- コラボレーター
- SELECK編集部
- 舟迫 鈴
世界4億人が使う「LinkedIn」とは?使い方と企業の活用事例を日本語で解説【第1回】
世界最大級のビジネスSNS「LinkedIn(リンクトイン)」。2016年6月13日、MicrosoftがLinkedInを262億ドル(約2兆7770万円)買収することで合意した、と発表しました。
そんなLinkedInは、世界で4億人が使う、採用やネットワーク構築に活かせるビジネスSNSです。しかしまだまだ日本では「ハードルが高い」と思われている方も多いかもしれません。
しかしこのLinkedIn、きちんと使えばとっても役に立つと思います!
日本語にも対応していますし、要はSNSなので、難しいサービスでもありません。要はFacebookのビジネス版のようなものです。うまく使いこなせれば、色々なメリットがあります。
▼私自身の、LinkedInのプロフィール画面です(写真はちょっと、ダメなやつ)。
具体的にどんなことに使えるのかというと、
①ユーザーとして個人目線で見ると:
【自分のビジネスパーソンとしての価値を可視化】
- 履歴書・レジュメ代わり。ビジネスのための「自己紹介ツール」
- ビジネスに特化した、自分のつながり(要はコネ)を整理できる
- 仕事に役立つ、リアルな情報を日々収集できる
②企業として、採用目線で見ると:
【転職潜在層にアプローチ・ブランディングができる】
- 採用したい人材を自分たちで検索し、直接アプローチできる(いわゆるダイレクトソーシング・ダイレクトリクルーティング)
- 自社ページの拡充により、ブランディングの活動ができる
- 世界中の人材にリーチする、定期的な情報発信を行う場所を持てる
今回はこのような「LinkedIn」について、連載形式で解説していきます。まずこの第1回では、サービスの概要や基本的な使い方、そして日本の企業における活用事例を紹介したいと思います。
▼実は色々な機能がある、「LinkedIn」
▼このシリーズの記事一覧
LinkedInはどんなサービスなのか?
LinkedInは、「世界ではもう当たり前に使われている」サービスだと思います。ハッキリ言って、日本は相当乗り遅れています!(焦)
サービスを開始したのは、2003年5月のことです。私自身が初めてLinkedInを使ったのは、たしか2007年〜2008年です。当時はアメリカの外資系金融に務めていたので、そこではLinkedInのアカウントを持っていることは、「ふつう」でした。
ただ正直、当時は「ヘッドハンターに発掘されるため」だけに登録していて、全然使いこなせていませんでした…。けれどここ半年くらいで、また使うようになったんです。
その理由としては、大きく4点あります。
- 体感値で、「日本でも使われるようになってきたな」と思ったこと
- 自分のキャリアサマリをしっかりとまとめておける場所がほしかったこと
- 過去のビジネス的なつながりをキープしておきたかったこと
- 可能であれば取材先を見つけたかったこと(SELECKの編集長をしています)
です。このあたりが実現できたかどうか(特に最後)については、おいおい書くとして…。
LinkedInは「ビジネスSNS」ではありますが、その大きな利用目的のひとつには「採用」があります。
そして採用領域におけるLinkedInは、「ダイレクトリクルーティング(ソーシング)」のソリューションでです。要するに、企業と個人が直接つながるためのプラットフォームだということですね。
そもそもダイレクトリクルーティングって何? という方は、LinkedIn日本法人で代表代行を務める、杉本 隆一郎さんのインタビュー記事をお読みください。
「ダイレクトリクルーティング」とは何か?日本の採用も、企業と個人が繋がる時代
一部抜粋すると、
ダイレクトソーシングはつまり、採用候補者を応募に至らしめるまでのプロセスを、自分たちで積極的に進めましょうということです。リクルーティングは採用活動の全般を指すので、選考プロセスに乗った後のフローを含めて全工程まとめた言葉です。
昔は、そもそも自分たちの会社以外の場所にどんな人材が何人いるか、ということを見る方法がありませんでした。(しかし)誰が今どこで働いていて、その人はどういう経歴を持っているのか、そういった情報に皆がアクセスできれば話が早い。
それがLinkedInが提供しているタレントソリューションズというサービスになります。こういったWebサービスを活用することで、企業の採用担当者が人材マーケットに直接アクセスできるようになり、ダイレクトソーシングが広まっていきました。
LinkedInで個人と個人、個人と企業のつながりをつくることで、従来にはなかったような採用や転職が可能になったということですね。
【ユーザー向け】LinkedInで、何ができるの?
さて、ここからはLinkedInのユーザーができることを、簡単に説明していきます。各機能の深掘りも追って別の記事で紹介しますが、まずはざっと、何ができるのか!
①ビジネスに特化した、自己紹介ツールとして活用できる
LinkedInのプロフィールは、仕事の経験やスキルを記載する、ビジネスに特化したフォーマットになっています。
ここに過去の経歴などを記入するだけで、自分の「レジュメ」のように活用することができます。
▼「キャリアサマリ」に自分のビジネスプロフィールを掲載
②自分が持つビジネス上のつながり=コネクションを可視化できる
仕事をしていると、「つながり」はどんどん増えていきます。例えばそれはFacebookでも管理できますが、プライベートの知人・友人と混ざってしまうことが難点です。
その点LinkedInを使うと、ビジネスに特化したつながりだけを「コンタクト」として登録できます。
会社の同僚や上司、仕事仲間、取引先、ビジネスパートナーなどなど…大切なつながりをしっかりと維持していくのに、役に立つんですね。
▼自分が「今持っているビジネス上のつながり」を可視化
▼「もしかして知り合いかも?」という視点からも、コンタクトを検索可能
③もちろん転職にも使えます
LinkedIn上では、企業が「スカウト」によって候補者に直接アプローチするだけではなく、ユーザーが自ら求人に応募することも可能です。
▼「おすすめの求人」も紹介されます。
また、自分のプロフィールを閲覧した人もわかるので、気になる企業の人にもし閲覧されていれば、こちらからコンタクトを取ることもできますね。
④タイムラインを使えば、最新トレンドや情報の収集にも役立つ
LinkedInには「タイムライン」の機能があり、そこではつながっている人に関する情報のアップデートや、アクションが確認できます。
インフルエンサーや企業、話題のワードを「フォロー」することもできるので、いつでもビジネスに関する最新のトレンドをチェックすることが可能です。
▼「タイムライン」上に様々な情報がリアルタイムで流れる
【企業向け】LinkedInで、何ができるの?
それでは「企業」は、LinkedInをどのように活用できるのでしょうか? 大まかに言うと2点で、ひとつは採用、もうひとつはコーポレートブランディングです。
①LinkedInの登録者を自ら検索し、アプローチできる
LinkedIn上では、自社が求める要件にあった人材を、企業が自ら検索できます。そして「InMail」という機能を使えば、個別にスカウトメッセージを打つことも可能です。
▼私に来たやつです(笑)。
求人を掲載することもできますし、登録者と求人情報を自動でマッチングするサービスもあります。
②「会社ページ」を使うことで、自社ブランディングを実行できる
LinkedIn上では、企業や団体が自分たちのページを持つことができます。そしてその「フォロワー」を増やすことで、自社の活動を転職の潜在層にアピールすることが可能です。
▼まだまだ発展途上ですが、弊社リレーションズの会社ページです
LinkedInの、企業における活用事例を紹介します。
このようなLinkedInですが、日本でも徐々にその導入が広まっています。SELECKでは過去に、株式会社メルカリの活用事例を取材しました。
LinkedInをどう使う? 世界に通用する人材に出会う、メルカリの採用戦略
LinkedInにはプロジェクト(職種)毎に気になる方をプールしておける機能があるので、データベース的にも活用しています。LinkedInで直接検索してプールする場合もありますし、他の媒体や、記事・その他の登壇者等を拝見し「いいな」と思った方のお名前をLinkedInで再検索することもあります。
プールさせて頂いた方に対して、社内のメンバーにレビューを依頼(Ask for review)できます。我々のチームで例を挙げると、上長である小泉に「Please review」と送ることができます。
本来であればLinkedInはプロフィールページにアクセスしたことが分かるように設計されていますが、ライセンスを契約することによりレビューに関してはそれが全くわからないようにも設定可能です。
当時のメルカリが抱えていた課題などを掘り下げた記事はこちらです。
他にも、ダイレクトリクルーティングで成果を上げている企業を紹介しています。
今後もLinkedInの機能を細かく解説すつ、連載を続けていきます!
今回は以上になりますが、今後は、【ユーザー向け】【企業向け】それぞれの目線で、機能ひとつひとつをどんどん深掘りしていきます。
【ユーザー向け】
- プロフィールの作り方、つながりの広げ方
- 求人の探し方、アプローチの方法
- タイムラインの活用術
【採用担当者向け】
- LinkedInを使うことの強み
- どうやって候補者を見つけるのか?
- 会社ページの作り方・コツ
上記のような内容を予定しています。今後もぜひ、お楽しみに!
▼このシリーズの記事一覧