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  • 舟迫 鈴

【600記事から厳選】ベンチャー企業のための採用事例まとめ【11記事】

SELECKが2015年5月25日にリリースされてから、1年と少しが経ちました。

おかげさまで、これまで600記事以上の記事を配信させていただきました。

いつもご覧いただいている読者の方々、取材にご協力いただいた企業様、本当にありがとうございます。

先月に出させていただいたまとめ記事では、特にスタートアップで働く方々におすすめのツールの活用事例を、カテゴリー別にまとめました。

今回は、過去のインタビューの中で、特にスタートアップ・ベンチャーに役立つ採用の実践事例を、まとめました。

この記事をきっかけに、採用業務の効率UP、母集団の形成、良い採用成果につなげていただれば嬉しく思います。

目次

1.【エンジニア採用】優秀なエンジニアを惹きつける採用とは

2.【ダイレクトリクルーティング】ベンチャーが大企業と平等に戦える

3.【ソーシャルリクルーティング】Wantedlyの運用のコツとは

【エンジニア採用】優秀なエンジニアを惹きつける採用とは

多くのスタートアップ企業の悩みどころとして、エンジニア採用があります。優秀なエンジニアはどこも、引っ張りだこ。そんな中で、エンジニアを惹きつけるための要素とは何か。

言語の選定に関する考え方から人柄の見極め方まで、ポイントがつまったインタビューをさせていただきました。

【エンジニア組織のつくり方】

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「採用のために」技術を選ぶ!? 優秀なエンジニアを惹きつけるチーム作りとは

まずは、エンジニア組織をゼロから作ったインテリジェンスさんの事例です。

インテリジェンスさんでは、将来のエンジニアの採用を見据えて、技術選定をされたそうです。そうすることで、エンジニアに対して、「入社することでどのように成長できるのか」というメリットをしっかり打ち出すことができると言います。

「技術のインテリジェンスを一緒に作っていこうぜ」というメッセージで、新しい技術にわくわくするエンジニアを採用されているそうです。

実際の面接では、初めの10分ほどでコーディングのテストをしています。そこでどういう書き方をするのか、楽しそうに書いているかを確認します。あとは書いたものを説明してもらって、そこで分からない事は分からないと言えるかといった、技術者としての基本的なスタンスを見ています。

本当に技術を好きな人であれば他の人と同じ事をやっていたとしても、より深いところまで知ろうとしますよね。そういったものをコミュニケーションの中で見つけていきます。

それまでの実績を見たところで、分からないことは多いじゃないですか。「リードエンジニアでした」という人がいても、話してみると深いところを理解しているかどうかは関係ないことも多いです。それよりも技術が好きで、自分で情報収集をし、実際に触って試しているかといったところを重視して採用していきました。

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リアルとデジタルの融合で業界トップへ!イオンドットコム、ゼロからの開発組織づくり

次に、イオンドットコムさんでの事例です。

エンジニア組織をゼロから作る上では、まずは技術よりも人間性を重視して採用した、と語ります。技術は教えることで何とかなる部分がある一方で、その人の人間性はなかなか変えることはできません。新しく組織づくりをする際は、本当にフィットする人に絞って採用することが特に重要であることが分かります。

特に最初の3名は大切に、2ヶ月ほどかけて採用しました。私を含めた「最初の4名が組織の文化をつくる」と言っても過言ではないと思っていたからです。

「4名」を基準にした理由は、一緒にランチに行って、ワンテーブルで色々なことを話すのに、ちょうど良い人数だからですね。

そして実際の採用では、人間性とスキルの大きくふたつを見ていました。

まず、人間性については、「その人と空港で一晩を一緒に明かせるか」ということを意識して選びました。

ある程度のスキルは、勉強すれば獲得できると思うんです。私も何の知識もないところから、事典1冊を丸暗記してホームページを作れるようになった経験があるので…いざとなれば、オライリーを暗記してもらえばいい。

でも、人間性は絶対にオライリーじゃ作れない。そのため、まずは人間性を重視して採用しました。

【エンジニア採用哲学】

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「言語で採った人は、言語で採られていく」えふしん氏に学ぶ、エンジニア採用の今

最後に、BASEさんでの事例です。技術力のあるエンジニアを採用することは大切ですが、他方で、技術のブランディングに引っ張られすぎると、その組織にとって、本当の意味で良い採用はできないのではないか、とえふしん氏は警鐘を鳴らしています。

ここ数年だと、ブランディングも兼ねて「Ruby on Railsを使っています」という会社が多いですよね。そこで働く人がRails大好きで、それに対してコミットしていけるなら良いのですが、必ずしもそうではないスタートアップもあるように思えます。Railsを使っておけばエンジニア採用が楽になるとか、そういう考えの会社も多いんじゃないでしょうか。

言語でブランディングしてしまうと、その言語がナンバーワンであるうちは良いのですが、良い言語というのは移り変わっていくんですよ。Railsの魅力で入ってきた人たちは、Go言語の会社に持っていかれる。

【ダイレクトリクルーティング】ベンチャーが大企業と平等に戦える

近年、注目が高まっているダイレクトリクルーティング。こちらから候補者に能動的に動いていく採用スタイルにより、採用コストは抑えつつ、エージェントの紹介とは異なる層の人材を採用することも可能です。また、良質な母集団を形成し、つながりを保っておくことができるのも良い点と言えます。

【ダイレクトリクルーティングとは】

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「ダイレクトリクルーティング」とは何か?日本の採用も、企業と個人がつながる時代へ(前編)

「ダイレクトリクルーティング」とは何か?日本の採用も、企業と個人がつながる時代へ(後編)

まずは、ダイレクトリクルーティングとは何かについて解説していただいた記事をご紹介します。ダイレクトリクルーティングとは、「自社で積極的に、優秀な人材を獲得するために活動をすること」を言うそうです。

エージェントを介した採用とは異なり、採用担当者の気持ちも変わります。また、良質な母集団の形成にも貢献するようです。

ダイレクトリクルーティングであれば、実際に応募が来るまでにお互いにコミュニケーションを取り合うことになるので、質のいい母集団が形成されやすくなります。「どの人を落とそうか」と考えて面接をする時と比較しても、面接官の心の持ちようも変わります。

また、ダイレクトリクルーティングの別のメリットとしては、一度形成した母集団を会社の資産としてプールできることです。例えばあるポジション1名の募集に対して素晴らしい人材が50名集まった時に、採用できなかった49名との関係性をそこで終わらせるのはもったいないですよね。

でも既存の採用スタイルですと、何年後かにまたそのポジションをオープンにした時に、再びゼロベースから母集団形成を始めなくてはいけません。

【LinkedInを活用したリファラル採用】

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LinkedInをどう使う? 世界に通用する人材に出会う、メルカリの採用戦略とは

メルカリさんでは、リファラル採用の一環として、LinkedInを活用されているそうです。いろいろな活用ができるツールですが、ミートアップイベントへの招待は、気軽に参加を検討できることもあり、特に適した使い方ではないでしょうか。

一部で「LinkedIn=スカウトツール」という誤った理解があるようですが、「ビジネス特化型SNS」という特徴を最大限に活用したいと考えました。「スカウトメールをとにかくたくさん送る」という手法ではなく、このツールをリファラルに活かしたい。

そのように考えて導入検討をしていた矢先、そのタイミングでLinkedInのセミナーの案内があって、これは行くしかないと。そこでLinkedIn Japanの方とお話させていただいて、具体的に使っていくことになりました。

【キャリアトレックを活用した中途採用】

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「媒体特性」がカギ!2ヶ月応募ゼロの企業が、1年で6名のエンジニアを採用した方法

ベンチャー企業は大手企業と比べて、知名度やリソースが不足しています。採用競争においても不利な側面がある一方で、工夫次第で、大手と平等に戦える媒体があるのも事実です。

ヒトメディアさんでは、中途採用向けのダイレクトリクルーティングサービス「キャリアトレック」を活用しました。そのことにより、従来の「媒体からの応募者を待つ」採用スタイルを見直した結果、採用で大きな成果を出されています。

キャリアトレックのユーザーは、こちらが考えている以上にカジュアルにサイトを使っていました。まるでグルメサイトで「今日、何食べようかな」と検索する様な感覚で使っている人が多く、これまでの転職サイトのイメージとはかけ離れたものでした。転職意欲が殆どなく、とりあえず話を聞きに行くというスタンスのいわゆる転職潜在層の人もいるんですね。

自分もユーザーとしてサービスを体験する中でこういった特性に気が付き、運用方法を大幅に見直しました。結果的に、そこから約1年の間にエンジニアを6名採用することができたのです。サーバーサイド、フロントエンド、インフラ、PMなど、若手からベテランまで幅広い人材に入社してもらうことが出来ました。つい先日も内定承諾をいただいた方がいらっしゃいます。

今だから言える事ではありますが、実はキャリアトレックは、弊社のような企業にとって「人気企業や大企業とも平等に戦うことができる」場所だったんです。

【ニクリーチを活用した新卒採用】

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新卒採用もダイレクトリクルーティングの時代!初年度から12名を採用できた理由とは?

新卒採用でも、ダイレクトリクルーティングの活用は、進んでいます。学生にとって、知名度の低いスタートアップ、ベンチャー企業こそ、主体的に学生にアプローチすることが大切です。新卒採用のためのユニークなサービスが、ニクリーチです。

もともとニクリーチさんも使ってみよう、と考えたのは、ちょうどその時に「肉食採用」しようという話が社内で出ておりまして(笑)。

そもそもfreeeは、企業として求職者の方、もしくは転職を考えていない潜在層の方に、直接声をかけていく体力やノウハウを持っていたいという思いがあります。やはり、「待ち」の姿勢でいては、良い人材と出会うことはできないと思うんです。

特に私たちのようなBtoBで、スタートアップの場合は、学生さんに名前が知られていないなんて当たり前で。そこで新卒についても、どんどんスカウトを打っていけるサービスを使いたいと考えていました。そのニーズに、ニクリーチさんがぴったり合っていたんですね。

【ソーシャルリクルーティング】Wantedlyの運用のコツとは

ベンチャー企業では、もはや当たり前のように行われているソーシャルリクルーティング。今では、Wantedlyのページがない企業の方が珍しいかもしれません。ただ、実際に効果的に運用できている企業とそうでない企業があります。運用で大きな成功を収めているベンチャー・スタートアップの事例をふたつ紹介します。

【1年半で60名以上の採用を実現したWantedlyの使い方】

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1年半で60名以上の「会社を一緒につくる仲間」に出会えた!Wantedly運用ノウハウ

まず、モンスターラボさんの事例です。Wantedlyを通じた採用で、かなりの実績を出されています。日々の運用でとにかく試行錯誤をくり返し、コツをつかむことが大切とわかります。

これまで1年半、運用をしてきて、あれこれと試しながらわかってきたコツはいくつかあります。まず掲載数には上限はないので、たくさんの募集を出しています。多い時で40ほどありました。

それだけ出しても、多いものではひとつの募集だけで200前後の応募を頂くこともあります。記事ごとに細かく使い分けるようにしていて、例えばエンジニアを募集する場合には、エンジニア、iOSエンジニア、Androidエンジニア、といった具体的な職種まで指定した募集を並列で出すようにしています。

【設立1年目で15名の採用に成功したWantedlyの使い方】

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設立1年目で15名を採用! 運用がカギの「Wantedly」活用ノウハウ(前編)

設立1年目で15名を採用! 運用がカギの「Wantedly」活用ノウハウ(後編)

もうひとつが、シェルフィーさんの事例です。設立1年目から、しっかりとした実績を出していることの背景には、運用のPDCAをはっきりと回しているところと、掲載画像はiPhoneで撮影したものを使う一方で、候補者へのメッセージはひとりひとりに対して丁寧に作るなど、工数をかける部分とそうでない部分を分けて、日々の運営を効率化していることが伺えます。

メッセージを送るときは、文面は1人ひとり変えています。ちゃんとプロフィールを読んで、「このご経験が弊社に合うと思うのですが、30分ほどお時間いただけますか」みたいな感じで丁寧にメッセージを送っているからなのか、返信率は高いですよ。

実際に入社したメンバーに聞くと、例えばデザイナーであれば「この作品のここがいいと思った」と言われたことがとても嬉しかったみたいです。コピペの定型文を送っている企業も多いようなので、尚更喜んでもらえたのかもしれませんね。

ちなみに弊社では、入社時にもシェルフィーのオリジナルグッズを全員に渡しています。例えば面談のときに「文房具にこだわりがありそう」とか「料理が好きな人なんだな」と感じたところから何を渡すか考えて、1人ひとりに世界にひとつしかないものをプレゼントしています。スタートアップに入社する人って、パートナーや親の反対をくぐり抜けてまで入ってくれている場合もあるんですよね。素直にそのことに、感謝の気持ちを表したいなと思っています。

いかがでしたか?採用における考えや方法は様々ですが、本記事が、あなたの採用にとって何かしらのお役に立てば幸いです。(了)

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