「ニューノーマル」時代に遅れを取らない。企業の課題解決に役立つノウハウ【事例12選】

SELECK_ニューノーマル

2020年から長らく続くコロナ禍。言うまでもなく、人々の行動・生活様式は半ば強制的に変容を求められ、数年前とは全く異なる生活をしている方も多いのではないでしょうか。

もちろん個人だけではなく、企業も同様に変容を求められています。内閣府が実施した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」によれば、都内では半数以上の企業がリモートワークを実施するようになりました。

今後は都心の動きに追随して、地方でもさらにリモートワークへの移行が増加し、それに伴う企業・組織運営の順応も必要になってくると思われます。

▼地域別・企業規模別のリモートワーク実施率(内閣府調査より)

このように、コロナ禍は私たちの生活に大きな変化をもたらし、「ニューノーマルの時代の到来だ」という表現を耳にすることも増えました。

そこで今回は、コロナ禍でよく使われるようになったものの実態が掴みにくいニューノーマルというキーワードをテーマに、ビジネスの現場では具体的にどのような変化が起きているのかと、企業の課題解決に役立つ【事例12選】をご紹介します。

<目次>

ニューノーマルとは?

「ニューノーマル(New Normal)」という言葉はコロナ禍になってから耳にしたという方が多いかと思いますが、その起源は2003年までさかのぼります。

元々この言葉は、ITバブルが崩壊した2003年頃の米国の状況を指して使われ始めたそうです。当時、投資家のロジャー・マクナミー氏によって、「ネット社会の到来でそれまでのビジネスモデルなどが通用しなくなる」という考えから提唱されました。

その後、世界的にニューノーマルの表現が広がったのが、2007年に生じたリーマン・ショックとそれに連鎖した世界金融危機の頃でした。この時にはエコノミストのモハメド・エラリアン​​氏が、著書内で「第二のニューノーマル」として提唱しました。

このように、ニューノーマルは金融・ビジネスにおける世界的な転換期を迎えた時に、「新常態・新たな常識が生じている」といった意味合いで使われます。同時に、この言葉には「その変化が起きる前には戻ることがない」というニュアンスも含まれています。

こういった歴史を経て、2020年に新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延したことで、第三のニューノーマル時代が到来しました。ここでは、人との接触機会を減らすなど、感染リスクを抑えることを軸とした「新しい生活様式」への変容を指すことが多くなっています。

※参考:ロジャー・マクナミー著 「ニューノーマル_リスク社会の勝者の法則」
モハメド・エラリアン​​著 「市場の変相」

ニューノーマル時代、具体的にどんな変化が起きている?

さて、第三のニューノーマル(新しい生活様式)時代に突入し、身の回りではどのような変化が起きているでしょうか?

私生活で言えば、飲み会、ショッピング、医療診療、旅行・観劇など様々なことをオンラインで体験することが増え、キャッシュレス決済が一気に浸透し、中には地方移住やデュアルライフ(二拠点生活)など、生活環境自体が変容している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、多くの企業においては、リモートワークの浸透で通勤が不要になる従業員が増えたり、オフィス自体の解約・縮小によって固定経費が削減できたどのメリットが生まれた一方で、社員が直接顔を合わせる機会が減ったことによる様々なデメリットの声も聞かれるようになりました。

内閣府調査によると、特に「社内での気軽な相談・報告が困難」「画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス」といったデメリットを感じている方が多いようです。

▼就業者がリモートワークにおいてデメリットだと感じること(内閣府調査より)

その他にも、人々のコミュニケーションの場が全般的にオンラインに移行することにより、ビジネスモデルの見直しやDXの促進、人事制度や労務管理の見直し、セキュリティの強化などが急務になった企業も多いことでしょう。

このように、第三のニューノーマルの時代には、物理的に距離が離れたことによる様々な課題が生まれている状況です。

【課題別の事例12選】ニューノーマル時代の課題解決に取り組む企業たち

主にリモート環境下で新たな課題への対応が必要となった企業では、どのような取り組みを実施しているのでしょうか。

これまでSELECKでは、企業の現場における先進的な事例を多数取材させていただいていることから、今回は今すぐ役立つ各社の事例を【課題別】にご紹介していきたいと思います。

たくさんの事例があるので、今気になっている課題を選んでご覧いただけると嬉しいです。

<ニューノーマル時代の主な課題>

  1. DX(デジタルトランスフォーメーション)推進
  2. ビジネスプロセスのオンライン化
  3. コミュニケーションの取りづらさの解消
  4. 相手が見えにくいリモート環境でのマネジメント
  5. 活用しやすいドキュメント・コミュニケーションツールの導入
  6. リモート・テレワークで働く環境の整備
  7. 従来のオフィスの見直し(バーチャルオフィス活用事例)

課題① DX(デジタルトランスフォーメーション)推進

コロナ禍でより一層加速した時代の変化に適応していくために、間違いなく鍵となる「DX」

DXとは、一言でいうと「企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」です。

しかし、長らくその必要性が叫ばれていたにも関わらず、国内企業においては現在も思ったほどDXが進んでいないと言われています。

そこでここでは、「HRDX」「採用DX」「顧客接点DX」などを含むDXの基礎知識から、企業のDX実践事例をご紹介します。

まず、DXの基礎知識を知りたい方はぜひこちらの記事からご参考ください。

その上で、企業のDX実践事例をご覧いただけたらと思います。

商談・受注数が2倍に!HubSpot活用でマーケティングをDX化​​ / Kaizen Platform社

「顧客体験DX」というキーメッセージを掲げ、DXからUXまで顧客体験をカイゼンする株式会社Kaizen Platform

同社は2020年に、既存のMA(マーケティング・オートメーション)を、統合型CRMプラットフォーム「HubSpot」に入れ替えし、「ほぼ何もできていない」状態だったというマーケティングを、戦略から再構築したそうです。

▼統合型CRMプラットフォーム「HubSpot」

弊社はWeb上のコンテンツとメールを中心にした、インバウンドの考えを軸としたマーケティングに最優先で取り組んできました。

結果として、マーケティング経由のアポイント数や商談数、受注数を大きく伸ばすことができました。例えば動画事業では、2020年と比較して2021年のアポイント数は140%、商談数は215%、受注数は264%になっています。

インバウンドマーケティングを実践するにあたり、最初にイメージされがちなMAですが、目的や自社の商材・業務とのフィッティングを考慮せずに、とりあえず導入してしまう企業が非常に多いと思います。

「オートメーション」という言葉も良くないですよね。MAの導入により「できることは増える」のですが、これまでのマーケティングプロセスが自動化されるわけではないですし、「ラクになる」わけでもありません。

本当に大切なのは、MAを入れる「前」の準備です。

※出典:商談数、受注数が1年で倍増。Kaizen Platformの「MAに溺れない」インバウンド・マーケ実践

経営判断としてAIに投資。全社員が「業務」としてAI研修を受講​​ / エイチーム社

インターネットを利用したゲームコンテンツやライフスタイル情報サイト、ECサイトといった幅広い事業を展開する、株式会社エイチーム

同社では、「AI活用は経営課題」として、AIを研究開発する全社横断プロジェクト「AI WORKING GROUP」を立ち上げました。

2020年8月からは、エンジニア以外のビジネス職も必須受講者とする、全社規模での「AI基礎力アップ」研修の実施に踏み切っています。

AI活用というと、世の中では、まだ効率化やコスト削減の文脈が一番大きいですよね。ですがこれからの時代、AIを活用する意義はそれだけではないと思っています。

例えば、顧客体験の改善です。Web領域には以前からパーソナライズやレコメンドという概念がありますし、リアル店舗でも、昔からお客様1人ひとりに寄り添った接客が行われています。ただ、それらの実現が人の「経験と勘」に頼っている状態です。

AIが、そうした人の持つ能力を補完・支援していくことで、より持続的に顧客体験を改善していくことができます。そして、得たデータをさらにAIにフィードバックすることで、AIが学習して成長する…このサイクルを作っていくことが、今後は企業の強みになっていくはずです。

なので、「AIを使うことで短期的にどんな利益が出るの?」という話だけに執着するのではなく、そもそもAIありきでビジネスを考えていくようにパラダイムシフトする必要があると思っています。

※出典:もう「AIありき」でビジネスを考える時代。全社規模でAI研修を実施したエイチームの狙い

▼同社のAI研修後のアンケート結果

課題② ビジネスプロセスのオンライン化

Web面談やウェビナー開催によるセールス強化といった領域は、コロナ禍当初から力を入れ、すでに独自のノウハウが蓄積されている企業も多いのではないでしょうか。

しかし、これから本格的にオンライン対応を開始する企業にとっては、何から始めるべきか分からない部分も多いでしょう。ここでは、早期にオンラインに移行して成果を創出された企業の事例をご紹介します。

「インタラクティブ性」に富んだウェビナーで他社の模範となった事例​​ / FORCAS社

BtoBマーケティングプラットフォーム「FORCAS(フォーカス)」を提供する株式会社FORCASでは、2020年3月から「H2H(Home to Home)セミナー」と題したウェビナーを継続的に開催。

その企画においては、今までのオフラインコンテンツから「変えること」「変えないこと」を明確に定義して、オンラインの特徴に合わせた演出を提供することで、それまでの10倍もの見込み顧客(リード)を集めることに成功したそうです。​​

オフラインのコンテンツとは全く別物として演出することも重要です。特に大切なことは「インタラクティブ性」を生むことだと考えています。

結構陥りがちなのが、今までの講義形式を変えずに、手段だけオンライン配信に変えることで。でも、僕はこれだと満足度の高いコンテンツにするにはなかなか難しいと思っています。

なぜなら、参加する人の集中力が全然違うんですよ。オフラインでは、五感をすべて使って聴くことができますが、オンラインでは視覚と聴覚という「二感」しかありません。かつ、視覚も画面という二次元に限られるので、情報量は圧倒的に下がります。

※出典:「オフラインの10倍」リードを獲得するウェビナーの秘訣。企画〜商談化のすべてを公開

※オンラインイベント・ウェビナーのノウハウについては、こちらの記事もご参考ください。

【5社に緊急取材】オンラインイベント・ウェビナーを成功させる!各社のノウハウ大公開

「入隊キット」でリモート開発をスピーディに​​ / ストアーズ・ドット・ジェーピー社

比較的フルリモートに移行しやすい「開発組織の事例」はこちら。

ネットショップ作成サービス「STORES」を運営するストアーズ・ドット・ジェーピー株式会社では、新しいメンバーに向けた​​「入隊キット」の作成や、音声チャットツールを活用したQAなどを早期に実行。

コロナ禍で突然生じたフルリモートワークの環境下で、​​6ヶ月で約100画面のデザインをフルリニューアルし、「要件の固まらない」大型プロジェクトを完遂されました。

​​「入隊キット」にはプロジェクトの背景や、全体像と進め方、イシューの管理方法、ガイドラインなどをまとめていて、「何かわからないことがあっても、とりあえずこれを見れば大丈夫」という状態を作りました。

特にリモートでは、隣の席にいるメンバーに気軽に聞いたりすることができないので、ドキュメント化することで共有コストを減らすようにしていました。

※出典:フルリモートでフルリニューアル!STORES、6ヶ月にわたる大規模プロジェクトの軌跡

▼STORESの新ダッシュボード画面

不慣れなオンライン面接での見極めや惹きつけを工夫した事例 / ナイル社など4社

こちらの記事では、500名が参加した「採用カンファレンス」の具体や、候補者の不安を取り除く「サポーター制度」の導入オンライン面接の工夫​​などについて、4社の事例をご紹介しています。

出典:4社の「オンライン採用」の極意を大公開!非対面ならではの見極め × 惹きつけの方法

課題③ コミュニケーションの取りづらさの解消

物理的にメンバー同士の距離が離れたことにより、オフィスでは偶発的に生まれていた「雑談」がなくなってしまい、オンラインでのコミュニケーションの取りづらさに悩まれている方もいらっしゃると思います。

フルリモート組織を運営する著名企業の経営者が、「対話」や「雑談」​​の重要性について語ることも多くなりました。

コミュニケーションの希薄化に対して、各企業は具体的にどのような施策を実施しているのでしょうか。ここでは、具体的な取り組み事例をご紹介していきます。

リモートで閉じてしまった関係性をひらく。4象限の施策を実施​​ / ヒトカラメディア社

オフィス移転の支援や空間プランニングなどの事業を展開する、株式会社ヒトカラメディア。

同社では、テレワークの長期化に伴うプロジェクトの遅延や、孤独感を抱くメンバーが増えてくるといった問題が生じていた​​そうです。

そこで、オフィス出社と在宅ワークを組み合わせるハイブリッド型の働き方に移行。目的に応じて「オンライン・オフライン」「フォーマル・インフォーマル」のコミュニケーション施策を使い分けることで、ナレッジ共有の促進と孤独感の解消を実現しています。

出典:リモートワークによって「閉じた」関係をひらく。4象限のコミュニケーション施策とは

▼同社のコミュニケーション施策マップ

社内限定「YouTubeライブ」で、経営層からMVVを発信し浸透へ​ / アンドパッド社

建設・建築現場で使える施工管理アプリ「ANDPAD」を提供する株式会社アンドパッドでは、経営層とのコミュニケーションを図る機会が減っていることが、課題のひとつとして挙がっていたそうです。

そこで、経営メンバーがMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)への思いを発信する場として、社内のYoutubeライブ「ANDPAD Build up Conference」を開始。​​

ここでは経営層と人事のメンバーが45分間のフリーディスカッションを行い、アンケートを取りながら改善を繰り返したといいます。

その取り組みの結果、社内サーベイにおける「帰属意識」や「ミッションの浸透」の項目が大きく改善され、組織の人数が100名から200名以上へと拡大するなかでも、組織の一体感が保てていると感じられているそうです。

出典:1年で社員数が倍増!フルリモートでもバリューを浸透させる、アンドパッドの組織作り

※リモートでのコミュニケーションノウハウについては、こちらの記事もご参考ください。

課題④ 相手が見えにくいリモート環境でのマネジメント

近年、経営者や人事を担う方々からよく聞くお悩みが、「働く様子が見えにくいリモート環境において、どのようにメンバーをマネジメントするか」ということです。

特に、新入社員が入社後そのままリモートワークに突入する企業では、オンボーディング設計の課題感をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

リモート環境下でのマネジメントとして、ここではまずリモート・オンボーディングの事例からご紹介します。

6ヶ月の「Onboarding Journey」をリモートで実施​​​​ / PwCコンサルティング社

大手コンサルティングファームであるPwCコンサルティング合同会社。同社では、入社後6ヶ月で「自分の力を100%発揮できる状態」をつくるリモート・オンボーディングとして、「Onboarding Journey」を実施しています。

前半の「Baseline Management」では、主に困り事に対するケアや、コミュニケーション、リレーションの構築が中心になっています。最初に、この組織の中でどういう目標を持ってキャリアを作っていくのかをしっかり考えられる環境をつくります。

このフェーズでは、全員に「Buddy」と「Career Coach」がつきます。Buddyは、年次、前職の業界、社内のランク等の類似性が高い人がアサインされます。「気軽に何でも相談できる人」という立ち位置ですね。

「Career Coach」は、会社として要件が決まっており、マネージャー以上で、その人よりも2つ以上ランクが上の人です。キャリアを作っていくにあたり、後ろからサポートをする人ですね。

そして、後半が「Professional Work」です。ここでは、専門的な知識をどうインプット・アウトプットしていくのか、そしてフィードバックをもとにどう成長するのか、ということがフォーカスになります。

こうした取り組みをすべてつなげて、サポートするための役割として、横軸のオンボーディングチームがあります。

それぞれフェーズに応じて、誰かが寄り添いながら、誰もが6ヶ月後にはこのコンサルティングファームで自分の力を100%発揮できる状態を作れる、ということがこのオンボーディングの考え方です。

出典:PwC流「リモート・オンボーディング」の全貌。個人の力を100%発揮できる組織の作り方

「パフォーマンスの内的な障害を取り除く」社内コーチングとは​​​​ / Sansan社

Sansan株式会社では、2015年に「コーチング」を社内制度化してから数百名の社員に実施しており、現在もオンラインコーチングと1on1で、社員の内的ハードルを取り除く活動を継続しているそうです。

同社の「社内コーチ」として活動している三橋 新さんは、「オンラインでも対面でも、コーチングの基本は同じ」だといいます。

僕は「一歩踏み出す」という言葉がすごく好きなのですが、その人がきちんと自身の課題から目を背けずに向き合い、安全圏から未知の世界へと一歩踏み出すサポートをすることがコーチングかなと思っています。

例えるならば、コーチングの初期段階って「衣替え」のような作業だと思うんです。衣替えって、季節の節目にタンスにある服をすべて取り出して、そこで「この服って実は2年くらい着てないな」「捨てようかな」と考える作業があるじゃないですか。

コーチングにおいても、まずは抽象的な問いかけをして、本人にタンスのすべての引き出しを開け衣装を出してもらう。それから「何か違和感あるものがないか」「しっくりくるものはどれか」といった問いかけをして、本人に見てもらうんです。

すると、中には「ずっと着ていないんだけど、なぜかここにあるんですよね」といったものが見えてきます。そういった違和感そのものを、本人が向き合う課題やテーマとして設定をして、それに向き合っていく。

出典:今、多くの人が「ロードリーム」に陥っている。Sansanのオンラインコーチング実践法

※リモートでのマネジメントノウハウについては、こちらの記事もご参考ください。

課題⑤ 活用しやすいドキュメント・コミュニケーションツールの導入

ここではオンラインで活用しやすいコミュニケーションツールの導入を検討されている方に向けて、いくつかのツールをご紹介します。

まずは、日本語版もリリースされ、ますます企業での導入が勢いを増しているドキュメントツール「Notion」です。

▼さまざまな情報を集約できる「Notion」

他にも、Web上でライトに使えるコミュニケーションツールが数多く登場しています。

今や多くの企業で活用されているSlackについても、SELECKにて活用記事を多数ご紹介しています。ご興味があればご覧くださいませ。

課題⑥ リモート・テレワークで働く環境の整備

コロナ禍の在宅でのパフォーマンスを高めることを目的として、リモート環境を整えるための新たな制度を設ける企業も多数登場しました。ここではその一例をご紹介します。

生産性とパフォーマンス向上のためユニークな制度で働き方改革を実行​​​​ / ゆめみ社

2020年4月から全社員がリモートワーク体制に完全移行した株式会社ゆめみでは、「社員の不安はすべて解消する」という考え方から、「欠勤控除ナシ」「給与は自己決定」「有給は取り放題」​​など、数多くのユニークな制度を打ち出してきました。

(制度の詳細はこちらから:社員の「不安」はすべて解消する。生産性を最大化する「ワークフルライフ」な組織とは

また、同社では四半期ごとに「リモートワークの達人を目指そう!(略してリモ達キャンペーン)」を全社で実施。リモートワークにおいて意識すべきポイント全100項目のうち、各自が習慣化できている項目数に応じてインセンティブを支給しているといいます。

たとえば、「社内会議において「モヤモヤ」を話す事が期間中3回以上できた」や「他者への感謝を期間中7投稿行っている」といったものから、思考習慣として「ストレスコーピング」「アファーメーション」「セルフコンパッション」といったセルフマネジメント力の向上に繋がる項目まであるそうです。

さらには、2022年3月より従業員のリモートワークを支援する福利厚生の一環として、「フルリモし放題制度MAX」を開始。

ホームオフィス環境に必要なあらゆる機器・什器の支給や、ベビーシッター・家事代行などの費用全額補助​​、移住・リフォームなどに関わる一律22万円の費用補助など、幅広いベネフィットを提供できる体制を整えたといいます。

出典: フルリモし放題、ワークフルライフ…リモートワークの最先端を行く組織づくり ~ホームオフィス費用を全額会社負担、最高水準のリモートワーク環境による生産性向上~

社員自身が最も働きやすい環境を選択できる「どこでもオフィス」​​​​ / ヤフー社

社員の9割がリモートワークを実施するヤフー株式会社では、オフィスを「働く場所の一つの選択肢」として、必要に応じて出社や在宅勤務ができる環境を整えています。

たとえば、「実験オフィス」と称して、個人で集中できるスペースや、みんなで集まってコミュニケーションを取れる空間など、各ニーズにを最適化したオフィス環境を構築。

また、社員の働く場所や居住地の制約をなくした​​「どこでもオフィス」は、2014年から回数制限を設ける形で運営していましたが、2020年の10月からはその制限までも撤廃し、より自由な働き方を実現しているといいます。

出典:上司と「登る山」を握れていれば、働く場所はどこでもOK。ヤフー流・働き方改革の実態

課題⑦ 従来のオフィスの見直し(バーチャルオフィス活用事例)

早期にフルリモートやスポットでのレンタルオフィス活用に移行し、有休資産と化したオフィスの解約を決断した企業もあれば、新たに「バーチャルオフィス」を活用する先進的な企業も続々と登場しています。

ここではおすすめのバーチャルオフィスツールや、バーチャル空間での具体的な働き方をご紹介します。

雑談から会議、全社交流会まで「Gatherで集合!」が合言葉  / ミラティブ社

まずは株式会社ミラティブが活用しているバーチャルオフィスツール「Gather(ギャザー)」​​。

同社では元々はSlackとZoomを用いてコミュニケーションを取っていたところから、リモート環境で何気ない雑談などの会話が減少してしまったことをきっかけに、このバーチャルオフィスツールを導入したといいます。

リモート環境では、「検索したら分かるかもしれないけれど、聞いた方が早いこと」を相談することはハードルが高いと感じる方も多いですよね。

ただ、そうした会話もできる気楽さがバーチャルオフィスにはあると感じています。Slackでも、会話の途中で「Gatherで少しいいですか?」といった言葉や「Gatherで集合!」というリマインドが飛び交っていますね。

日常的な会話以外では、チームごとの交流会やランチ会、全社イベントなどで利用しています。

出典:バーチャル空間で働き、会話し、採用する。「Gatherで集合!」ミラティブの新しい働き方 コミュニケーション

▼ゲームのようなUIがかわいい、ミラティブ社のバーチャルオフィス

アバターで「理想の自分」に。見た目から生まれるバイアスを排除 / HIKKY社

また、設立当初からフルリモートでの勤務体系を採用している株式会社HIKKYでは、VRChat上にバーチャルオフィスを構築

一部の社員は本名ではないバーチャルネームを使用し、オンラインミーティングでは見た目や声をカスタマイズした状態で勤務している​​というから驚きです。

HIKKYでは、主に3つのツールを活用してフルリモート体制の勤務を実現しています。

まずは日常の社内コミュニケーションを行うDiscord、プロジェクトごとの情報のストックや外部のお客様とのやりとりに使うSlack、そしてバーチャルオフィスの運用や、商品の制作に活用するVRChatです。

前提として、私たちは、たとえ時間や身体的にハンデがある人でも「いつでも、どこでも自由に働ける」環境を目指しています。

理由として、世界中にメンバーがいることもありますが、それ以上に各人の才能が最大限に発揮される働き方を目指しているんですね。

出典:アバター出社は当たり前!「見た目」から解放された平等な世界を実現するHIKKYの働き方

※バーチャルオフィス活用のノウハウについては、こちらの記事もご参考ください。

【国内外・事例6選】話題のバーチャルオフィスツール、どう使う?各社おすすめの使い方を大公開

今回は、ニューノーマルを起点に、その定義から各社の事例までご紹介させていただきました。課題別の各社の事例はボリュームがありますので、また新たな課題が出てきた時にそのパートを覗きに来ていただければと思います。

アフターコロナがいつ訪れるかは分かりませんが、以前と同じ環境に戻ることはないでしょう。ニューノーマル時代の新たな働き方として、今回の記事が参考になると嬉しいです。(了)

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