新規事業の立ち上げプロセス、フレームワークなど現場の事例【10選】まとめ

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〜新規事業の企画、立ち上げプロセスや考え方のフレームワークまでを、実際の成功事例からご紹介〜

起業を考えている、もしくは企業内で新規事業の立ち上げを担当されている方々は、「新規事業の良いアイデアが思い浮かばない」「立ち上げ方のプロセスがわからない」などのような疑問をお持ちなのではないでしょうか?

今回は、これまでSELECKで取材した新規事業に関する事例から、様々な観点で成功を収めるためのポイントについてご紹介させていただきます。

目次

  1. 新規事業は「顧客」と「自分」の課題から始めること(株式会社Unicorn Farm)
  2. 既に顕在化している需要を見つける(AnyPay株式会社)
  3. 挑戦の数を増やし、投資・撤退判断は柔軟に考える(株式会社VOYAGE GROUP)
  4. 開発を始める前に、顧客のフィードバックを得る(株式会社ジャストシステム)
  5. 「営業」と「エンジニア」のバランスのとれたチームを作る(株式会社メドレー)
  6. 多くの人を巻き込みすぎない(株式会社ドリコム)
  7. 立ち上げフェーズでは「粗利額」で評価する(Tokyo Otaku Mode Inc.)
  8. 資金調達を成功させる(セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社)
  9. 自社が持たない知見・ノウハウは、外部から得る(コニカミノルタ株式会社)
  10. ネットワーク効果で強固な参入障壁を築く(弁護士ドットコム株式会社)

1.新規事業は「顧客」と「自分」の課題から始めること

【参考記事】シリコンバレーでの起業失敗から生まれた!スタートアップの成功を導くサイエンスとは

新規事業の失敗例としてよくあるのが、「こんなものがあったらいいよね!」といった、単なるアイデアから始めてしまうことです。そうではなく、必ず「顧客の課題を発見すること」からスタートさせるべきだということについて、お話しされています。

当時を振り返ると、やはり一番ダメだったのは「顧客の課題ドリブン」で考えず、「ソリューションドリブン」で考えていたことです。自分たちの作りたいものが、まず先行してしまったんです。

また、「自分自身が持つ課題」の解決を目指すことが、精神的に辛い状況に陥りやすい新規事業の開発において重要だともいいます。

ただもうひとつ、そこと同じくらい重要なのが、「ファウンダーイシューフィット」です。ファウンダー(創業者)とイシュー(解決したい課題)がフィットしてるかどうか、ということですね。

2.既に顕在化している需要を見つける

【参考記事】真実は市場のみぞ知る。市場分析に基づいた、paymoの大胆なマーケティング投資の裏側(AnyPay株式会社)

オンラインで商品を販売するような、個人事業主などをターゲットにした決済サービスを展開していた同社。

その中で、自社の決済サービスが、飲み会代の事前集金など、より日常的なシーンでも活用されていることを知り、新たに個人間で割り勘をすることのできるアプリ「paymo(ペイモ)」を開発しました。

また、飲み会に参加する人数や金額などが、既存サービス上でリアルな行動データとして見えていたことで、「ペイモはこのくらい伸びるだろう」という試算が、割と簡単にできたといいます。

ペイモのリリース前から、AnyPayが既に個人間での決済手段としてもよく利用されるようになっていたんです。飲み会に参加する人数や金額など、AnyPay上でのリアルな行動データが見えていたことで、「ペイモはこのくらい伸びるだろう」という試算が、割と簡単にできたんです。

3.挑戦の数を増やす。そして、投資・撤退判断は柔軟に考える

【参考記事】新規事業は「打席に立つ数」が重要。柔軟に変化させる、VOYAGE GROUPの事業開発(株式会社VOYAGE GROUP)

ほぼほぼ必要そうなサービスが出揃ってきている中で、新しい事業を成功させる難易度は非常に高まっています。だからこそ、同社では挑戦の数を増やすことを大切にしており、実際に7年間で70の新規事業にチャレンジしました。

やはり、新しいことを百発百中で当てるのは難しいので、どちらかと言うと、たくさん打席に立ってバット振ることを大切にしています。空振りすることを恐れてバッターボックスに立たないよりは、まずそこに立って、バットを振ると(笑)。

また、事業を始める際には経営陣とチームメンバー間で「撤退検討ライン」を決めるものの、想定外のことが起きやすい新規事業においては、進捗を見定めつつ、そのラインを柔軟に変えていくことも大切です。

撤退においても柔軟な考え方が大切であり、最初に設定したバーに固執し過ぎず、場合に応じて、「おかわり」は必要かなと考えています。

4.開発を始める前に、顧客のフィードバックを得る

【参考記事】作り始めるその前に。「A4・1枚」の訴求シートで洗練する、新規サービス開発とは(株式会社ジャストシステム)

時間とお金をかけて新商品を開発したが、まったく使ってもらうことができない...。そんなことが新規事業においては、よく発生するかと思います。

このような事態を防ぐために、同社では商品のコンセプトと機能をA4で1枚にまとめた「訴求シート」を作り、それを想定する顧客に見せてフィードバックを得ることで、無駄な作り直しを防ぐ取り組みを行っています。

訴求シートとは、商品のコンセプトや機能について、企画と開発、UXデザイナーで話し合い、A4サイズ1枚にまとめた資料です。それをお客様に見てもらうことで、「そもそも商品が受けるのか」「どのポイントが響くか」といったことを探っています。

5.「営業」と「エンジニア」のバランスのとれたチームを作る

【参考記事】プロダクト側とビジネス側の「対等な関係」がカギ!PM ✕ 事業部長の2TOP体制で挑む事業開発(株式会社メドレー)

新規事業を立ち上げる際、顧客からプロダクトに対するフィードバックを獲得する営業と、それを元に開発を進めるエンジニアという形で、チーム内で役割分担がなされます。

その中で、どうしても実際に顧客の声を持ち帰る営業の力が強くなってしまうと、単なる顧客の御用聞きとなってしまい、受託開発のような形に陥ってしまう可能性もあります。

同社では、そのような事態を防ぐべく、ビジネスサイドとプロダクトサイドより、それぞれから選ばれた2TOP体制で新規事業を開発しています。

CLINICSのチームでは、プロダクトサイドの責任者である私と、ビジネスサイドの責任者である島の2TOP体制を採用しています。その理由は、CLINICSのようなリアルな現場に向けたサービスを開発していると、どうしても現場と近いビジネスサイドの力が強くなってしまいがちだからです。すると結果的に、「病院の受託開発」のようなサービスができてしまうリスクがあるんですね。

6.多くの人を巻き込みすぎない

【参考記事】新規事業は「健全な独断」から生まれる?失敗から学ぶ、ドリコム流の新規事業開発とは(株式会社ドリコム)

新規事業にはスピーディーな意思決定や、尖りのある発想が必要です。しかし、同社では当初、多くのメンバーの意見を取り入れすぎてしまったことから、コミュニケーションコストが増加したり、方向転換がしづらい状態になってしまったそうです。

そこで、プロデューサーを中心とした少数精鋭のチームで、新規事業を立ち上げる方針を取るようになったという事例です。

スピードを早めようと、チームを膨張させてしまったことも失敗のひとつですね。人数を増やし、スケールするかわからない段階から広告宣伝も入れて…。人が増えるとコミュニケーションが取りづらくなりますし、投資規模も大きくなるので、方向転換やチャレンジが難しくなります。とにかく、膨張させたことが失敗でした。

7.立ち上げフェーズでは「粗利額」で評価する

【参考記事】新規事業は「赤字か黒字か」だけで判断しない!ベンチャーが、投資判断に使うべき指標(Tokyo Otaku Mode Inc.)

将来的なポテンシャルを秘めている新規事業であっても、営業利益だけを見ていると、すぐに「この事業は赤字だからやめよう」ということになりがちです。

また、「人を増やすと営業利益が悪化してしまう…」という心理も生んでしまいます。そこで同社では、あくまで新規事業を粗利額で評価するという考えを取り入れています。

例えばある事業に10人が関わっていて、営業利益を見るとマイナス。一方で、粗利が去年は200だったけれど、今年は5,000くらいは出るのではないか。もしそうならば営業利益は無視して、今はそこにリソースを張ったほうがいいわけです。

8.資金調達を成功させる

【参考記事】60億円の調達に成功!異色の技術系ベンチャーが資金調達の過程で得たノウハウとは?(セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社)

全自動衣類折りたたみ機の「ランドロイド」を開発する同社が、シリコンバレーでVCに投資を断られ続けた生々しい過去や、帰国後に日本国内で計60億円の資金調達を成功させたノウハウをご紹介しています。

資金調達を行うときには、絶対にトップを説得することが重要です。特に弊社のような尖った製品だと、担当者に見せても理解してもらえないことも多いですね。あとは、徹底的に計画の信ぴょう性を作り込むことも重要です。技術という実績と合わせて、ロジックを組み立ててプレゼンを作っていくのですが、今では200ページくらいの資料になっています。

9.自社が持たない知見・ノウハウは、外部から得る

【参考記事】Googleが知らぬなら、スポットコンサルに聞け!コニカミノルタの体臭チェッカー開発(コニカミノルタ株式会社)

革新的な新規事業の立ち上げを考える際、どうしても「自社のリソースでできること」からの発想だと、可能性が限られてしまいます。

複合機などの情報機器を扱う同社では、それまで経験のなかった「臭い」という領域での事業を立ち上げるにあたり、スポットコンサルティングサービスを活用して、外部のプロフェッショナルの知見やノウハウを参考にしながら、事業の開発を進めました。

その領域におけるプロに話を聞いてみたいと思ったのですが、そんな「つて」がある訳でもなくて...。ヒアリングするだけなら相手にメリットもないので、なかなかコンタクトできなかったんです。そこで思いついたのが、「ビザスク」というスポットコンサルティングのサービスだったんですね。

10.ネットワーク効果で強固な参入障壁を築く

【参考記事】1年半で6,000社が導入!「PMF」を実現した、新規サービスの開発・拡大プロセスを公開(弁護士ドットコム株式会社)

「契約手続き」をWeb上で完結させるサービス「CloudSign(クラウドサイン)」の展開において、「2社間で利用する」という特性を活かし、自社での営業活動のみならず、バイラルでの新規顧客の獲得に成功した事例です。

契約書を扱うという性質上、必ず2社間で利用されるので、バイラル的にユーザー数が増えていくことが特徴です。

また、導入企業が増えれば増える程、他サービスに乗り換える理由が減るという形で、スイッチングコストを高めることにも成功しました。

競合が参入しづらい状況は既に作ることができていると考えています。と言うのも、2社間以上で使うサービスなので、周りの企業がCloudSignを使っていると、わざわざ切り替える理由がないんです。つまり、ネットワーク効果が発生しているんですね。

最後に

いかがでしたでしょうか。

SELECKでは今後とも、新規事業の企画、立ち上げプロセスや、その後の拡大の仕組みづくり等、成果をあげている事例について発信させていただければと考えております。

不確実な要素の多い新規事業ですが、ぜひ、ご参考にしていただければと思います。

また、スタートアップで働く方々へ向けた、おすすめツールをまとめたこちらの記事も、ぜひご覧下さいませ。

【300社から厳選】スタートアップに必須の良ツール・事例のまとめ【20記事】

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