特徴です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は分散型SNSの基礎知識から、相互運用性を可能にするプロトコルとその具体例、おすすめの分散型SNSまで幅広くお伝えしてきました。

従来の中央集権型のSNSと比較すると、分散型SNSは利用者数が未だ少なく、十分に認知されていないのが現状ですが、直近話題となったMeta社のSNS「Threads」も将来的に相互運用性を実現するとの声明を発表しており、分散型SNSがより身近になる日も近いかもしれませんね。(了)

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