【保存版】Googleも採用する目標管理「OKR」を徹底解説!導入事例や運用ツールも紹介

GoogleやIntelといった名だたる企業が導入し、書籍化もされたことで爆発的に広まった、「OKR」という目標管理のフレームワークを知っていますか?

今回は、OKRって何?という初心者向けの解説から、その運用のコツ企業における具体的な導入事例、さらにOKR向けのツールまでを、まとめてお届けします。

マネジメントや経営管理に課題をお持ちの方は、ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか?

<目次>

  • 【OKRとは?】OKRの仕組みや考え方を理解しよう
  • 【OKRのメリットとは?】「MBO」との違いを知ろう
  • 【OKRの運用事例】国内企業の事例を参考に、OKRの運用方法を知ろう
  • 【OKR運用に役立つ海外ツール5選】効率的にOKRを管理しよう
  • 【SELECKからの特典】「OKRパーフェクトガイドブック」

【OKRとは?】OKRの仕組みや考え方を理解しよう

OKRとは、「Objectives and Key Results」の略語です。直訳するのであれば、「目標と、そのカギとなる成果指標の集まり」という感じでしょうか。

OKRでは、まず目標(Objectives)を決め、その達成のために必要な要素を3〜4の成果指標(Key Results)に分解し、進捗をトラッキングします。

実際に企業がOKRを運用する場合には、まず、会社としての「O」と「KR」をそれぞれ設定します。

会社としての目標は、例えば「売上XXXX円を達成する」「年内にXXX店舗の展開を目指す」といったものです。

そして、その目標に対してインパクトを持つ成果指標を、KRに置きます。

次に、会社のOKRに対して、各チームと個人のOKRを同様に決定します。

すると、最終的にはこのような構造になり、会社のOKRから個人のOKRまでが紐づくようになります。

この、「会社の目標と個人の目標がリンクする」ということが、OKRの最大の特徴です。

実際に、創業時からOKRで目標管理を行っている株式会社フリークアウトの佐藤 裕介さんは、OKRを採用した理由をこう語っています。

OKRの良いところは、全社で実施すると、自分の目標が会社の目標につながっていることがわかることです。

自分の立場やポジショニングがはっきり見えるので、ピン立てしていくことと相性が良いと思っています。全社目標を達成するために必要な戦略は、部門ごと、人ごとに分解できるはずですよね。

記事はこちら: 「悪人の集団」から「誰もが頼られる組織」へ。フリークアウトのマネジメント体制とは

OKRのスコアリングは、0.0〜1.0で記載されます。各Oに関して、従属するKRのスコア(達成度)の平均値が、そのOKRのスコアになります。

OKRの概要がわかったところで、もう少し細かくOKRについて解説していきます。

【OKRのメリットとは?】「MBO」との違いを知ろう

そもそも、OKRを導入するメリットとは何でしょうか?

  • 企業のビジョンに沿った目標を、常に従業員に示すことができる
  • 従業員が「何を期待されているか」がわかりやすく、納得度が上がりやすい
  • 目標に対する進捗を定期的に振り返るため、進捗管理の役割も果たす
  • 常に重要なゴールを意識でき、インパクトの小さい目標に惑わされない

世の中には、様々な目標設定・目標管理のフレームワークがあります。「KPI・KGI」をお使いの企業も多いでしょうし、「SMART」と呼ばれる、目標設定に不可欠な5つの要素を言語化したものも有名ですね。

その中でも、OKRと比較されることが多いのが、1970年台〜主流であった「MBO(Management By Objectives)」です。

MBOは、個別またはグルーブごとに目標を設定し、それに対する達成度合いで評価を決めるという仕組みです。

元々は、上司が部下をマネジメントするための方法として考えられたものですが、日本では評価手法として捉えられることが多いですね。

OKRとMBOの違いを大きくまとめると、下記の3点に集約できるかと思います。

①目標の位置付け

MBO:目標は個人単位で設定されることが多く、またそれが評価に直結するため、人事情報としてクローズに扱われます。

OKR:会社・チーム(部署)・個人の目標がつながっているため、すべての目標がオープンになっている状態が自然です。

②レビュー(振り返り)の位置付け

MBO:通常、評価のタイミングに合わせてレビューを行なうため、その頻度は半年〜1年に1回となります。そして、あくまでも個人のパフォーマンスに基づいたレビューがなされます。

OKR:目標自体は四半期〜半期で設定することが多いのですが、高頻度のレビューが推奨されているため、週次でKRの進捗を追う場合も珍しくありません。また、達成度をスコアリングするため、KRの計測は常に定量的に行われます。

③期待される成果

MBO:設定した目標に対しては100%の達成が求められます。もし100%に満たない場合は、評価が下がります。

OKR:目標に対しての達成度は、60〜70%が望ましいとされています。つまり、それだけ野心的な目標を掲げることが大切とされているのです。

このように、MBOと比較して見ると、OKRの特徴がわかりやすいかと思います。

実際にMBOからOKRに目標管理の方法を切り替えたのが、Sansan株式会社です。同社の塩見 賢治さんは、その背景をこう語っています。

MBOでは、営業現場は良くても、なかなかエンジニアの理解を得ることが難しかったんです。

「何を求められているのかわからない」「プロダクトの方向性は?」「これをやっている意味は何なのか」と言った声が上がってくるようになり、コミュニケーションの難しさをすごく感じていました。

その点、OKRを使うことで、「会社の方針はこれ、それを受けた部署の方針はこれ。その中で評価していくから、この範囲の中で各自がオリジナリティを出そう」といった形で明確にできるんですね。

そうすると、やっぱりみんな仕事に対して「やる意義」を感じられるようになると思います。

記事はこちら:自ら「働き方の革新」に挑むのがSansan流。OKRによる目標管理や社内SNS運用を紹介

このように、従来の目標管理の手法をOKRに切り替えたことで、メリットを感じる企業も増えてきています。

OKRの利点がわかったところで、次に、OKRを具体的にどう設定・運用するのかを見ていきましょう。

【OKRの設定】国内企業の事例を参考に、OKRの運用方法を知ろう

前提として、OKRにおけるOとKRの設定のポイントは下記の通りです。

O(目標)を設定する上でのポイント

  • 定量的である必要はなく、定性的な目標でも可
  • 「野心的な」目標を設定すること
  • 自分では「直接的に」コントロールができないもの
  • 会社の目標や、他のチーム目標などと整合性がとれている
  • 1チーム(or 個人)設定数の目安:3〜5個

KR(成果指標)を設定する上でのポイント

  • 定量的(納期、指標などの数値が入っている)でなければならない
  • 自分でコントロール可能なものを選ぶ
  • ただし、「普通にできる」ことはNG(それはTo Do)
  • やや達成困難で、眺めていたら不安になる数値を設定すること
  • 1つのOに対して、3〜4のKRを設定する

上記が、基本的な原則です。ここから各社が、自社の状態に応じたアレンジを加えて、運用していくことが多くなります。

今回は、株式会社ココナラにおける事例を見ていきます。同社の特徴は、完全にトップダウンでOKRが決定されていることです。

その理由を、同社CEOの南 章行さんはこう語ります。

今の規模感のうちに、全社と個人の目標を連動させ、その結果を定量的に評価するために、OKRを導入することにしました。

(中略)弊社では、(OKRを)全て経営陣によるトップダウンで決定しています。

全社目標を達成するために必要な戦略は、部門ごと、人ごとに分解できるはずですよね。

それをOKRで設定して、メンバー全員が達成したら、全社目標も自然と達成されるという筋道を立てることは、経営陣の責任だと思うんです。

記事はこちら: 優秀な人が失敗するのは、目標が曖昧だから。敢えてトップダウンでOKRを運用する理由

ココナラにおける実際のOKRの設定は、下記のようなプロセスとなっています。

①期初に経営陣で、全社戦略における目標を決定する。

②毎四半期ごとに、それをチームごとの目標に落とす。

③チームの目標を決めたら、マネージャーがチームメンバーの目標を、1人あたり2〜4つ程度決める。

④さらに、決定した個人のKRを、達成度によって1点〜5点で評価に分解する。

▼実際のOKRと、評点付けのイメージ

特徴的なのは、④の部分ですね。同社では、「何をどこまでやったら、どれくらい評価される」というラインをきわめて明確に言語化することで、人事評価における社員の納得感を醸成しています。

このように、会社の状態や特性に合わせたOKRの運用をすると良いのではないでしょうか。

【OKR運用に役立つ海外ツール5選】効率的にOKRを管理しよう!

最後に、OKRを運用するにあたり、役に立つ海外ツールを紹介します。

最近は日本製のツールも増えてきましたが、やはりOKRは海外の方がメジャーなので、その思想を学ぶ上では海外ツールを使ってみるのも一案かと思います。

すべて無料トライアルもできるので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

※正確な価格情報などは、各ツールの運営会社にお問い合わせください。

BetterWorks

  • OKR管理ツールの中では老舗で、知名度も高め
  • ミディアム〜ラージサイズの企業向け
  • 導入企業の例:Sony Music、BMW
  • SalesforceやZendesk等ともスムーズに連携可
  • ユーザーひとりあたりの月額は、$12〜18

Weekdone

  • 3人まで無料で使えるため、トライアル向き
  • その後は人数の幅に応じて価格が変動する
  • 週次のプランニング+レポーティングツールと、四半期のOKR管理ツールの組み合わせ

Perdoo

  • かなりシンプルなOKR管理プラットフォームで、入門にオススメ
  • スモール〜ミディアムサイズの企業向け
  • 導入企業の例:AirBnB

Wistant

  • 日本語、月額980円〜(導入支援あり)
  • OKRやMBOなど、様々な形式の目標を柔軟に運用できる。
  • スモール〜1,000人くらいまでの規模感の企業にオススメ
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