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【2020年人気記事10選】人事施策からDX事例まで。今年も役立つ事例をご紹介!
あけましておめでとうございます。SELECK編集部の吉井です。
本年も、SELECK編集部一同、読者の皆様に役立つ情報をますます発信できたらと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!
さて今回は、2021年1本目の記事として、2020年に配信したインタビュー記事のうち、特に反響のあった記事10選をご紹介させていただきます。
2021年もすぐに使える現場のノウハウが詰まっていますので、ぜひ最後までご覧いただけますと幸いです。
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【2020年に反響の大きかった記事10選】
- 採用費「ゼロ」でも勝ち筋はある。ベイジが年間120名の自然応募を獲得した方法
- 5年で売上25倍!後発から逆転したラクスル「マーケティングの4つの掛け算」とは
- 目標制度は「永遠のβ版」。OKRを廃止したミラティブ独自の目標管理の全貌
- オンボーディングに「奇策」なし。仕組みとハートを両立するアカツキの取り組み
- 月次30%成長からコロナ禍で売上3分の1に。半年でV字回復したタイミーの新戦略
- 正しい心理的安全性が組織の実行力を高める。リクルートのエンゲージメント経営
- レガシー産業からの脱却。老舗の看板屋が「5年で売上3倍」を実現した改革の全貌
- 資金調達ゼロ、開始1年でARR1億円。救急医療の市場に切り込むリーンな仮説検証
- バリューは浸透「させる」のではない。社員に愛され体現されるバリューの作り方
- 社内外から「愛される」ノベルティ制作の秘訣をSmartHRデザイナーに聞いてみた
1.ベイジ:Twitterで認知獲得。年120名の応募を集める採用
採用費「ゼロ」でも勝ち筋はある。ベイジが年間120名の自然応募を獲得した方法
▶︎情報発信を継続し、「第一想起」になる下地づくりを行う
オウンドメディアやSNSを活用した「インバウンドリクルーティング」を行う企業が増えています。
この記事では、創業初期からSNSやオウンドメディアなどを通じた情報発信に注力し、インバウンドリクルーティングによる採用を実現しているベイジ社の事例をご紹介。記事公開後、Twitterでも多くの方が「採用サイト」が参考になる!と話題になりました。
同社代表の枌谷 力さんと、同社のディレクターで人事を兼務する今西 毅寿さんに、詳しくお伺いしました。
枌谷 よく「小さな会社だと、予算も時間も限られるので人を採用するのが難しい」と聞いたりするのですが、工夫次第でいくらでもやりようがあると思うんですね。
ベイジのような20名規模の会社でも、年間100人以上が自然に応募するような状態を作ることができたのは、継続してきたことが大きいのかなと思っていて。採用したい時だけ「絶賛募集中です」とSNSに流しても、応募は来ないと思うんです。
デジタルのコミュニケーションは、もう少し豊かで多様で、自由度が高いものなので、日頃から自己開示をしてコミュニケーションを取り続けていくことが大事で。その中の誰かが「転職したいな」と思ったときに、一番に想起してもらえる状態を作ることが大切だと考えています。
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2.ラクスル:後発から大逆転!成果のでるテレビCM施策とは?
5年で売上25倍!後発から逆転したラクスルの「マーケティングの4つの掛け算」とは
▶︎的確なメディアミックスにより、売上高が7億から170億へと急成長
昨今、スタートアップ界隈においても、認知拡大や新規顧客のためにテレビCMの放映を実施する企業が増えています。とはいえ、テレビCMはなかなか効果検証しづらいもの。
この記事では、「リスティング広告で訴求ワードを絞り込む」「ローカルエリアでA/Bテストを実施する」など、データに基づいた具体的なテレビCM施策の磨き込みの方法をご紹介しています。
同社のCMOとして急成長期のマーケティング戦略を担った田部 正樹さんに、詳しくお話いただきました。
さらに、テレビCMを基本に、タクシーなどの交通広告・チラシ・新聞・ラジオ・DM・ポスティングといった、あらゆる媒体との掛け合わせで検証を行いました。
例えば、テレビCM単体で効果が出たら、同じCMの放映エリアで交通広告を打つ地域、チラシを打つ地域といったように細分化して、どの組み合わせが最適なのかを確認する形です。
普段、テレビやWebサイトを見ずにラジオや新聞などから情報を取得している方々もいるので、幅広く掛け合わせて検証することで効果を高めるようにしました。
私は、マーケティングは「4つの掛け算」だと思っていて。まずサービスやプロダクトがあり、そこに対して顧客に選ばれる理由を明確にし、最もそれが伝わるクリエイティブを見極めた上で最適なメディアを選択する。どこまで細部にこだわり、最適解を見つけることができるかが重要です。
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3.ミラティブ:OKRに代わって導入された「PKA」とは?
目標制度は「永遠のβ版」。OKRを廃止したミラティブが明かす、独自の目標管理の全貌
▶︎経営の最重要指標(Promises)を必達目標として定める「PKA」で目標達成
この記事では、ミラティブ社がOKRを廃止した理由や、OKRの要素を元に独自に設計した「PKA(Promises and Key Actions)」という目標管理手法、それを支える評価制度まで詳しくご紹介しています。
OKRは、基本的に達成率60〜70%が見込まれる「ムーンショット」を設定するのが基本ですが、PKAのP(Promise)は経営としての最重要指標を設定し、100%達成を目指すのだそう。さらに、KA(Key Action)はPの達成のための行動を指標にするのだといいます。
同社でCHRO(最高人事責任者)を務める鈴木 修さんに、詳しくお伺いしました。
ミラティブも、OKRを導入した頃は「必達でこの数値をクリアしなければならない」というより「ミッションの実現に向けて、全員で目線を合わせながらユーザーに受け入れられるプロダクトとは何かを模索し、まずはある一定水準までプロダクトを仕上げる」ということが大事なフェーズでした。その意味で、OKRはきちんと機能していたと思います。
ただ、僕がジョインしたタイミングでは、すでに向かうべき方向の目線も擦り合っているし、ある程度プロダクトの形も完成されていたと。次に必要なのは、創ったプロダクトの経済性を測るような目標を設計してPDCAを回すことであるのに、それができていませんでした。
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4.アカツキ:「ハートドリブン」なオンボーディングとは?
オンボーディングに「奇策」なし。仕組みとハートを両立させる、アカツキの取り組み
▶︎受け入れ計画の作成と情報共有の体制を強化し、中途メンバーを即戦力化
即戦力を期待されて入社した中途メンバー。しかし、期待値のかけ違いや文化への適合不足、現場のサポート不足などでなかなか立ち上げることができない…といった悩みはどの企業でも「あるある」なのではないでしょうか。
この記事では、トレーナー側の受け入れ計画の作成だけではなく、組織として情報連携を強化することによりオンボーディングを改善したアカツキ社の事例をご紹介しています。
同社で企画の職能GMを務める菅 隆一さんと、同じくオンボーディングを担当する磯原 浩二さんに、詳しくお伺いしました。
菅 オンボーディングがきちんとできなかった時のインパクトって、かなりのコストを投じて採用した人が、次々と辞めていくことなんですよね。
弊社では作品を作ることのできる人を「バッター」と呼んでいるのですが、優秀なバッターでも、新しい文化に適合するのに時間がかかるケースってあると思うんです。なので、バッターがしっかりと打席に立てるようになるまでは、自分たちが責任を持つべきだと思っています。
磯原 私も同感で、適材適所に人を配置することの重要性を感じましたね。
仮に期待していたように立ち上げられていなかったとしても、1人ひとりと向き合って、チームの課題と本人のWillと強みをすり合わせながら、配置やキャリアの方向性を調整する。そうして伴走していくのが、私たちの使命だと思っています。
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5.タイミー:コロナ禍以前の売上までV字回復!その全貌とは?
月次30%成長からコロナ禍で売上3分の1に。半年でV字回復したタイミーの新戦略とは
▶︎業績回復のカギを握った「カンパニー制」とは
この記事では、コロナ禍で売上が3分の1に激減した同社が、「カンパニー制」への組織体制の変更や、テレビCMのドミナント戦略などによって約半年ほどで売上を回復させたあらゆる施策をご紹介しています。
同社の代表取締役を務める小川さんと、執行役員 兼 事業部長の石橋 孝宜さんに、詳しくお伺いしました。
飲食業界では営業規模が縮小され、労働力は正社員でまかなえるようになりました。その影響で、「アルバイトのシフトの穴埋め」としてTimeeを使う必要性がなくなってしまったんです。実際に2月頃から売上がどんどん下がり始め、4月の売上はコロナ禍以前の3分の1まで激減していました。
それまで僕らは「飲食の会社」というマインドがすごく強かったのですが、もはや業界構造が変わってしまった。メンバーには、飲食業界に頼りすぎてはいけないという意味で「もう以前の状態には戻らないよ」と伝えました。
そして、事業を立て直すための戦略を練っていたところ、「物流」と「小売」の業界についてはコロナ禍でも売上が落ちていないということがわかって。
そこで今後は、物流・小売・飲食の各業界に特化したカンパニー制の組織を作り、専門知識を蓄えて一気に営業をしていくことを決めました。
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6.リクルート:従業員の個を生かし、組織のパフォーマンス向上
正しい「心理的安全性」が組織の実行力を高める。リクルートのエンゲージメント経営
▶︎「バリューズ(行動指針)」の体現をミッションとする「EXD部」とは?
従業員の満足度や、エンゲージメントを高めることを目的とした「Employee Experience(EX)」。GoogleやFacebookをはじめとする海外の企業でもその概念が取り入れられ、国内においてもますます注目度が高まってきています。
この記事では、組織の拡大によりメンバー間の価値観のギャップやカルチャーが薄まってきた危機感から立ち上げられた「Employee Experience Design部(EXD部)」の取り組みについてご紹介しています。
「EXD部」の部長を務める讃岐谷 真之さんと、同じ部署の城谷 奏子さんに、詳しくお伺いしました。
弊社でも、少し前までは仕事終わりに一緒に飲んだりすることで関係性の質を保っていましたし、世の中的にもそういう会社は多かったと思います。しかし今の時代は、変化を受け入れ、新しい世代や働き方に合わせて、本音で話せる関係性を築くための新たな仕組みが必要です。
一方で、「心理的安全性」という言葉が広まると、「何でも言って良いんだ」と誤解する人が増えてしまう可能性もあります。(中略)
1人ひとりがプロフェッショナルとして認められ、大胆な権限移譲によって適切な裁量を与えられることで、失敗を恐れず新しいことにチャレンジできる。そのような正しい「心理的安全性」が、チームとしてのパフォーマンスを最大化させるのだと思います。
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7.クレストホールディングス:DXでレガシー産業から脱却!
レガシー産業からの脱却。老舗の看板屋がおよそ「5年で売上3倍」を実現した改革の全貌
▶︎DXで生産性を向上させイノベーションを起こし、新しい価値を創造
昨今、多くのメディアで注目を集めたテーマ「DX(デジタルトランスフォーメーション)」。企業がこれからの時代を生き抜くためには避けては通れないと言われているほどですが、実際に実行するとなると、なかなか難しいもの。
この記事では、2軸のステップを踏み、DXによってレガシーな看板事業を「花形」の成長産業に変革の全貌と、変革の鍵を握ったクレスト社の組織変革についてご紹介しています。
同社の代表取締役を務める永井 俊輔さんに、詳しくお伺いしました。
▼クレストホールディングスにて実践しているLEGACY MARKET INNOVATION®の概念図
まず、看板事業の生産性を高めるために、サプライチェーンの変革を実施しました。当時はゼネコンの下請けである内装業者を通じた「孫請け」としての取引が多かったので、直接仕事を請ける「元請け」の形に変えていったんです。
これには当然ながら大変な反発がありましたね。5年ほどかけて、90%を占めていた孫請けの仕事は5%まで減り、今はほとんどが元請けの仕事になっています。
同時に、社内の生産性向上にも数年かけて取り組みました。いわゆる「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)」ですね。たとえば、営業面では商談管理や請求データの連携、営業同士の情報共有のために、営業管理クラウドのSalesforceを導入するといった形です。
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8.ドクターズプライム:資金調達ゼロで、事業を拡大させる方法
資金調達ゼロ、事業開始1年でARR1億円。「救急医療」の市場に切り込むリーンな仮説検証
▶︎「正解のない適正値」を見つけるため、データと定性の両面で仮説検証
この記事では、リソースが少ない中で「確かな差分」を積み上げることにより事業をスケールさせてきた、検証プロセスの全貌についてご紹介しています。
同社の代表取締役社長である田 真茂さんと、共同創業者である高橋 京輔さんに、詳しくお伺いしました。
田 また、物事を進めていく上では「精度」より「速度」を重視しています。データを集めすぎたり、オペレーションを整えすぎてしまうと、かえって意思決定が遅くなると思っていて。
僕らは今、右に行くべきか、左に行くべきかの判断がしたい。その意思決定には、100%の精度というよりは、50〜60%の精度で十分だったりします。早く決断して、違うとわかったらきちんと修正できればいい。
高橋 そして、仮説検証を進める上で大事なのが、差分ですね。データを元に意思決定を重ねていくと、どこかで「これ、前にもやらなかったっけ?」という場面が出てきます。
プライシングであれば、廉価で幅広く売るのか、高価で狭く売るのか、を行き来しながら試しますよね。すると、同じところをぐるぐる回っているような感覚に陥るのですが、その時に我々が気をつけているのは、同じトラックを回るのではなく「螺旋階段を上れているか」、つまり差分があるかということです。
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9.ホワイトプラス:バリューは、浸透「する」プロセスが大事
バリューは浸透「させる」ものじゃない。社員に愛され、体現されるバリューの作り方
▶︎バリュー浸透は「設計」が9割。策定プロジェクトの全容とは?
「ミッション・ビジョン・バリュー」というワードがある種、流行となりました。そこで、行動指針として「バリュー」を定めたもののなかなか浸透しない…という課題に直面した企業も多かったのではないでしょうか。
この記事では、バリューを浸透「させる」のではなく、策定のための「バリューワークショップ」や、体現するために採用・評価の仕組みに落とし込むことでバリューの真価を発揮させたホワイトプラス社の事例をご紹介しています。
同社の執行役員、原田 隼さんと、バリュー策定プロジェクトを共に推進した人事の高見 唯樹さんに詳しくお伺いしました。
原田 私は、バリューは浸透「させる」ものではなく、浸透「する」ように作れているかどうかが肝だと思っていて。社内に浸透していくかどうかは、プロセス設計の段階で、9割が決まると思っています。
そこで大切なのは、今あるカルチャーと未来に向けた理想との差分を把握して、全社員が段階的に、それを理解できるようなプロセスにすることです。
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10.SmartHR:徹底的な相手目線と細部にこだわるデザイン
社内外から「愛される」ノベルティ制作の秘訣とは? SmartHRのデザイナーに聞いてみた
▶︎重要なのは、「アイデアの可能性」を最大化するような選択をすること
SELECKの読者の方が、話を聞きたい相手に取材をする「教えて!対談」シリーズ。
今回は、株式会社POLで広報を担当する服部 明日希さんから、株式会社SmartHRでコミュニケーションデザインを担当する南 慶美さんに「社内外から愛されるノベルティ制作」をテーマに、取材していただきました。
服部 たくさんのアイデアがある中で、その採用基準や、ノベルティを作る際に南さんが大切にされていることもお伺いしたいです。
南 ひとつは、「SmartHRらしさ」を感じられるアイデア・アイテムかどうかです。
言葉で定義するのは難しいのですが、たとえば色や素材ひとつ取っても、SmartHRのサービスイメージと相性が良いかを考えながら作っていますね。
もうひとつ、ノベルティを制作する際には「メンバーを巻き込んで一緒に作る」ということを心がけています。デザイナーだけですべてを完結しようとしない。
アイデアのブレストだけでなく、制作過程においても積極的にメンバーからのフィードバックをもらい、納得のいくものを作るようにしています。
▶︎本記事はこちら
以上、昨年の人気記事をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。
SELECKでは、2021年も引き続き、仕事に役立つ現場の事例をお届けしていきますので、本年も、どうぞよろしくお願いいたします!(了)